エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第96号
公布年月日: 平成10年6月5日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

我が国は燃料資源の輸入依存度が高く、脆弱なエネルギー供給構造を有している。近年、内外のエネルギー消費量が著しく増加し、発展途上国での需要急増が予想される中、大量消費の環境影響への懸念も高まっている。特に京都会議を背景に、温室効果ガスの削減が喫緊の課題となっている。このような状況を踏まえ、エネルギーの使用の合理化の措置をより一層徹底する必要があるとの認識から、本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第142回国会 衆議院 商工委員会 第13号

審議経過

第142回国会

衆議院
(平成10年5月12日)
(平成10年5月13日)
(平成10年5月15日)
(平成10年5月15日)
参議院
(平成10年5月26日)
(平成10年5月28日)
(平成10年5月29日)
エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成十年六月五日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第九十六号
エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律
エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。
目次中「第十二条」を「第十二条の五」に、「第二節 指定試験機関(第十二条の二―第十二条の十六)」を
第二節
指定試験機関(第十二条の六―第十二条の二十)
第三節
指定講習機関(第十二条の二十一―第十二条の二十三)
に改める。
第二条第一項中「電気」の下に「(燃料を熱源とする熱を変換して得られる動力を変換して得られる電気に代えて使用される電気であつて政令で定めるものを除く。以下同じ。)」を加える。
第四条第一項中「及びエネルギーの使用の合理化の目標」を「並びにエネルギーの使用の合理化の目標及び当該目標を達成するために計画的に取り組むべき措置」に改める。
第六条の見出しを「(第一種エネルギー管理指定工場の指定)」に改め、同条第一項中「)の使用量について」を「)の年度(四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下同じ。)の使用量が」に、「要件に該当する」を「数値以上である」に、「電気の使用量について」を「電気の年度の使用量が」に改め、同条第二項中「(四月一日に始まり翌年三月三十一日に終わる一年度であつて、直前のものをいう。)」を削り、「要件に該当する」を「数値以上である」に、「熱管理指定工場」を「第一種熱管理指定工場」に、「電気管理指定工場」を「第一種電気管理指定工場」に改め、同条第三項中「熱管理指定工場」を「第一種熱管理指定工場」に、「電気管理指定工場」を「第一種電気管理指定工場」に、「エネルギー管理指定工場」を「第一種エネルギー管理指定工場」に、「特定事業者」を「第一種特定事業者」に改め、同項第二号中「燃料等の」及び「電気の」の下に「年度の」を加え、「要件に該当する」を「数値以上となる」に改める。
第七条第一項中「特定事業者」を「第一種特定事業者」に、「エネルギー管理指定工場」を「第一種エネルギー管理指定工場」に改め、同条第二項中「特定事業者」を「第一種特定事業者」に改める。
第九条中「熱管理指定工場」を「第一種熱管理指定工場」に、「電気管理指定工場」を「第一種電気管理指定工場」に改める。
第十条第二項中「特定事業者」を「第一種特定事業者」に改め、同条第三項中「エネルギー管理指定工場」を「第一種エネルギー管理指定工場」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(中長期的な計画の作成)
第十条の二 第一種特定事業者は、毎年、通商産業省令で定めるところにより、第一種エネルギー管理指定工場について第四条第一項に規定する判断の基準となるべき事項において定められたエネルギーの使用の合理化の目標に関し、その達成のための中長期的な計画を作成し、主務大臣に提出しなければならない。
2 主務大臣は、第一種特定事業者による前項の計画の適確な作成に資するため、必要な指針を定めることができる。
3 主務大臣は、前項の指針を定めた場合には、これを公表するものとする。
第十一条中「特定事業者」を「第一種特定事業者」に、「熱管理指定工場」を「第一種熱管理指定工場」に、「電気管理指定工場」を「第一種電気管理指定工場」に改める。
第十二条第一項及び第二項中「エネルギー管理指定工場」を「第一種エネルギー管理指定工場」に、「特定事業者」を「第一種特定事業者」に改め、同条第三項から第五項までの規定中「特定事業者」を「第一種特定事業者」に改める。
