海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十三号
公布年月日: 平成22年5月19日
法令の形式: 法律
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十二年五月十九日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫
法律第三十三号
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律
(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部改正)
第一条 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第五条の三に次の一項を加える。
3 船舶から排出された油が水温その他の自然的条件により滞留することによる汚染を特に防止する必要があるものとして政令で定める海域においては、当該海域において滞留するおそれのあるものとして国土交通省令で定める性状又は種類の油をばら積みの貨物又は燃料油として積載した船舶を航行させてはならない。ただし、船舶の安全を確保し、又は人命を救助するために必要な場合は、この限りでない。
第六条第一項中「行なう」を「行う」に、「を行なわせる」を「(第八条の二第四項の船舶間貨物油積替作業管理者が行うものを除く。)を行わせる」に改める。
第七条第一項中「次条第一項」の下に「及び第八条の二第一項」を加える。
第八条の次に次の二条を加える。
(船舶間貨物油積替作業手引書等)
第八条の二 他のタンカーとの間におけるばら積みの貨物油の積替えを行う国土交通省令で定める総トン数以上のタンカー(国土交通省令で定める特別の用途のものを除く。)の船舶所有者は、当該積替え(以下「船舶間貨物油積替え」という。)に関する作業を行う者が、船舶間貨物油積替えに起因する油の排出を防止するために遵守すべき事項について、船舶間貨物油積替作業手引書を作成し、これを当該タンカー内に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
2 前項の規定による船舶間貨物油積替作業手引書の作成及び備置き又は掲示に関する技術上の基準は、国土交通省令で定める。
3 船舶間貨物油積替えは、第一項の船舶間貨物油積替作業手引書(以下「船舶間貨物油積替作業手引書」という。)に従つて行わなければならない。
4 第一項の船舶所有者は、当該タンカーの乗組員のうちから、船長を補佐して船舶間貨物油積替えに関する業務の管理を行わせるため、船舶間貨物油積替作業管理者を選任しなければならない。
5 前項の船舶間貨物油積替作業管理者は、船舶間貨物油積替作業手引書に定められた事項を、当該タンカーの乗組員及び乗組員以外の者で当該タンカーに係る業務を行う者のうち船舶間貨物油積替えに関する作業を行うものに周知させなければならない。
6 第四項の船舶間貨物油積替作業管理者は、船舶間貨物油積替えが行われたときは、その都度、積み替えられた貨物油の種類及び量その他の国土交通省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。
7 第一項のタンカーの船長は、前項の記録をその作成の日から三年間当該タンカー内に保存しなければならない。
8 第一項及び第三項から前項までの規定は、次の各号のいずれかに該当する船舶間貨物油積替えについては、適用しない。
一 船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための船舶間貨物油積替え
二 船舶の損傷その他やむを得ない原因により貨物油が排出された場合において引き続く貨物油の排出を防止するための船舶間貨物油積替え
(船舶間貨物油積替えの通報等)
第八条の三 日本国の内水、領海又は排他的経済水域において船舶間貨物油積替えを行う前条第一項のタンカーの船長は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該タンカーの名称、当該船舶間貨物油積替えを行う時期及び海域並びに積み替える貨物油の種類及び量その他の国土交通省令で定める事項を海上保安庁長官に通報しなければならない。通報した事項の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも、同様とする。
2 前項の規定により船長がしなければならない通報は、当該タンカーの船舶所有者又は船長若しくは船舶所有者の代理人もすることができる。
3 海上保安庁長官は、第一項の規定により通報された事項、当該船舶間貨物油積替えを行おうとする海域における気象、海象及び船舶交通の状況その他の事情から合理的に判断して、当該タンカーからの船舶間貨物油積替えに起因する油の排出のおそれがあると認めるときは、当該タンカーの船長に対し、当該油の排出の防止のために必要な限度において、当該船舶間貨物油積替えを行う時期又は海域の変更その他の当該油の排出を防止するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
4 第一項及び前項の規定は、前条第八項各号のいずれかに該当する船舶間貨物油積替えについては、適用しない。
5 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、第三項の規定による命令については、適用しない。
第九条第一項中「第五条の三及び」を「第五条の三第一項及び第二項並びに」に、「前条」を「第八条」に改める。
第十九条の三中「及び能力」を「、能力及び用途」に改める。
