証券取引法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十六号
公布年月日: 平成17年6月29日
法令の形式: 法律
証券取引法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十七年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第七十六号
証券取引法の一部を改正する法律
証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)の一部を次のように改正する。
第二十一条の二第一項中「当該書類の提出者が」を「当該書類(同項第八号に掲げる書類を除く。)の提出者又は当該書類(同号に掲げる書類に限る。)の提出者を親会社等(第二十四条の七第一項に規定する親会社等をいう。)とする者が」に改める。
第二十四条に次の六項を加える。
第一項(第五項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により有価証券報告書を提出しなければならない外国会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出したものを含む。以下「報告書提出外国会社」という。)は、公益又は投資者保護に欠けることがないものとして内閣府令で定める場合には、第一項の規定による有価証券報告書及び第六項の規定によりこれに添付しなければならない書類(以下この条において「有価証券報告書等」という。)に代えて、外国において開示(当該外国の法令(外国有価証券市場を開設する者その他の内閣府令で定める者の規則を含む。)に基づいて当該外国において公衆の縦覧に供されることをいう。第二十四条の五第七項において同じ。)が行われている有価証券報告書等に類する書類であつて英語で記載されたもの(以下この条及び次条第四項において「外国会社報告書」という。)を提出することができる。
外国会社報告書には、内閣府令で定めるところにより、当該外国会社報告書に記載されている事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものの要約の日本語による翻訳文、当該外国会社報告書に記載されていない事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを記載した書類その他内閣府令で定めるもの(以下この条及び次条第四項において「補足書類」という。)を添付しなければならない。
前二項の規定により報告書提出外国会社が有価証券報告書等に代えて外国会社報告書及びその補足書類を提出する場合には、第一項中「当該事業年度経過後三月以内(当該会社が外国会社である場合には、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内)」とあるのは「当該事業年度経過後公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内」とし、第五項中「「当該事業年度」とあるのは「当該特定期間」」とあるのは「「当該事業年度経過後三月以内(当該会社が外国会社である場合には、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内)」とあるのは「当該特定期間経過後公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内」」とする。
第八項及び第九項の規定により報告書提出外国会社が外国会社報告書及びその補足書類を提出した場合には、当該外国会社報告書及びその補足書類を有価証券報告書とみなし、これらの提出を有価証券報告書等を提出したものとみなして、この法律又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
内閣総理大臣は、外国会社報告書を提出した報告書提出外国会社が第八項の外国会社報告書を提出することができる場合に該当しないと認めるときは、当該報告書提出外国会社に対し、その旨を通知しなければならない。この場合においては、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
前項の規定による通知を受けた報告書提出外国会社は、第一項の規定にかかわらず、同項の規定による有価証券報告書を、当該通知があつた日を起算日として公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内に提出しなければならない。
第二十四条の二に次の一項を加える。
前条第八項、第九項及び第十一項の規定は、第一項において読み替えて準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定により報告書提出外国会社が提出した外国会社報告書及びその補足書類の訂正報告書を提出する場合について準用する。
第二十四条の五に次の六項を加える。
第一項(第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により半期報告書を提出しなければならない報告書提出外国会社は、公益又は投資者保護に欠けることがないものとして内閣府令で定める場合には、第一項の規定による半期報告書に代えて、外国において開示が行われている半期報告書に類する書類であつて英語で記載されたもの(以下この条において「外国会社半期報告書」という。)を提出することができる。
外国会社半期報告書には、内閣府令で定めるところにより、当該外国会社半期報告書に記載されている事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものの要約の日本語による翻訳文、当該外国会社半期報告書に記載されていない事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを記載した書類その他内閣府令で定めるもの(以下この条において「補足書類」という。)を添付しなければならない。
