航空法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百二十三号
公布年月日: 平成15年7月18日
法令の形式: 法律
航空法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年七月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百二十三号
航空法の一部を改正する法律
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の一部を次のように改正する。
第七十三条の三の見出しを削り、同条第一項中「当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序をみだし、若しくは当該航空機内の規律に違反する行為をし、又はこれらの行為を」を「安全阻害行為等をし、又は」に、「その他これらの行為」を「その他安全阻害行為等」に改め、「措置」の下に「(第五項の規定による命令を除く。)」を加え、同条第三項中「行なう」を「行う」に改め、同条第四項中「もより」を「最寄り」に改め、同条に次の一項を加える。
5 機長は、航空機内にある者が、安全阻害行為等のうち、乗降口又は非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為、便所において喫煙する行為、航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為その他の行為であつて、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために特に禁止すべき行為として国土交通省令で定めるものをしたときは、その者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該行為を反復し、又は継続してはならない旨の命令をすることができる。
第七十三条の三を第七十三条の四とし、第七十三条の二の次に次の見出し及び一条を加える。
(安全阻害行為等の禁止等)
第七十三条の三 航空機内にある者は、当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序を乱し、又は当該航空機内の規律に違反する行為(以下「安全阻害行為等」という。)をしてはならない。
第九十七条第二項に次のただし書を加える。
ただし、あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合には、飛行を開始した後でも、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に飛行計画を通報することができる。
第百一条第一項第五号ニ中「一に」を「いずれかに」に改め、同号に次のように加える。
ホ 会社であつて、その持株会社(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第九条第五項第一号に規定する持株会社をいう。)その他の当該会社の経営を実質的に支配していると認められる会社として国土交通省令で定めるもの(以下「持株会社等」という。)が第四条第一項第四号に該当するもの
第百十条中「(昭和二十二年法律第五十四号)」を削る。
第百二十条中「至つたとき」の下に「、又は会社である本邦航空運送事業者の持株会社等が同項第四号に掲げる者に該当するに至つたとき」を加え、「その者」を「当該本邦航空運送事業者」に改める。
第百二十条の二中「本邦航空運送事業者」の下に「及びその持株会社等」を加える。
第百二十九条第一項中「第四条第一項各号」を「第百一条第一項第五号イ又はホ」に改める。
第百五十条中「一に」を「いずれかに」に改め、第五号の二の次に次の一号を加える。
五の三 第七十三条の四第五項の規定による命令に違反した者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第百一条第一項第五号、第百十条、第百二十条、第百二十条の二及び第百二十九条第一項の改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の航空法(以下「新法」という。)第七十三条の四第五項の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(経過措置)
第三条 附則第一条ただし書の規定の施行の際現にこの法律による改正前の航空法第百条第一項の許可を受けて航空運送事業を経営している会社の持株会社等が附則第一条ただし書の規定の施行の日において新法第四条第一項第四号に掲げる者に該当する場合における当該航空運送事業を経営している会社に係る航空運送事業の許可の失効については、附則第一条ただし書の規定の施行の日から起算して三月を経過する日までの間は、新法第百二十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第四条 前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合において、同条の持株会社等が、その株式を取得した新法第四条第一項第一号から第三号までに掲げる者から、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することの請求を受けたときにおける新法第百二十条の二第一項の規定の適用については、同項中「その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることにより同項第四号に該当することとなるときは」とあるのは、「その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することの請求を受けた場合には」とする。
(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
国土交通大臣 林寛子
内閣総理大臣 小泉純一郎