第十九条の四第一項中「その種類、出力、用途等が国土交通省令で定める基準に該当しないものを除く。以下同じ」を「次の各号のいずれかに該当するものを除く」に改め、同項に次の各号を加える。
一 その種類及び出力が、窒素酸化物の放出による大気の汚染の程度が小さいものとして国土交通省令で定める基準に該当する原動機
二 窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査の用に供される原動機であつて、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けたもの
三 前号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める特別の用途に供される原動機
第十九条の四第二項中「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項第二号の承認には、窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
第十九条の五及び第十九条の六中「同条第二項」を「同条第三項」に改める。
第十九条の七第一項中「国土交通省令で定める船舶(以下「基準適合原動機設置対象船舶」という。)に原動機を設置する船舶所有者」を「船舶所有者は、船舶に原動機(第十九条の四第一項各号に掲げる原動機を除く。以下同じ。)を設置するとき」に改め、同条第二項中「同条第二項」を「同条第三項」に、「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改め、同条第三項及び第四項中「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改める。
第十九条の八中「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改める。
第十九条の九中「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改め、同条に次の一号を加える。
三 窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のため、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けて運転する場合
第十九条の九に次の一項を加える。
2 前項第三号の承認には、窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
第十九条の十第一項中「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改め、同条第四項中「第十九条の四から第十九条の七まで」を「第十九条の四第一項(第二号を除く。)、第十九条の五、第十九条の六、第十九条の七第二項及び第四項」に、「及び」を「並びに」に改める。
第十九条の十五第一項中「基準適合原動機設置対象船舶」を「船舶」に改める。
第十九条の十六第二項中「第十九条の九」を「第十九条の九第一項」に改める。
第十九条の十七第一項中「基準適合原動機設置対象船舶である」を削る。
第十九条の二十一第一項中「適合する燃料油」の下に「(以下「基準適合燃料油」という。)」を加え、同項第二号中「政令で定める基準に適合しない」を「基準適合燃料油以外の」に改め、同条に次の四項を加える。
3 第一項本文の規定は、基準適合燃料油の入手を予定していた場所において入手できなかつた場合にとるべき国土交通省令で定める措置を講じてもなお基準適合燃料油を入手できない場合における燃料油(国土交通省令で定める品質のものを除く。)の使用については、適用しない。
4 前項の規定により第一項本文の規定を適用しないこととされた燃料油の使用をしようとする船舶(外国船舶にあつては、当該燃料油を使用して本邦の港に入港をしようとし、又は本邦の沿岸の係留施設を利用しようとするものに限る。)の船長(引かれ船等にあつては、船舶所有者)は、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に通報しなければならない。
5 第一項本文の規定は、硫黄酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のためにする船舶における燃料油の使用であつて、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けてするものについては、適用しない。
6 前項の承認には、硫黄酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
第十九条の二十一の次に次の一条を加える。
(燃料油変更作業手引書)
第十九条の二十一の二 航行中に、進入しようとする海域に係る前条第一項又は第二項の政令で定める基準に適合させるため、その使用する燃料油の変更(国土交通省令で定める方法によるものに限る。)をする船舶の船舶所有者は、当該燃料油の変更に関する作業を行う者が遵守すべき事項その他の国土交通省令で定める事項を記載した燃料油変更作業手引書を作成し、これを当該船舶内に備え置かなければならない。
第十九条の二十四の次に次の一条を加える。
(揮発性物質放出防止措置手引書)
第十九条の二十四の二 原油の輸送の用に供するタンカー(以下「原油タンカー」という。)の船舶所有者は、貨物として積載している原油の取扱いに関する作業を行う者が、当該原油タンカーからの揮発性有機化合物質の放出を防止するために遵守すべき事項について、揮発性物質放出防止措置手引書を作成し、これを当該原油タンカー内に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