前二項の規定により報告書提出外国会社が外国会社半期報告書及びその補足書類を提出した場合には、当該外国会社半期報告書及びその補足書類を半期報告書とみなし、これらの提出を半期報告書を提出したものとみなして、この法律又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
内閣総理大臣は、外国会社半期報告書を提出した報告書提出外国会社が第七項の外国会社半期報告書を提出することができる場合に該当しないと認めるときは、当該報告書提出外国会社に対し、その旨を通知しなければならない。この場合においては、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
前項の規定による通知を受けた報告書提出外国会社は、第一項の規定にかかわらず、同項の規定による半期報告書を、当該通知があつた日を起算日として公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内に提出しなければならない。
第七項から第九項までの規定は、第五項において読み替えて準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定により報告書提出外国会社が提出した外国会社半期報告書及びその補足書類の訂正報告書を提出する場合について準用する。
第二十四条の六の次に次の一条を加える。
第二十四条の七 第二十四条第一項の規定により有価証券報告書を提出しなければならない会社(同項第一号又は第二号に掲げる有価証券の発行者であるものに限る。第四項、次条第五項及び第二十七条の三十の十において「提出子会社」という。)の議決権の過半数を所有している会社その他の当該有価証券報告書を提出しなければならない会社と密接な関係を有するものとして政令で定めるもの(第二十四条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。第四項各号において同じ。)の規定により有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出した会社その他内閣府令で定めるものを含む。)を除く。以下この条並びに次条第二項、第四項及び第五項において「親会社等」という。)は、内閣府令で定めるところにより、当該親会社等の事業年度(当該親会社等が特定有価証券の発行者である場合には、内閣府令で定める期間。以下この項及び次項において同じ。)ごとに、当該親会社等の株式を所有する者に関する事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した報告書(以下「親会社等状況報告書」という。)を、当該事業年度経過後三月以内(当該親会社等が外国会社である場合には、公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、親会社等状況報告書を提出しなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして政令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
前項本文の規定の適用を受けない会社が親会社等に該当することとなつたときは、当該親会社等に該当することとなつた会社は、内閣府令で定めるところにより、その該当することとなつた日の属する事業年度の直前事業年度に係る親会社等状況報告書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、親会社等状況報告書を提出しなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして政令で定めるところにより内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
第七条、第九条第一項及び第十条第一項の規定は、親会社等状況報告書について準用する。この場合において、第七条中「第四条第一項又は第二項の規定による届出の日以後当該届出がその効力を生ずることとなる日前において、第五条の規定による届出書類」とあるのは「親会社等状況報告書(第二十四条の七第一項に規定する親会社等状況報告書をいう。以下同じ。)」と、「届出者」とあるのは「親会社等状況報告書の提出者」と、「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と、第九条第一項中「届出者」とあるのは「親会社等状況報告書の提出者」と、「訂正届出書」とあるのは「訂正報告書」と、第十条第一項中「届出者」とあるのは「親会社等状況報告書の提出者」と、「訂正届出書の提出を命じ、必要があると認めるときは、第四条第一項又は第二項の規定による届出の効力の停止」とあるのは「訂正報告書の提出」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第一項本文若しくは第二項本文の規定により親会社等状況報告書を提出し、又は前項において準用する第七条、第九条第一項若しくは第十条第一項の規定により親会社等状況報告書の訂正報告書を提出した親会社等は、遅滞なく、これらの書類の写しを当該親会社等の提出子会社に送付するとともに、これらの書類の写しを次の各号に掲げる当該提出子会社が発行者である有価証券の区分に応じ、当該各号に定める者に提出しなければならない。
一 第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券 同号の証券取引所
二 第二十四条第一項第二号に掲げる有価証券 政令で定める証券業協会
