独立行政法人メディア教育開発センター法
法令番号: 法律第116号
公布年月日: 平成15年7月16日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

メディア教育開発センターを独立行政法人化するにあたり、その名称、目的、業務範囲、役員等に関する事項を定めるものである。これは、21世紀における大学の社会貢献の重要性を踏まえ、国の機関として位置づけられている国立大学や国立高等専門学校等を法人化し、自律的な環境のもとで活性化を図る一連の改革の一環として提案されたものである。メディア教育の観点から大学等を支援する業務を行う機関として、平成16年4月1日の設立を予定している。

参照した発言:
第156回国会 衆議院 文部科学委員会 第8号

審議経過

第156回国会

衆議院
(平成15年3月20日)
(平成15年4月3日)
(平成15年4月16日)
(平成15年4月23日)
(平成15年5月7日)
(平成15年5月14日)
(平成15年5月16日)
(平成15年5月22日)
参議院
(平成15年5月23日)
(平成15年5月27日)
(平成15年5月29日)
(平成15年6月3日)
(平成15年6月5日)
(平成15年6月10日)
(平成15年6月26日)
(平成15年7月1日)
(平成15年7月8日)
(平成15年7月9日)
独立行政法人メディア教育開発センター法をここに公布する。
御名御璽
平成十五年七月十六日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百十六号
独立行政法人メディア教育開発センター法
目次
第一章
総則(第一条―第五条)
第二章
役員及び職員(第六条―第十二条)
第三章
業務等(第十三条―第十五条)
第四章
雑則(第十六条・第十七条)
第五章
罰則(第十八条・第十九条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、独立行政法人メディア教育開発センターの名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
(名称)
第二条 この法律及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人メディア教育開発センターとする。
(センターの目的)
第三条 独立行政法人メディア教育開発センター(以下「センター」という。)は、大学等(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学及び高等専門学校をいう。以下同じ。)における多様なメディア(放送、インターネットその他の高度情報通信ネットワーク及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)に係る記録媒体をいう。以下同じ。)を高度に利用して行う教育の内容、方法等の研究及び開発並びにその成果の普及等を行うことにより、大学等における教育の発展に資することを目的とする。
(事務所)
第四条 センターは、主たる事務所を千葉県に置く。
(資本金)
第五条 センターの資本金は、附則第八条第二項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
2 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、センターに追加して出資することができる。
3 センターは、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
第二章 役員及び職員
(役員)
第六条 センターに、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
2 センターに、役員として、理事二人以内を置くことができる。
(理事の職務及び権限等)
第七条 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐してセンターの業務を掌理する。
2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
(役員の任期)
第八条 理事長の任期は四年とし、理事及び監事の任期は二年とする。
(理事長の任命)
第九条 文部科学大臣は、通則法第二十条第一項の規定により理事長を任命しようとするときは、文部科学省令で定めるところにより、大学等の教育に関し学識経験を有する者その他の文部科学省令で定める者の意見を聴くものとする。
(役員の欠格条項の特例)
第十条 通則法第二十二条の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
2 センターの非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人メディア教育開発センター法第十条第一項」とする。
(役員及び職員の秘密保持義務)
第十一条 センターの役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(役員及び職員の地位)
第十二条 センターの役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三章 業務等
(業務の範囲)
第十三条 センターは、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 大学等における多様なメディアを高度に利用して行う教育の内容、方法等の研究及び開発を行うこと。
二 前号に掲げる業務に係る成果を普及し、及びその活用を促進すること。
三 大学の要請に応じ、大学院における教育その他その大学における教育に協力すること。
四 前三号の業務に附帯する業務を行うこと。
(放送大学学園の設置する大学その他のメディアによる教育を行う大学等との連携協力)
第十四条 センターは、前条第一号及び第二号に規定する業務を円滑に遂行するため、放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)第三条に規定する放送大学学園の設置する大学その他のメディアによる教育を行う大学等との緊密な連携協力に努めなければならない。
(積立金の処分)
第十五条 センターは、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項又は第二項の規定による整理を行った後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第十三条に規定する業務の財源に充てることができる。
2 文部科学大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、文部科学省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
3 センターは、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 雑則
(主務大臣等)
第十六条 センターに係る通則法における主務大臣、主務省及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣、文部科学省及び文部科学省令とする。