2 前項の規定による揮発性物質放出防止措置手引書の作成及び備置き又は掲示に関する技術上の基準は、国土交通省令で定める。
3 原油タンカーの船長は、第一項の揮発性物質放出防止措置手引書(以下「揮発性物質放出防止措置手引書」という。)に定められた事項を、当該原油タンカーの乗組員及び乗組員以外の者で当該原油タンカーに係る業務を行う者のうち貨物として積載している原油の取扱いに関する作業を行うものに周知させなければならない。
第十九条の二十五中「船舶を」を「特別の用途のものを」に改め、「設備」の下に「(オゾン層破壊物質が放出されるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)」を加える。
第四章の五の章名中「大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の三十六の表の上欄中「又は有害液体汚染防止緊急措置手引書」を「若しくは有害液体汚染防止緊急措置手引書又は船舶間貨物油積替作業手引書」に、「又は海洋汚染防止緊急措置手引書」を「若しくは海洋汚染防止緊急措置手引書又は船舶間貨物油積替作業手引書」に改め、「という。)が」の下に「それぞれ」を、「において同じ。)」の下に「又は第八条の二第二項」を加え、同表に次のように加える。
原油タンカー
当該検査対象船舶に備え置き、又は掲示された揮発性物質放出防止措置手引書
第十九条の三十七第一項中「及び当該大気汚染防止検査対象設備」を「、当該大気汚染防止検査対象設備及び当該揮発性物質放出防止措置手引書」に改め、「第七条の二第二項」の下に「若しくは第八条の二第二項」を加え、「又は第十九条の七第四項」を「、第十九条の七第四項」に改め、「第十九条の二十六第二項」の下に「又は第十九条の二十四の二第二項」を加え、「及び大気汚染防止検査対象設備」を「、大気汚染防止検査対象設備及び揮発性物質放出防止措置手引書」に改める。
第十九条の三十八中「海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の三十九中「掲示された海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「又は揮発性物質放出防止措置手引書」を、「当該海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「若しくは揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の四十中「海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「若しくは揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の四十一第一項及び第二項中「海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の四十六第一項中「及び大気汚染防止検査対象設備」を「、大気汚染防止検査対象設備及び揮発性物質放出防止措置手引書」に改め、同条第二項中「及び大気汚染防止検査対象設備」を「、大気汚染防止検査対象設備及び揮発性物質放出防止措置手引書」に、「及び当該大気汚染防止検査対象設備」を「、当該大気汚染防止検査対象設備及び当該揮発性物質放出防止措置手引書」に改める。
第十九条の四十八第一項及び第十九条の五十一第一項中「掲示された海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「若しくは揮発性物質放出防止措置手引書」を、「当該海洋汚染防止緊急措置手引書等」の下に「又は揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の五十二第二項中「大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の五十三第二項中「(大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び揮発性物質放出防止措置手引書」を、「設置されている大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び当該船舶に備え置き、又は掲示されている揮発性物質放出防止措置手引書」を、「当該大気汚染防止検査対象設備」の下に「及び当該揮発性物質放出防止措置手引書」を加える。
第十九条の五十四中「及び大気汚染防止検査対象設備」を「、大気汚染防止検査対象設備及び揮発性物質放出防止措置手引書」に改める。
第三十三条第二項中「(平成五年法律第八十八号)」を削る。
第五十五条第一項第一号の次に次の一号を加える。
一の二 第八条の三第三項の規定による命令に違反した者
第五十五条第一項第八号中「第十九条の九」を「第十九条の九第一項」に改める。
第五十六条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第十九条の四第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)又は第十九条の九第二項の規定により国土交通大臣が付し、又は変更した条件に違反して原動機を運転した者
第五十六条第四号の次に次の一号を加える。
四の二 第十九条の二十一第六項の規定により国土交通大臣が付し、又は変更した条件に違反して燃料油を使用した者
第五十七条第一号中「第五条の三第一項」の下に「又は第三項」を加え、同条第二号中「第七条第一項」の下に「、第八条の二第四項」を加え、同号の次に次の三号を加える。
二の二 第八条の二第三項の規定に違反して、船舶間貨物油積替えを行つた者
二の三 第八条の三第一項の規定による通報をせず、又は虚偽の通報をして船舶間貨物油積替えを行つた者