第二十四条第八項、第九項及び第十一項から第十三項までの規定は、外国会社である親会社等が親会社等状況報告書を提出する場合について準用する。この場合において、同条第八項中「外国会社(第二十三条の三第四項の規定により有価証券報告書を提出したものを含む。以下「報告書提出外国会社」という。)」とあるのは「外国会社である親会社等(第二十四条の七第一項に規定する親会社等をいう。以下この条において同じ。)」と、「外国において開示(当該外国の法令(外国有価証券市場を開設する者その他の内閣府令で定める者の規則を含む。)に基づいて当該外国において公衆の縦覧に供されることをいう。第二十四条の五第七項において同じ。)が行われている有価証券報告書等に類する」とあるのは「親会社等状況報告書に記載すべき事項を記載した」と、同条第九項中「、当該外国会社報告書に記載されていない事項のうち公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定めるものを記載した書類その他」とあるのは「その他」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
前各項の規定は、親会社等が会社以外の者である場合について準用する。この場合において、第一項中「議決権の過半数を所有している会社」とあるのは「議決権の過半数を所有している会社以外の者」と、「密接な関係を有するものとして政令で定めるもの」とあるのは「密接な関係を有する会社以外の者として政令で定める会社以外の者」と、「親会社等の株式を所有する者」とあるのは「親会社等の出資者その他の者」と、第二項中「会社が」とあるのは「会社以外の者が」と、「会社は」とあるのは「会社以外の者は」と、前項中「外国会社である」とあるのは「外国の者である」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二十五条第一項中「又は自己株券買付状況報告書」を「、自己株券買付状況報告書又は親会社等状況報告書」に改め、同項に次の一号を加える。
八 親会社等状況報告書及びその訂正報告書 五年
第二十五条第二項中「前項各号」を「前項第一号から第七号まで」に改め、「を提出したもの」の下に「及び有価証券の発行者の親会社等が同項第八号に掲げる書類を提出した場合の当該発行者」を加え、同条第三項中「前条第四項」を「第二十四条の六第四項」に改め、「において同じ。)」の下に「及び前条第四項」を加え、同条第四項中「発行者」の下に「で第一項第一号から第六号までに掲げる書類を提出したもの及び親会社等で同項第八号に掲げる書類を提出したもの」を加え、「(第一項第七号に掲げる書類及び前二項の規定による第一項第七号に掲げる書類の写しを除く。)」を削り、同条第五項中「発行者」の下に「及び親会社等」を、「第六条」の下に「及び前条第四項」を加え、「証券取引所又は」を「提出子会社に送付し、又は証券取引所若しくは」に改め、「削除して」の下に「送付し、又は」を加える。
第二十六条中「自己株券買付状況報告書の提出者」の下に「、親会社等状況報告書の提出者」を加える。
第二十七条を次のように改める。
第二十七条 第五条から第十三条まで、第十五条から第二十四条の五まで及び第二十四条の七から前条までの規定は、発行者が会社以外の者(第二十四条第八項から第十三項まで、第二十四条の二第四項及び第二十四条の五第七項から第十二項までの規定にあつては外国の者に限る。)である場合について準用する。この場合において、第二十四条第八項中「外国会社(」とあるのは「会社以外の外国の者(」と、同項、同条第十項から第十三項まで、第二十四条の二第四項並びに第二十四条の五第七項及び第九項から第十二項までの規定中「報告書提出外国会社」とあるのは「報告書提出外国者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えその他これらの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十七条の二第一項中「取引所有価証券市場外における買付け等(株券等の買付けその他の有償の譲受けをいい、これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この節において同じ。)」を「取引所有価証券市場における有価証券の売買等(競売買の方法以外の方法による有価証券の売買等として内閣総理大臣が定めるもの(第四号において「特定売買等」という。)を除く。第一号において同じ。)による買付け等(株券等の買付けその他の有償の譲受けをいい、これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この節において同じ。)以外の買付け等」に改め、同項第五号を同項第六号とし、同項第四号を同項第五号とし、同項第三号中「次号」の下に「及び第五号」を加え、同号の次に次の一号を加える。
四 特定売買等による株券等の買付け等の後におけるその者の所有に係る株券等の株券等所有割合がその者の特別関係者の株券等所有割合と合計して三分の一を超えない場合における特定売買等による当該株券等の買付け等
第二十七条の三十の二中「第二十四条の六第三項」の下に「、第二十四条の七第三項」を、「第二十四条の六第一項若しくは第二項」の下に「、第二十四条の七第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)」を加える。
第二十七条の三十の六第一項中「並びに第二十七条において準用する場合を含む。)」の下に「、第二十四条の七第四項(同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)」を加える。
第二十七条の三十の十中「第二十五条第一項各号(第二十七条において準用する場合を含む。)に掲げる書類又は第二十七条の十四第一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する書類に係る」を「第二十五条第一項第一号から第七号まで(第二十七条において準用する場合を含む。)に掲げる書類に係る電子開示手続を行つた者若しくは同項第八号(第二十七条において準用する場合を含む。)に掲げる書類に係る電子開示手続を行つた者の提出子会社又は第二十七条の十四第一項(第二十七条の二十二の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する書類に係る」に改める。