第十二条の十六第二号中「第十二条の六」を「第十二条の十」に改め、同条第三号中「十二条の十三」を「第十二条の十七」に改め、第二章第二節中同条を第十二条の二十とする。
第十二条の十五第一項中「第十二条の六」を「第十二条の十」に、「第十二条の十三第二項」を「第十二条の十七第二項」に改め、同条第二項中「第十二条の六」を「第十二条の十」に、「第十二条の十三」を「第十二条の十七」に改め、同条を第十二条の十九とする。
第十二条の十四を第十二条の十八とする。
第十二条の十三第一項中「第十二条の四第三号」を「第十二条の八第三号」に改め、同条第二項第二号中「第十二条の三第二号」を「第十二条の七第二号」に改め、同項第三号中「第十二条の五第一項」を「第十二条の九第一項」に改め、同項第四号中「第十二条の五第三項、第十二条の九」を「第十二条の九第三項、第十二条の十三」に、「第十二条の十第四項」を「第十二条の十四第四項」に改め、同条を第十二条の十七とする。
第十二条の十二第一項中「第十二条の四各号」を「第十二条の八各号」に改め、同条を第十二条の十六とする。
第十二条の十一を第十二条の十五とし、第十二条の四から第十二条の十までを四条ずつ繰り下げる。
第十二条の三第一号中「第十二条の十三第二項」を「第十二条の十七第二項」に改め、同条第二号ロ中「第十二条の九」を「第十二条の十三」に改め、同条を第十二条の七とする。
第十二条の二を第十二条の六とする。
第二章第一節中第十二条の次に次の四条を加える。
(第二種エネルギー管理指定工場の指定)
第十二条の二 通商産業大臣は、第一種熱管理指定工場以外の工場であつて燃料等の年度の使用量が政令で定める数値以上であるものを第一種熱管理指定工場に準じて燃料等の使用の合理化を特に推進する必要がある工場として、第一種電気管理指定工場以外の工場であつて電気の年度の使用量が政令で定める数値以上であるものを第一種電気管理指定工場に準じて電気の使用の合理化を特に推進する必要がある工場として、それぞれ指定することができる。
2 工場を設置している者は、当該工場の前年度における燃料等の使用量又は電気の使用量が前項の政令で定める数値以上であるときは、通商産業省令で定めるところにより、当該工場の燃料等又は電気の使用の状況に関し、通商産業省令で定める事項を通商産業大臣に届け出なければならない。ただし、第一種エネルギー管理指定工場、第六条第二項の規定により燃料等若しくは電気の使用の状況に関し届け出なければならない工場、前項の規定により第一種熱管理指定工場に準じて燃料等の使用の合理化を特に推進する必要がある工場として指定された工場(以下「第二種熱管理指定工場」という。)又は同項の規定により第一種電気管理指定工場に準じて電気の使用の合理化を特に推進する必要がある工場として指定された工場(以下「第二種電気管理指定工場」という。)については、この限りでない。
3 第二種熱管理指定工場又は第二種電気管理指定工場(以下「第二種エネルギー管理指定工場」という。)を設置している者(以下「第二種特定事業者」という。)は、当該工場につき次の各号の一に掲げる事由が生じたときは、通商産業省令で定めるところにより、通商産業大臣に、第一項の規定による指定を取り消すべき旨の申出をすることができる。
一 事業を行わなくなつたとき。
二 燃料等の年度の使用量又は電気の年度の使用量について第一項の政令で定める数値以上となる見込みがなくなつたとき。
4 通商産業大臣は、前項の申出があつた場合において、その申出に理由があると認めるときは、遅滞なく、第一項の規定による指定を取り消すものとする。前項の申出がない場合において、当該工場につき同項各号の一に掲げる事由が生じたと認められるときも、同様とする。
5 通商産業大臣は、第二種熱管理指定工場の燃料等の年度の使用量が第六条第一項の政令で定める数値以上となつた場合又は第二種電気管理指定工場の電気の年度の使用量が同項の政令で定める数値以上となつた場合であつて、当該工場を同項の規定により、燃料等の使用の合理化を特に推進する必要がある工場として、又は電気の使用の合理化を特に推進する必要がある工場としてそれぞれ指定するときは、当該工場に係る第一項の指定を取り消すものとする。
6 通商産業大臣は、第一項の規定による指定又は前二項の規定による指定の取消しをしたときは、その旨を当該工場に係る事業を所管する大臣に通知するものとする。
(エネルギー管理員)
第十二条の三 第二種特定事業者は、通商産業省令で定めるところにより、第二種エネルギー管理指定工場ごとに、次に掲げる者のうちから、エネルギー管理員を選任しなければならない。
一 通商産業大臣又はその指定する者(以下「指定講習機関」という。)が通商産業省令で定めるところにより行うエネルギーの使用の合理化に関し必要な知識及び技能に関する講習の課程を修了した者
二 エネルギー管理士免状の交付を受けている者