二の四 第八条の三第二項の規定による通報に際して虚偽の通報をした者(当該タンカーが船舶間貨物油積替えをした場合に限る。)
第五十七条第六号の次に次の一号を加える。
六の二 第十九条の二十一第四項の規定による通報をせず、又は虚偽の通報をして基準適合燃料油以外の燃料油を使用した者
第五十八条第二号中「第八条第一項若しくは第三項」の下に「、第八条の二第七項」を、「限る。)」の下に「、第十九条の二十一の二」を加え、同条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第八条の二第六項の規定による記録を作成せず、又は虚偽の記録を作成した者
(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正)
第二条 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律(平成十六年法律第三十六号)の一部を次のように改正する。
附則第七条中「新海洋汚染等防止法」を「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律(平成二十二年法律第三十三号)第一条の規定による改正後の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(以下「平成二十二年新法」という。)」に改め、「もの」の下に「(平成二年一月一日から平成十一年十二月三十一日までの間に建造され又は建造に着手された国際航海に従事する船舶に設置された原動機であって同日までに製造されたもののうち、当該原動機からの窒素酸化物の放出量を平成二十二年新法第十九条の三の放出基準に適合させる改造(以下この条において「基準適合改造」という。)を行うことができるものとして国土交通大臣が指定する型式のもの(以下この条において「指定原動機」という。)を除く。)及び指定原動機が設置された船舶のうち当該指定原動機について基準適合改造を行うことが困難な事情があるものとして国土交通大臣が指定する船舶に設置されたもの」を加え、同条第二号中「生ずる日」を「生じた日(平成十七年五月十九日。附則第十条において「発効日」という。)」に改める。
附則第九条第一項中「新海洋汚染等防止法」を「平成二十二年新法」に、「定める日前」を「定める日以前」に、「同日前」を「同日以前」に改め、同条第二項中「新海洋汚染等防止法」を「平成二十二年新法」に改め、同条第三項中「前項」を「第二項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第二項の次に次の六項を加える。
3 国際航海に従事する船舶のうち国土交通省令で定める総トン数以上のものの船長(専ら他の船舶に引かれ、又は押されて航行する船舶(以下この項において「引かれ船等」という。)にあっては、船舶所有者。次項及び第五項において同じ。)は、当該船舶に設置している前項に規定する設備(平成二十二年新法第十九条の二十五の国土交通省令で定めるものを除く。)の名称及び設置場所を記載した一覧表(第六項において単に「一覧表」という。)を当該船舶内(引かれ船等にあっては、当該船舶を管理する船舶所有者の事務所。次項において同じ。)に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
4 前項の船舶の船長は、オゾン層破壊物質記録簿を当該船舶内に備え付けなければならない。
5 第三項の船舶の船長は、同項の設備の修理その他当該設備の取扱いに関する作業で国土交通省令で定めるものが行われたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、オゾン層破壊物質記録簿への記載を行わなければならない。
6 国土交通大臣又は海上保安庁長官は、前三項の規定の施行に必要な限度において、その職員に、船舶又は船舶所有者の事務所に立ち入り、一覧表若しくはオゾン層破壊物質記録簿を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
7 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
8 第六項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
附則第九条に次の三項を加える。
10 第三項、第四項又は第五項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。
11 第六項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず若しくは虚偽の陳述をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
12 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、当該各項の刑を科する。
附則第十条第二号中「第二議定書が効力を生ずる日」を「発効日」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十二年七月一日(以下この条及び次条において「施行日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第三条及び第九条の規定 公布の日
二 第一条中海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第十九条の四十六第一項の改正規定並びに次条及び附則第七条の規定 施行日前の政令で定める日