第百七十二条中「開示書類」を「発行開示書類」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第百七十二条の二 発行者が、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書等(第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定を同条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十四条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書及びその添付書類又は第二十四条の二第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項若しくは第十条第一項の規定による訂正報告書をいう。第百七十八条第五項並びに第百八十五条の七第二項及び第三項において同じ。)を提出したときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、当該発行者に対し、第一号に掲げる額(第二号に掲げる額が第一号に掲げる額を超えるときは、第二号に掲げる額)に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、発行者の事業年度(当該発行者が第二十四条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)に規定する特定有価証券の発行者である場合には、当該特定有価証券に係る第二十四条第五項において準用する同条第一項に規定する特定期間。以下この項及び第百八十五条の七第十九項において同じ。)が一年である場合以外の場合においては、当該額に当該事業年度の月数を十二で除して得た数を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
一 三百万円
二 イに掲げる額にロに掲げる数を乗じて得た額
イ 当該発行者が発行する算定基準有価証券(株券、優先出資法に規定する優先出資証券その他これらに準ずるものとして政令で定める有価証券をいう。以下この号において同じ。)の内閣府令で定めるところにより算出される市場価額の総額(当該算定基準有価証券の市場価額がないとき又は当該発行者が算定基準有価証券を発行していないときは、これに相当するものとして政令で定めるところにより算出した額)
ロ 十万分の三
発行者が、重要な事項につき虚偽の記載がある半期・臨時報告書等(第二十四条の五第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による半期報告書若しくは臨時報告書又は第二十四条の五第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項若しくは第十条第一項の規定による訂正報告書をいう。第百七十八条第五項並びに第百八十五条の七第二項及び第三項において同じ。)を提出したときは、内閣総理大臣は、次節に定める手続に従い、当該発行者に対し、前項第一号に掲げる額(同項第二号に掲げる額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、同項第二号に掲げる額)の二分の一に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
第一項ただし書(前項後段において準用する場合を含む。)の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
第百七十六条第四項中「発行者」の下に「、第百七十二条の二第一項若しくは第二項に規定する発行者」を加える。
第百七十八条第一項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第百七十二条の二第一項又は第二項に該当する事実
第百七十八条第二項中「同項各号」を「前項各号」に改め、同条第三項中「開示書類」を「発行開示書類」に改め、同条第五項中「第一項第二号」を「第一項第三号」に改め、同条第六項中「第一項第三号」を「第一項第四号」に改め、同条第七項及び第八項中「第一項第四号」を「第一項第五号」に改め、同条第四項の次に次の一項を加える。
重要な事項につき虚偽の記載がある継続開示書類(有価証券報告書等及び半期・臨時報告書等をいう。以下この項並びに第百八十五条の七第二項、第三項及び第十九項において同じ。)を提出した日から三年を経過したときは、内閣総理大臣は、当該継続開示書類に係る第一項第二号に掲げる事実について、審判手続開始の決定をすることができない。
第百八十条第一項中「第百八十五条の七第四項」を「第百八十五条の七第七項」に改める。
第百八十五条の七第一項中「同条第五項において準用する場合を含む。)」の下に「、第百七十二条の二第一項若しくは第二項」を加え、「次項」を「第五項」に改め、同条第二項中「前項」を「第一項」に、「第百七十八条第一項第二号から第四号まで」を「第百七十八条第一項第三号から第五号まで」に改め、同条第三項中「、又は」を「又は第三項ただし書、第四項ただし書若しくは」に改め、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同条第五項及び第六項中「又は第二項」を「から第五項まで」に改め、同条第七項中「第四項」を「第七項」に改め、同条第八項中「第百七十八条第一項第二号から第四号まで」を「第百七十八条第一項第三号から第五号まで」に改め、「以下この条において同じ。」を削り、「前項」を「第十項」に、「次条第五項」を「次条第七項」に改め、同条第九項中「前項本文」を「第十一項本文及び前項本文」に改め、「第一項」の下に「から第三項まで」を加え、同条第十項中「第八項ただし書」を「第十二項ただし書」に、「次条第五項」を「次条第七項」に改め、「第一項の決定」の下に「(第百七十八条第一項第三号から第五号までに係るものに限る。)」を加え、同条第十一項中「第八項本文」を「第十一項本文又は第十二項本文」に、「第六項」を「第九項」に改め、同条第十二項中「第八項ただし書」を「第十一項ただし書又は第十二項ただし書」に、「第六項」を「第九項」に、「次条第五項」を「次条第六項又は第七項」に改め、同条第九項の次に次の一項を加える。
