道路交通法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十号
公布年月日: 平成11年5月10日
法令の形式: 法律
道路交通法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十一年五月十日
内閣総理大臣 小渕恵三
法律第四十号
道路交通法の一部を改正する法律
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第百八条の三十二」を「第百八条の三十二の二」に改める。
第七十一条第五号の四の次に次の一号を加える。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。)に表示された画像を注視しないこと。
第七十一条の付記中「第百十九条第一項第九号の二」を「第百十九条第一項第九号の二 第五号の五については同項第九号の三」に改める。
第七十一条の三の見出し中「自動車」を「普通自動車等」に改め、同条第一項中「自動車の運転者」を「自動車(大型自動二輪車及び普通自動二輪車を除く。以下この条において同じ。)の運転者」に、「又は」を「及び」に改め、同項ただし書中「疾病等」を「疾病」に改め、「ことが」の下に「療養上」を加え、「第三十九条第一項に規定する緊急自動車の運転に従事する者が当該自動車」を「緊急自動車の運転者が当該緊急自動車」に、「その他の」を「その他」に改め、同条第二項ただし書中「ただし」の下に「、幼児(適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有するものを除く。以下この条において同じ。)を当該乗車装置に乗車させるとき」を加え、「疾病等」を「疾病」に改め、「ことが」の下に「療養上」を加え、「その他の」を「その他」に改め、同条第三項に後段として次のように加える。
この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
第七十一条の三に次の一項を加える。
4 自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
第九十四条中第二項を削り、第三項を第二項とし、第四項を第三項とする。
第九十七条の二第一項第二号中「もの」の下に「(第百八条の二第一項第十一号及び第十二号において「特定失効者」という。)のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める講習を総理府令で定めるところにより受けたもの」を加え、同号に次のように加える。
イ 第八十九条の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十五歳以上の者 第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習
ロ イに掲げる者以外の者 第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習又は国家公安委員会規則で定める基準に適合する同条第二項の規定による講習
第百六条中「与え」の下に「、第九十一条の規定により条件を付し、若しくはこれを変更し、第九十四条第一項の規定による届出を受け、同条第二項の規定による免許証の再交付をし」を加え、「若しくは第六項」を「、第六項若しくは第八項」に、「第百八条の二第一項第十号」を「第百八条の二第一項第二号、第十号」に改める。
第百八条の二第一項第十一号中「者」の下に「又は特定失効者」を加え、同項第十二号中「者」の下に「又は第八十九条の規定により免許申請書を提出した日における年齢が七十五歳以上の特定失効者」を加える。
第百八条の三の二の次に次の一条を加える。
(講習通知事務の委託)
第百八条の三の三 公安委員会は、第百八条の三第一項又は前条の規定による通知の実施に係る事務(次項において「講習通知事務」という。)の全部又は一部を総理府令で定める法人に委託することができる。
2 前項の規定により講習通知事務の委託を受けた法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る講習通知事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(罰則 第二項については第百十七条の三第三号)
第六章の四中第百八条の三十二の次に次の一条を加える。
(運転免許取得者教育の認定)
第百八条の三十二の二 免許(仮免許を除く。)を現に受けている者に対しその運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせるための教育(以下「運転免許取得者教育」という。)を、自動車教習所である施設その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその課程の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該課程により行う運転免許取得者教育が次の各号のいずれにも適合している旨の認定を受けることができる。
一 教習指導員資格者証の交付を受けた者その他の運転免許取得者教育を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
二 第九十九条第一項第四号の政令で定める基準に適合した設備その他の運転免許取得者教育を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。
三 交通安全教育指針に従つて行われるものであり、かつ、当該課程が国家公安委員会規則で定める基準に適合するものであること。
2 公安委員会は、前項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3 運転免許取得者教育を行う者は、当該運転免許取得者教育の課程について、第一項の認定を受けないで、公安委員会認定という文字を冠した名称を用いてはならない。
4 第九十八条第三項から第五項までの規定は、第一項の認定を受けて運転免許取得者教育を行う者について準用する。この場合において、同条第三項中「自動車の運転に関する教習」とあるのは「第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者教育」と、「自動車教習所における教習」とあるのは「運転免許取得者教育」と、同条第四項中「自動車教習所における自動車の運転に関する技能又は知識の教習」とあるのは「第百八条の三十二の二第一項の運転免許取得者教育」と読み替えるものとする。
5 公安委員会は、第一項の認定を受けた運転免許取得者教育が同項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
6 前各項に定めるもののほか、第一項の認定の申請その他同項の認定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(罰則 第三項については第百二十三条の二)
第百十条第一項中「及び政令で」の下に「定める基準に従い国家公安委員会が」を加え、同条第二項中「基づく政令で」を「より国家公安委員会が」に改める。
第百十二条第一項中「第九十四条第三項」を「第九十四条第二項」に改める。
第百十三条の三の次に次の一条を加える。
(警察庁長官への権限の委任)
第百十三条の四 この法律又はこの法律に基づく命令の規定により国家公安委員会の権限に属する事務(第百十条第一項の規定による指定に係るものを除く。)は、政令で定めるところにより、警察庁長官に委任することができる。
第百十七条の三第三号中「第二項」の下に「、第百八条の三の三(講習通知事務の委託)第二項」を加える。
第百十九条第一項第九号の二の次に次の一号を加える。
九の三 第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者
第百二十三条の次に次の一条を加える。
第百二十三条の二 第百八条の三十二の二(運転免許取得者教育の認定)第三項の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
別表中「、第九号の二」を「から第九号の三まで」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第七十一条、第九十四条、第九十七条の二第一項第二号、第百六条及び第百八条の二第一項の改正規定、第百八条の三の二の次に一条を加える改正規定、第百十条及び第百十二条第一項の改正規定、第百十三条の三の次に一条を加える改正規定並びに第百十七条の三第三号、第百十九条第一項及び別表の改正規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
内閣総理大臣 小渕恵三