三 第一条中海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第六条第一項及び第七条第一項の改正規定、同法第八条の次に二条を加える改正規定(第六号に掲げる部分を除く。)、同法第九条第一項の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、同法第十九条の三十六の改正規定(同条の表の上欄中「又は有害液体汚染防止緊急措置手引書」を「若しくは有害液体汚染防止緊急措置手引書又は船舶間貨物油積替作業手引書」に、「又は海洋汚染防止緊急措置手引書」を「若しくは海洋汚染防止緊急措置手引書又は船舶間貨物油積替作業手引書」に改め、「という。)が」の下に「それぞれ」を、「において同じ。)」の下に「又は第八条の二第二項」を加える部分に限る。)、同法第十九条の三十七第一項の改正規定(「第七条の二第二項」の下に「若しくは第八条の二第二項」を加える部分に限る。)、同法第五十七条第二号の改正規定、同号の次に三号を加える改正規定(第六号に掲げる部分を除く。)、同法第五十八条第二号の改正規定(「第八条第一項若しくは第三項」の下に「、第八条の二第七項」を加える部分に限る。)並びに同条第三号の次に一号を加える改正規定並びに附則第四条の規定 平成二十三年一月一日
四 第一条中海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第五条の三に一項を加える改正規定、同法第九条第一項の改正規定(「第五条の三及び」を「第五条の三第一項及び第二項並びに」に改める部分に限る。)及び同法第五十七条第一号の改正規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日
五 附則第五条の規定 平成二十四年三月一日
六 第一条中海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第八条の次に二条を加える改正規定(第八条の三に係る部分に限る。)、同法第三十三条第二項の改正規定、同法第五十五条第一項第一号の次に一号を加える改正規定及び同法第五十七条第二号の次に三号を加える改正規定(同条第二号の三及び第二号の四に係る部分に限る。) 平成二十四年四月一日
(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二条 国土交通大臣又は船級協会(第一条の規定による改正後の海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(以下「新法」という。)第十九条の四十六第一項の規定による登録を受けた者をいう。以下この条において同じ。)は、施行日前においても、新法第十九条の二十四の二第一項の揮発性物質放出防止措置手引書(以下この条において「揮発性物質放出防止措置手引書」という。)について、新法第十九条の三十六又は第十九条の四十六第二項に規定する検査に相当する検査(以下この条において「相当検査」という。)を行うことができる。
2 国土交通大臣が相当検査の結果当該揮発性物質放出防止措置手引書について国土交通省令で定める新法第十九条の二十四の二第二項に規定する技術上の基準に相当する基準(第六項において「相当技術基準」という。)に適合すると認めたときは、国土交通大臣は、揮発性物質放出防止措置手引書に係る新法第十九条の三十七第一項の海洋汚染等防止証書に相当する証書(以下この条において「相当証書」という。)を交付しなければならない。
3 前項の規定により交付した相当証書は、その交付後施行日までの間に国土交通省令で定める事由が生じたときを除き、施行日以後は、揮発性物質放出防止措置手引書に係る新法第十九条の三十七第一項の規定により交付した海洋汚染等防止証書とみなす。この場合において、当該相当証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
4 次に掲げる者(国及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人であって当該独立行政法人の業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるものに限る。)を除く。)は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
一 国土交通大臣の行う相当検査を受けようとする者
二 相当証書の交付を受けようとする者(船級協会が相当検査を行い、かつ、船級の登録をした原油の輸送の用に供するタンカーに係る相当証書の交付を受けようとする者に限る。)
三 相当証書の再交付又は書換えを受けようとする者
5 前項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して前項各号の相当検査、交付又は再交付若しくは書換えに係る申請をする場合には、国土交通省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。
6 船級協会が相当検査を行い、かつ、船級の登録をした原油の輸送の用に供するタンカーは、当該船級を有する間は、国土交通大臣が当該揮発性物質放出防止措置手引書について相当検査を行い、相当技術基準に適合すると認めたものとみなす。
7 船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第二十五条の四十九第二項、第二十五条の五十一、第二十五条の五十三、第二十五条の五十六、第二十五条の五十七(第二十五条の三十第四項及び第二十五条の五十五の規定の準用に係る部分を除く。)、第二十五条の五十八(第一項第一号、第二号、第三号(第二十五条の五十及び第二十五条の五十二に係る部分に限る。)、第七号(第二十五条の五十五に係る部分に限る。)及び第八号並びに第二項第一号(第二十五条の五十八第一項第一号及び第八号に係る部分に限る。)及び第二号(第二十五条の五十七の規定により読み替えて準用する第二十五条の三十第四項及び第二十五条の五十五に係る部分に限る。)に係る部分を除く。)、第二十五条の五十九から第二十五条の六十一まで及び第二十五条の六十二(第一号から第三号までに係る部分を除く。)の規定は、第一項の規定により船級協会が相当検査を行う場合について準用する。