第十一項ただし書の規定は、次条第六項の規定による変更の処分に係る文書の謄本が送達された時において、第一項の決定(第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。)又は第二項若しくは第三項の決定に係る決定書の謄本が送達されていない場合には、適用しない。
第百八十五条の七第七項の次に次の一項を加える。
第一項の決定(第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。)並びに第二項及び第三項の決定は、これらの決定の時において、同一事件について公訴が提起されている場合であつて、当該事件が裁判所に係属するときは、前項の規定にかかわらず、当該事件についての裁判が確定した時から、その効力を生ずる。ただし、当該事件について、当該決定を受けた者に対し、罰金の確定裁判があつたときは、次条第六項の規定による変更の処分に係る文書の謄本が送達された時から、その効力を生ずる。
第百八十五条の七第一項の次に次の三項を加える。
内閣総理大臣は、同一の記載対象事業年度に係る二以上の継続開示書類の提出について前項の決定(第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。)をしなければならない場合において、それぞれの決定に係る事実について第百七十二条の二第一項又は第二項の規定により算出した額(以下この項から第四項までにおいて「個別決定ごとの算出額」という。)を合計した額が次の各号に掲げる額のいずれか高い額を超えるときは、同条第一項又は第二項の規定による額に代えて、当該高い額を内閣府令で定めるところにより当該個別決定ごとの算出額に応じて按分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。
一 それぞれの有価証券報告書等についての当該決定に係る事実について第百七十二条の二第一項の規定により算出した額のうち最も高い額
二 それぞれの半期・臨時報告書等についての当該決定に係る事実について第百七十二条の二第二項の規定により算出した額に二を乗じて得た額のうち最も高い額
内閣総理大臣は、第一項の決定(第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。)又は前項の決定をしなければならない場合において、既に第一項又は前項の規定によりなされた一以上の決定(以下この項において「既決定」という。)に係る継続開示書類と同一の記載対象事業年度に係る継続開示書類について一以上の決定(以下この項において「新決定」という。)をしなければならないときは、当該新決定について、第百七十二条の二第一項若しくは第二項又は前項の規定による額に代えて、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を内閣府令で定めるところによりそれぞれの新決定に係る事実について個別決定ごとの算出額に応じて按分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。ただし、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えないときは、同条第一項若しくは第二項又は前項の規定による課徴金の納付を命ずることができない。
一 それぞれの既決定及び新決定に係る事実について個別決定ごとの算出額を合計した額(その額が次のイ又はロに掲げる額のいずれか高い額を超えるときは、当該高い額)
イ それぞれの有価証券報告書等についての当該既決定又は当該新決定に係る事実について第百七十二条の二第一項の規定により算出した額のうち最も高い額
ロ それぞれの半期・臨時報告書等についての当該既決定又は当該新決定に係る事実について第百七十二条の二第二項の規定により算出した額に二を乗じて得た額のうち最も高い額
二 当該既決定に係る第百七十二条の二第一項若しくは第二項又は前項の規定による課徴金の額を合計した額
内閣総理大臣は、第一項(第百七十八条第一項第二号に掲げる事実があると認める場合に限る。)又は前二項の規定により一以上の決定をしなければならないときであつて、同一事件について、被審人に対し、罰金の確定裁判があるときは、第百七十二条の二第一項若しくは第二項又は前二項の規定による額に代えて、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を内閣府令で定めるところにより当該一以上の決定に係る事実について個別決定ごとの算出額に応じて按分して得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命ずる旨の決定をしなければならない。ただし、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えないときは、同条第一項若しくは第二項又は前二項の規定による課徴金の納付を命ずることができない。
一 当該一以上の決定に係る事実について第百七十二条の二第一項若しくは第二項又は前二項の規定により算出した額を合計した額
二 当該罰金の額
第百八十五条の七に次の二項を加える。
第二項から第四項までの規定により計算した課徴金の額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
第二項及び第三項の「記載対象事業年度」とは、次の各号に掲げる継続開示書類の区分に応じ、当該各号に定める事業年度をいう。
