特定商取引に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第28号
公布年月日: 平成14年4月19日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

電子メールによる一方的な商業広告の送りつけが社会問題化し、早急な対応が必要となっている。商取引の公正と消費者保護強化のため、特定商取引法による対応が不可欠である。政府は省令改正により、通信販売事業者等の電子メールアドレスの表示や商業広告である旨の表示等を義務付けたが、さらなる対応として、消費者が商業広告の受け取りを希望しない場合の再送信禁止と、その連絡方法の表示義務化を内容とする法改正を提案するものである。

参照した発言:
第154回国会 衆議院 経済産業委員会 第4号

審議経過

第154回国会

衆議院
(平成14年3月19日)
(平成14年3月29日)
(平成14年3月29日)
参議院
(平成14年4月9日)
(平成14年4月11日)
(平成14年4月12日)
特定商取引に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年四月十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第二十八号
特定商取引に関する法律の一部を改正する法律
特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)の一部を次のように改正する。
第十一条に次の一項を加える。
2 前項各号に掲げる事項のほか、販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて経済産業省令で定めるものをいう。以下同じ。)により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る販売業者又は役務提供事業者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
第十二条の次に次の一条を加える。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第十二条の二 販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第十一条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
第十三条第二項中「電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて経済産業省令で定めるもの」を「電磁的方法その他の経済産業省令で定める方法」に改める。
第十四条中「、第十二条」を「から第十二条の二まで」に改める。
第十五条第一項中「、第十二条又は」を「から第十二条の二まで若しくは」に改める。
第二十六条第五項中「第十一条」を「第十一条第一項」に改める。
第三十五条に次の一項を加える。
2 前項各号に掲げる事項のほか、統括者、勧誘者又は連鎖販売業を行う者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について電磁的方法により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る統括者、勧誘者又は連鎖販売業を行う者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
第三十六条の次に次の一条を加える。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第三十六条の二 統括者、勧誘者又は連鎖販売業を行う者は、その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第三十五条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
第三十八条中「前三条」を「第三十五条から前条まで」に、「、第三十五条若しくは第三十六条」を「若しくは第三十五条から第三十六条の二まで」に改める。
第三十九条第一項中「、第三十五条若しくは第三十六条」を「若しくは第三十五条から第三十六条の二まで」に改める。
第五十三条に次の一項を加える。
2 前項各号に掲げる事項のほか、業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について電磁的方法により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る業務提供誘引販売業を行う者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。
第五十四条の次に次の一条を加える。
(電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けている者に対する提供の禁止)
第五十四条の二 業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について電磁的方法により広告をする場合において、その相手方から第五十三条第二項の規定により電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思の表示を受けているときは、その者に対し、電磁的方法による広告の提供を行つてはならない。
第七十二条第五号中「第三十五条又は第五十三条」を「第三十五条第一項又は第五十三条第一項」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行後の情報技術を活用した商取引に関する事情、特定商取引における電磁的方法による広告の提供の状況等を踏まえ、この法律による改正後の特定商取引に関する法律の規定に基づく電磁的方法による広告に対する措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
厚生労働大臣 坂口力
農林水産大臣 武部勤
経済産業大臣 平沼赳夫
国土交通大臣 林寛子
内閣総理大臣 小泉純一郎