(著作権法の一部改正)
第一条 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第三十七条第一項中「盲人用の」を削り、同条第二項中「盲人」を「視覚障害者」に、「もつぱら」を「専ら」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。)を行うことができる。
第三十七条の次に次の一条を加える。
(聴覚障害者のための自動公衆送信)
第三十七条の二 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該著作物に係る音声を文字にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
第四十七条の三中「第三十七条第一項」の下に「若しくは第二項」を加える。
第四十八条第一項第一号中「第三十七条」を「第三十七条第一項若しくは第三項」に改め、同項第二号中「第三十四条第一項」の下に「、第三十七条の二」を加える。
第四十九条第一項第一号中「第三十七条第二項」を「第三十七条第三項」に改め、同条第二項第一号中「第三十七条第二項」を「第三十七条第三項」に、「同条各号」を「同条第一号若しくは第二号」に改める。
第五十八条中「国際同盟の加盟国」の下に「、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国」を加え、「同条約」を「それぞれ文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約」に改める。
第百二条第一項、第二項及び第四項第一号中「第三十七条第二項」を「第三十七条第三項」に改める。
第百十四条の二の見出しを「(書類の提出等)」に改め、同条中「対し、」の下に「当該侵害の行為について立証するため、又は」を加え、同条に次の二項を加える。
2 裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。
3 前二項の規定は、著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。
第百十四条の二の次に次の二条を加える。
(鑑定人に対する当事者の説明義務)
第百十四条の三 著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
(相当な損害額の認定)
第百十四条の四 著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
第百二十四条第一項中「第百十九条から第百二十二条までの」を「次の各号に掲げる規定の」に、「又は人に対し、」を「に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第百十九条第一号(著作者人格権に係る部分を除く。) 一億円以下の罰金刑
二 第百十九条第一号(著作者人格権に係る部分に限る。)若しくは第二号又は第百二十条から第百二十二条まで 各本条の罰金刑
(万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部改正)
第二条 万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和三十一年法律第八十六号)の一部を次のように改正する。
第十条中「国際同盟の加盟国」の下に「、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国」を加え、「同条約」を「それぞれ文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約」に改める。