一 第二十四条第一項又は第三項(これらの規定を同条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十四条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)並びに第二十四条の二第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定による有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書 当該有価証券報告書及びその添付書類に係る事業年度
二 第二十四条の五第一項(同条第三項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十四条の五第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定による半期報告書及びその訂正報告書 当該半期報告書に係る期間の属する事業年度
三 第二十四条の五第四項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十四条の五第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項又は第十条第一項の規定による臨時報告書及びその訂正報告書 当該臨時報告書を提出した日の属する事業年度
第百八十五条の八第一項中「第四号」を「第五号」に、「以下この条において同じ。)」を「第四項、第五項、第八項及び第十一項において同じ。)又は前条第二項若しくは第三項の決定」に改め、同条第二項中「前項本文」を「第一項本文」に改め、「前条第一項の決定」の下に「(第百七十八条第一項第三号から第五号までに係るものに限る。第七項において同じ。)」を加え、「第五項」を「第七項」に改め、同条第三項中「前条第一項」の下に「から第三項まで」を加え、「同条第六項」を「同条第九項」に改め、同条第四項中「第二項」の下に「又は第三項」を、「前条第一項」の下に「から第三項まで」を加え、「同条第六項」を「同条第九項」に改め、「次項」の下に「又は第七項」を加え、同条第六項中「前項ただし書」を「第六項ただし書又は前項ただし書」に改め、「前条第一項」の下に「から第三項まで」を加え、同条第七項及び第八項中「第五項」を「第六項又は第七項」に改め、同条第九項中「又は第二項」を「から第三項まで」に改め、「前条第一項」の下に「から第三項まで」を加え、同条第四項の次に次の一項を加える。
内閣総理大臣は、前条第一項の決定又は同条第二項若しくは第三項の決定の後、同一事件について、当該決定を受けた者に対し、罰金の確定裁判があつたときは、当該決定に係る課徴金の額を、これらの規定による額から、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を内閣府令で定めるところにより当該決定に係る課徴金の額に応じて按分して得た額に相当する額に変更しなければならない。ただし、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えないときは、この限りでない。
一 当該決定に係る課徴金の額を合計した額
二 当該罰金の額
第百八十五条の八第一項の次に次の一項を加える。
前項本文の規定により前条第一項の決定(第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。第六項において同じ。)又は前条第二項若しくは第三項の決定の効力が停止された場合において、当該事件について、当該決定を受けた者に対し、罰金の確定裁判があつたときは、内閣総理大臣は、第六項の規定による変更の処分に係る文書の謄本が送達されるまでの間、当該決定の効力を停止しなければならない。
第百八十五条の八に次の一項を加える。
第六項の規定により計算した課徴金の額に一円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
第百八十五条の十三中「第百八十五条の七第四項」を「第百八十五条の七第七項」に改める。
第百八十五条の十五第一項中「又は第二項」を「から第五項まで」に、「第百八十五条の八第五項」を「第百八十五条の八第六項又は第七項」に改める。
第百八十五条の十八第一項中「又は第二項」を「から第五項まで」に改める。
第百九十四条の六第三項中「並びに第百五十六条の三十四」を「、第百五十六条の三十四並びに第百九十三条の二第四項」に改める。
第百九十八条第二号中「第二十七条において準用する場合を含む。)」の下に「、第二十四条の七第四項(同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)」を加え、同条第六号中「その訂正報告書」の下に「、第二十四条の七第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条の七第三項(同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)において準用する第七条、第九条第一項若しくは第十条第一項の規定による親会社等状況報告書若しくはその訂正報告書」を加え、「、同条第三項」を「、同条第四項」に改める。
第二百条第一号中「第二十七条において準用する場合を含む。)」の下に「、第二十四条の七第四項(同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)」を加え、同条第五号中「又は同条第三項」を「、同条第三項において準用する第九条第一項若しくは第十条第一項、第二十四条の七第一項若しくは第二項(これらの規定を同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)又は第二十四条の七第三項(同条第六項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)」に改め、「臨時報告書」の下に「、親会社等状況報告書」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十七年十二月一日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第二十七条の二第一項及び第百七十八条第二項の改正規定並びに第百九十八条第六号の改正規定(「、同条第三項」を「、同条第四項」に改める部分に限る。)は公布の日から起算して十日を経過した日から、第百九十四条の六第三項の改正規定は同年七月一日から施行する。