(国家公務員宿舎法の適用除外)
第十七条 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、センターの役員及び職員には適用しない。
第五章 罰則
第十八条 第十一条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をしたセンターの役員は、二十万円以下の過料に処する。
一 第十三条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二 第十五条第一項の規定により文部科学大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。
(センターの成立)
第二条 センターは、通則法第十七条の規定にかかわらず、国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十五年法律第百十七号。以下「整備法」という。)第二条の規定の施行の時に成立する。
2 センターは、通則法第十六条の規定にかかわらず、センターの成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
(職員の引継ぎ等)
第三条 センターの成立の際現に整備法第二条の規定による廃止前の国立学校設置法(昭和二十四年法律第百五十号)第九条の二第一項に規定する大学共同利用機関のうち政令で定めるもの(以下「旧機関」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、センターの成立の日において、センターの職員となるものとする。
第四条 前条の規定によりセンターの職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、センターの職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第五条 附則第三条の規定により旧機関の職員がセンターの職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
2 センターは、前項の規定の適用を受けたセンターの職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間をセンターの職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3 センターの成立の日の前日に旧機関の職員として在職する者が、附則第三条の規定により引き続いてセンターの職員となり、かつ、引き続きセンターの職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者のセンターの職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者がセンターを退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4 センターは、センターの成立の日の前日に旧機関の職員として在職し、附則第三条の規定により引き続いてセンターの職員となった者のうちセンターの成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間にセンターを退職したものであって、その退職した日まで旧機関の職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第六条 附則第三条の規定によりセンターの職員となった者であって、センターの成立の日の前日において文部科学大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による認定を受けているものが、センターの成立の日において児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の支給要件に該当するときは、その者に対する児童手当又は特例給付等の支給に関しては、センターの成立の日において同法第七条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)の認定があったものとみなす。この場合において、その認定があったものとみなされた児童手当又は特例給付等の支給は、同法第八条第二項(同法附則第六条第二項、第七条第四項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、センターの成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(センターの職員となる者の職員団体についての経過措置)
第七条 センターの成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第三条の規定によりセンターに引き継がれる者であるものは、センターの成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第八条 センターの成立の際、第十三条に規定する業務に関し、現に国が有する権利及び義務のうち政令で定めるものは、政令で定めるところにより、センターが承継する。
2 前項の規定によりセンターが国の有する権利及び義務を承継したときは、承継される権利に係る土地、建物その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府からセンターに対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があったものとされる同項の財産の価額は、センターの成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
第九条 センターの成立の際、整備法第二条の規定による廃止前の国立学校特別会計法(昭和三十九年法律第五十五号)第十七条の規定に基づき文部科学大臣から旧機関の長に交付され、その経理を委任された金額に残余があるときは、その残余に相当する額は、センターの成立の日においてセンターに奨学を目的として寄附されたものとする。この場合において、当該寄附金の経理に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。
(国有財産の無償使用)
第十条 国は、センターの成立の際現に旧機関の職員の住居の用に供されている国有財産であって政令で定めるものを、政令で定めるところにより、センターの用に供するため、センターに無償で使用させることができる。
(不動産に関する登記)
第十一条 センターが附則第八条第一項の規定により不動産に関する権利を承継した場合において、その権利につきなすべき登記の手続については、政令で特例を設けることができる。
(政令への委任)
第十二条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、センターの設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
財務大臣 塩川正十郎
文部科学大臣 遠山敦子
内閣総理大臣 小泉純一郎