下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第八十七号
公布年月日: 平成15年6月18日
法令の形式: 法律
下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十五年六月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第八十七号
下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律
下請代金支払遅延等防止法(昭和三十一年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「原材料又は」を「原材料若しくはこれらの製造に用いる金型又は」に、「又はその半製品」を「若しくはその半製品」に、「附属品若しくは原材料の製造」を「附属品若しくは原材料又はこれらの製造に用いる金型の製造」に改め、同条第二項中「物品の修理の行為」の下に「の全部又は一部」を加え、同条第六項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、「給付」の下に「(役務提供委託をした場合にあつては、役務の提供。以下同じ。)」を加え、同項を同条第十項とし、同条第五項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に、「製造又は修理の行為」を「製造、修理、作成又は提供の行為」に、「第三項第一号又は第二号」を「第七項第一号又は第二号」に、「場合を」を「場合及び第七項第三号又は第四号に該当する者がそれぞれ前項第三号又は第四号に該当する者に対し情報成果物作成委託又は役務提供委託をする場合を」に改め、同項を同条第九項とし、同条第四項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同項に次の二号を加える。
三 個人又は資本の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人たる事業者であつて、前項第三号に規定する親事業者から情報成果物作成委託又は役務提供委託を受けるもの
四 個人又は資本の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者であつて、前項第四号に規定する親事業者から情報成果物作成委託又は役務提供委託を受けるもの
第二条第四項を同条第八項とする。
第二条第三項第一号中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等(情報成果物作成委託及び役務提供委託にあつては、それぞれ政令で定める情報成果物及び役務に係るものに限る。次号並びに次項第一号及び第二号において同じ。)」に改め、同項第二号中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同項に次の二号を加える。
三 資本の額又は出資の総額が五千万円を超える法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人たる事業者に対し情報成果物作成委託又は役務提供委託(それぞれ第一号の政令で定める情報成果物又は役務に係るものを除く。次号並びに次項第三号及び第四号において同じ。)をするもの
四 資本の額又は出資の総額が千万円を超え五千万円以下の法人たる事業者(政府契約の支払遅延防止等に関する法律第十四条に規定する者を除く。)であつて、個人又は資本の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対し情報成果物作成委託又は役務提供委託をするもの
第二条第三項を同条第七項とする。
第二条第二項の次に次の四項を加える。
3 この法律で「情報成果物作成委託」とは、事業者が業として行う提供若しくは業として請け負う作成の目的たる情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用する情報成果物の作成を業として行う場合にその情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託することをいう。
4 この法律で「役務提供委託」とは、事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること(建設業(建設業法(昭和二十四年法律第百号)第二条第二項に規定する建設業をいう。以下この項において同じ。)を営む者が業として請け負う建設工事(同条第一項に規定する建設工事をいう。)の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせることを除く。)をいう。
5 この法律で「製造委託等」とは、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託をいう。
6 この法律で「情報成果物」とは、次に掲げるものをいう。
一 プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。)
二 映画、放送番組その他影像又は音声その他の音響により構成されるもの
三 文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの
四 前三号に掲げるもののほか、これらに類するもので政令で定めるもの
第二条の二第一項中「受領した日」の下に「(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)」を加える。
第三条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。
第四条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、「次の各号」の下に「(役務提供委託をした場合にあつては、第一号及び第四号を除く。)」を加え、同項第六号中「購入させること」を「購入させ、又は役務を強制して利用させること」に改め、同条第二項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、「各号」の下に「(役務提供委託をした場合にあつては、第一号を除く。)」を加え、同項第一号中「責」を「責め」に改め、同項に次の二号を加える。
三 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること。
四 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした後に)給付をやり直させること。
第四条の二中「受領した日」の下に「(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日)」を加える。
第五条中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改め、「受領」の下に「(役務提供委託をした場合にあつては、下請事業者がした役務を提供する行為の実施)」を加える。
第七条の見出しを「(勧告)」に改め、同条第一項中「すみやかに」を「速やかに」に改め、「やめるべきこと」の下に「その他必要な措置をとるべきこと」を加え、同条第二項中「すみやかに」を「速やかに」に改め、「引き取るべきこと」の下に「その他必要な措置をとるべきこと」を加え、同条第三項中「一に」を「いずれかに」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第四項を削る。
第九条第一項中「製造委託又は修理委託」を「製造委託等」に改める。
第十条及び第十一条中「三万円」を「五十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十条及び第十一条の改正規定は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律による改正後の下請代金支払遅延等防止法(以下「新法」という。)の規定は、この法律の施行前にした新法第二条第一項の製造委託(金型の製造に係るものに限る。)、同条第三項の情報成果物作成委託及び同条第四項の役務提供委託に該当するものについては、適用しない。
第三条 新法第三条第一項の規定は、この法律の施行後にした製造委託等について適用し、この法律の施行前にした製造委託又は修理委託については、なお従前の例による。
第四条 新法第四条第一項第六号(役務を強制して利用させることに係る部分に限る。)並びに第二項第三号及び第四号の規定は、この法律の施行前にした製造委託又は修理委託については、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為及び附則第三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第六条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に必要となる経過措置は、政令で定める。
(検討)
第七条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
内閣総理大臣 小泉純一郎
総務大臣 片山虎之助
財務大臣 塩川正十郎
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 亀井善之
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子