(外国会社等の提出する有価証券報告書等に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後の証券取引法(以下「新証券取引法」という。)第二十四条、第二十四条の二及び第二十四条の五(これらの規定を新証券取引法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定は、次の各号に掲げる有価証券の発行者が提出する有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書並びに半期報告書及びその訂正報告書であって当該各号に定める日以後に提出されるものから適用し、当該各号に定める日前に提出されるものについては、なお従前の例による。
一 新証券取引法第二条第一項第七号に規定する外国投資信託の受益証券のうち、政令で定める有価証券 施行日
二 前号に掲げる有価証券以外の有価証券 施行日から平成二十一年三月三十一日までの範囲内において政令で定める日
(親会社等状況報告書に関する経過措置)
第三条 新証券取引法第二十一条の二第一項、第二十四条の七(第二項及び第五項を除く。)、第二十五条及び第二十六条(これらの規定を新証券取引法第二十七条において準用する場合を含む。)並びに第二十七条、第二十七条の三十の二、第二十七条の三十の六第一項、第二十七条の三十の十、第百九十八条第二号及び第六号並びに第二百条第一号及び第五号の規定は、平成十八年四月一日以後に開始する新証券取引法第二十四条の七第一項に規定する親会社等の事業年度から適用する。
2 新証券取引法第二十四条の七第二項(同条第六項において準用する場合を含む。)の規定は、同条第二項に規定する会社が親会社等に該当することとなつた日の属する事業年度の直前事業年度が平成十八年四月一日以後に開始するものから適用する。
3 新証券取引法第二十四条の七第五項(同条第六項において準用する場合を含む。)において準用する新証券取引法第二十四条第八項、第九項及び第十一項から第十三項までの規定は、施行日から平成二十一年三月三十一日までの範囲内において政令で定める日以後に提出される親会社等状況報告書から適用する。
(公開買付けに関する経過措置)
第四条 新証券取引法第二十七条の二第一項の規定は、当該規定の施行の日以後に開始する同項に規定する株券等の買付け等について適用し、同日前に開始したこの法律による改正前の証券取引法第二十七条の二第一項に規定する株券等の買付け等については、なお従前の例による。
(課徴金に関する経過措置)
第五条 新証券取引法第百七十二条の二第一項及び第二項の規定は、施行日以後に行われる有価証券報告書等(同条第一項に規定する有価証券報告書等をいう。次項において同じ。)又は半期・臨時報告書等(同条第二項に規定する半期・臨時報告書等をいう。次項において同じ。)の提出について適用する。
2 施行日から起算して一年を経過する日までの間に有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等を提出した者が次のいずれにも該当する場合における新証券取引法第百七十二条の二第一項又は第二項の規定の適用については、同条第一項第一号中「三百万円」とあるのは「二百万円」と、同項第二号ロ中「十万分の三」とあるのは「十万分の二」と、同条第二項中「前項第一号」とあるのは「証券取引法の一部を改正する法律(平成十七年法律第七十六号)附則第五条第二項において読み替えて適用する前項第一号」と、「同項第二号」とあるのは「同条第二項において読み替えて適用する前項第二号」と、「同項第一号」とあるのは「同条第二項において読み替えて適用する前項第一号」とする。
一 新証券取引法第百八十五条の七第一項の決定(新証券取引法第百七十八条第一項第二号に係るものに限る。)又は新証券取引法第百八十五条の七第二項から第四項までの決定を受けたことがなく、かつ、当該有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等の提出前に証券取引法第百九十七条第一項第一号又は第百九十八条第六号(有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等の提出に係る部分に限る。)の罪を犯したことにより、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者でないこと。
二 当該有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等の提出に係る事件について新証券取引法第二十六条(新証券取引法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは資料の提出又は帳簿書類その他の物件の検査が最初に行われた日の前日までに、当該有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等の内容を訂正する新証券取引法第二十四条の二第一項(新証券取引法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により読み替えられた新証券取引法第七条の訂正報告書を提出していること。
三 重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書等又は半期・臨時報告書等の提出の再発を防止するため必要な措置を講じていること。
(検討)
第六条 政府は、おおむね二年を目途として、この法律による改正後の課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2 政府は、この法律の施行後五年間を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