2 第二種特定事業者は、通商産業省令で定める期間ごとに、前項第一号に該当することによりエネルギー管理員に選任された者に通商産業大臣又は指定講習機関が通商産業省令で定めるところにより行うエネルギー管理員の資質の向上を図るための講習を受けさせなければならない。
3 第二種特定事業者は、通商産業省令で定めるところにより、エネルギー管理員の選任、死亡又は解任について通商産業大臣に届け出なければならない。
4 第九条及び第十条第一項の規定はエネルギー管理員に、同条第二項の規定は第二種特定事業者に、同条第三項の規定は第二種エネルギー管理指定工場の従業員に準用する。この場合において、同条第二項及び第三項中「エネルギー管理者」とあるのは、「エネルギー管理員」と読み替えるものとする。
(記録)
第十二条の四 第二種特定事業者は、第二種エネルギー管理指定工場に帳簿を備え、通商産業省令で定めるところにより、第二種熱管理指定工場にあつては燃料等の使用量その他燃料等の使用の状況並びに燃料等を消費する設備及び燃料等の使用の合理化に関する設備の設置及び改廃の状況に関し、第二種電気管理指定工場にあつては電気の使用量その他電気の使用の状況並びに電気を消費する設備及び電気の使用の合理化に関する設備の設置及び改廃の状況に関し記録しなければならない。
(勧告)
第十二条の五 主務大臣は、第二種エネルギー管理指定工場におけるエネルギーの使用の合理化が第四条第一項に規定する判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、当該第二種エネルギー管理指定工場に係る第二種特定事業者に対し、その判断の根拠を示して、エネルギーの使用の合理化に関し必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
第二章第二節の次に次の一節を加える。
第三節 指定講習機関
(指定)
第十二条の二十一 第十二条の三第一項第一号の指定は、通商産業省令で定めるところにより、同号及び同条第二項の講習(以下この節及び第二十七条の三において「講習」という。)を行おうとする者の申請により行う。
2 第十二条の七(第二号ロを除く。)、第十二条の八及び第十二条の十七の規定は第十二条の三第一項第一号の指定に、第十二条の九、第十二条の十一、第十二条の十五第二項、第十二条の十六及び第十二条の十八の規定は指定講習機関に準用する。この場合において、第十二条の八中「他に第八条の二第二項の指定を受けた者がなく、かつ、同項」とあるのは「第十二条の三第一項第一号」と、第十二条の八第一号、第二号及び第四号、第十二条の九第一項及び第三項、第十二条の十五第二項、第十二条の十六第二項、第十二条の十七第二項並びに第十二条の十八第一項中「試験事務」とあるのは「講習の業務」と、第十二条の九及び第十二条の十七第二項第三号中「試験事務規程」とあるのは「講習業務規程」と、第十二条の十一第一項中「第八条の二第二項」とあるのは「第十二条の三第一項第一号」と、第十二条の十七第二項第四号中「、第十二条の十三(第十二条の十四第四項において準用する場合を含む。)又は」とあるのは「又は」と読み替えるものとする。
(講習の業務の休廃止)
第十二条の二十二 指定講習機関は、講習の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、通商産業省令で定める期間内に、その旨を通商産業大臣に届け出なければならない。
(公示)
第十二条の二十三 通商産業大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第十二条の三第一項第一号の指定をしたとき。
二 第十二条の二十一第二項において準用する第十二条の十七の規定により指定を取り消し、又は同項において準用する同条第二項の規定により講習の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
三 前条の規定による届出があつたとき。
第十八条第二項を次のように改める。
2 前項に規定する判断の基準となるべき事項は、当該特定機器のうち前条に規定する性能が最も優れているものの当該性能、当該特定機器に関する技術開発の将来の見通しその他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な改定をするものとする。
第十九条の見出し中「勧告」の下に「及び命令」を加え、同条に次の二項を加える。
2 通商産業大臣は、前項に規定する勧告を受けた製造事業者等がその勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
3 通商産業大臣は、第一項に規定する勧告を受けた製造事業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつた場合において、当該特定機器に係るエネルギーの使用の合理化を著しく害すると認めるときは、政令で定める審議会の意見を聴いて、当該製造事業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
