平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律
法令番号: 法律第35号
公布年月日: 平成10年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

平成10年度予算では財政構造改革法に従い歳出全般を見直し、一般歳出を前年度比1.3%縮減し公債も1兆1500億円減額したが、特例公債については前年度から3400億円減額したものの、引き続き発行が必要な状況にある。このため、平成10年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債発行の特例措置及び厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れの特例措置を定める必要がある。具体的には、財政法第4条第1項ただし書きの規定による公債のほか、予算で国会の議決を経た範囲内で公債を発行できることとし、また厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れについて、経過的国庫負担から7000億円を控除した金額とすることなどを定めるものである。

参照した発言:
第142回国会 衆議院 本会議 第15号

審議経過

第142回国会

衆議院
(平成10年3月10日)
(平成10年3月17日)
(平成10年3月18日)
(平成10年3月20日)
(平成10年3月20日)
参議院
(平成10年3月25日)
(平成10年3月27日)
(平成10年3月31日)
(平成10年3月31日)
平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十年三月三十一日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第三十五号
平成十年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、平成十年度における国の財政収支の状況にかんがみ、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰入れの特例に関する措置を定めることにより、同年度の適切な財政運営に資することを目的とする。
(特例公債の発行等)
第二条 政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定により発行する公債のほか、平成十年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定による公債の発行は、平成十一年六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、同年四月一日以後発行される同項の公債に係る収入は、平成十年度所属の歳入とする。
3 政府は、第一項の議決を経ようとするときは、同項の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。
4 政府は、第一項の規定により発行した公債については、その速やかな減債に努めるものとする。
(一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰入れの特例)
第三条 政府は、平成十年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰入れのうち国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第七十九条に規定する国庫負担に係るものについては、同年度に係る同条の規定による国庫負担金の額から七千億円を控除した額を、繰り入れるものとする。
2 政府は、後日、将来にわたる厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることのないよう、予算の定めるところにより、七千億円及び前項の規定による繰入れの特例措置がとられなかったとした場合に厚生保険特別会計年金勘定において生じていたと見込まれる運用収入に相当する額を合算した額に達するまでの金額を、一般会計から当該勘定に繰り入れるものとする。
附 則
この法律は、平成十年四月一日から施行する。
大蔵大臣 松永光
厚生大臣 小泉純一郎
内閣総理大臣 橋本龍太郎