8 偽りその他不正の行為により相当証書の交付を受けた者は、二百万円以下の罰金に処する。
9 日本の船級協会の役員又は職員が、相当検査に関して、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上十年以下の懲役に処する。
10 前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
11 第九項の賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
12 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
13 第七項において準用する船舶安全法第二十五条の五十八第一項の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした船級協会の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
14 第七項において準用する船舶安全法第二十五条の六十の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした場合には、その違反行為をした船級協会(外国にある事務所において業務を行う者を除く。)の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
15 第七項において準用する船舶安全法第二十五条の六十一第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。
16 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第八項又は前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、当該各項の刑を科する。
17 第七項において準用する船舶安全法第二十五条の五十三第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに第七項において準用する同条第二項各号に掲げる請求を拒んだ者(外国にある事務所において業務を行う者を除く。)は、二十万円以下の過料に処する。
第三条 新法第十九条の四十六第一項の登録を受けようとする者は、附則第一条第二号に定める日前においても、その申請を行うことができる。新法第十九条の四十六第三項において準用する新法第十九条の十五第三項において準用する船舶安全法第二十五条の五十一第一項の規定による認可の申請についても、同様とする。
第四条 新法第八条の二の規定は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める日までの間は、適用しない。
一 附則第一条第三号に定める日前に建造され又は建造に着手された船舶(次号に掲げる船舶を除く。) 同日以後最初に行われる新法第十九条の三十六の表の下欄に掲げる設備等(船舶間貨物油積替作業手引書を除く。)についての同条若しくは新法第十九条の三十八の規定による定期検査若しくは中間検査(新法第十九条の四十六第二項の規定によりこれらの検査を行ったものとみなされる同項の検査を含む。)が開始される日又は附則第一条第六号に定める日のいずれか早い日
二 外国船舶 附則第一条第六号に定める日
第五条 新法第八条の三第一項の規定による通報は、同条の規定の例により、附則第一条第六号に掲げる規定の施行前においても行うことができる。
(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律の一部改正に伴う経過措置)
第六条 第二条の規定による改正後の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律附則第七条に規定する指定原動機については、同条の規定により指定した型式ごとに国土交通大臣が告示で定める日から起算して一年を経過する日以後最初に行われる当該指定原動機が設置されている船舶の新法第十九条の三十六の表の下欄に掲げる設備等(当該指定原動機を除く。)についての同条の規定による定期検査(新法第十九条の四十六第二項の規定により当該検査を行ったものとみなされる同項の検査を含む。)が開始される日までの間は、新法第十九条の三から第十九条の九までの規定は、適用しない。
(処分、手続等の効力に関する経過措置)
第七条 この法律の各改正規定の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、この法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)に相当する規定があるものは、これらの規定によってした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第八条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第九条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
国土交通大臣 前原誠司
環境大臣 小沢鋭仁
内閣総理大臣 鳩山由紀夫