第二十四条の次に次の一条を加える。
(地方公共団体の教育活動等における配慮)
第二十四条の二 地方公共団体は、教育活動、広報活動等を行うに当たつては、できる限り、エネルギーの使用の合理化等に関する地域住民の理解の増進に資するように配慮するものとする。
第二十五条第一項中「第四項」の下に「並びに第十二条の二第一項及び第四項」を加え、「同条第一項」を「第六条第一項」に改め、「事業を行う者」の下に「又は事業者」を加え、同条第二項中「第十二条」の下に「及び第十二条の五」を加え、「特定事業者」を「第一種特定事業者又は第二種特定事業者」に、「エネルギー管理指定工場」を「第一種エネルギー管理指定工場又は第二種エネルギー管理指定工場」に改め、同条第三項中「第二章第二節」の下に「及び第三節」を、「指定試験機関」の下に「又は指定講習機関」を加える。
第二十五条の二第一項中「又はエネルギー管理士免状の再交付を受けようとする者」を「、エネルギー管理士免状の再交付を受けようとする者、第十二条の三第一項第一号の講習(指定講習機関が行うものを除く。)を受けようとする者又は同条第二項の講習(指定講習機関が行うものを除く。)を受けようとする者」に改める。
第二十五条の三第一項中「第十二条の九」を「第十二条の十三」に、「第十二条の十第四項」を「第十二条の十四第四項」に、「第十二条の十三」を「第十二条の十七(第十二条の二十一第二項において準用する場合を含む。)」に改める。
第二十七条の二中「第十二条の十一第一項」を「第十二条の十五第一項」に改める。
第二十七条の三中「第十二条の十三第二項」を「第十二条の十七第二項(第十二条の二十一第二項において準用する場合を含む。)」に改め、「試験事務」の下に「又は講習の業務」を、「指定試験機関」の下に「又は指定講習機関」を加える。
第二十八条中「五十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「第七条第一項」の下に「又は第十二条の三第一項」を加え、同条第二号中「第十二条第五項」の下に「、第十九条第三項」を加える。
第二十九条第一号中「第六条第二項」の下に「又は第十二条の二第二項」を加え、同条第二号中「第二十五条第一項、第二項」を「第二十五条第二項」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 第十条の二第一項の規定による提出をしなかつた者
第二十九条に次の二号を加える。
四 第十二条の四の規定に違反して、帳簿を備えず、記録せず、又は虚偽の記録をした者
五 第六条第二項の規定による届出をした者、第一種特定事業者、第十二条の二第二項の規定による届出をした者又は第二種特定事業者であつて、第二十五条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたもの
第二十九条の二中「指定試験機関」の下に「又は指定講習機関」を加え、同条第一号中「第十二条の六」を「第十二条の十」に改め、同条第二号中「第十二条の十四第一項」を「第十二条の十八第一項(第十二条の二十一第二項において準用する場合を含む。)」に、「同条第二項」を「第十二条の十八第二項(第十二条の二十一第二項において準用する場合を含む。)」に改め、同条第三号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加える。
三 第十二条の二十二の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第三十一条中「第七条第二項」の下に「又は第十二条の三第三項」を加え、「十万円」を「二十万円」に改める。
附則第二項中「経済事情の推移」を「経済的社会的環境の変化」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(工場の指定についての経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に改正前のエネルギーの使用の合理化に関する法律(以下「旧法」という。)第六条第一項の規定により指定されている工場は、改正後のエネルギーの使用の合理化に関する法律(以下「新法」という。)第六条第一項の規定により指定されたものとみなす。
(処分等の効力)
第三条 前条に規定するもののほか、旧法の規定によってした処分、手続その他の行為は、新法の相当規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
大蔵大臣 松永光
厚生大臣 小泉純一郎
農林水産大臣 島村宜伸
通商産業大臣 堀内光雄
運輸大臣 藤井孝男
建設大臣 瓦力
内閣総理大臣 橋本龍太郎