日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律
法令番号: 法律第73号
公布年月日: 平成9年6月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

国鉄改革時の昭和62年度首に約25.5兆円だった日本国有鉄道清算事業団の債務等が、平成8年度首には約27.6兆円に増加している。資産売却収入も見込めず債務縮小が期待できない状況を踏まえ、政府は平成10年度より債務等の本格的処理を実施することを決定した。本格的処理策が実施されるまでの間、最終的な国民負担増加を防ぐため、平成9年度の借入れによる将来的な利子負担を軽減する一年度限りの臨時措置として本法案を提出するものである。

参照した発言:
第140回国会 衆議院 本会議 第20号

審議経過

第140回国会

衆議院
(平成9年4月1日)
(平成9年4月2日)
(平成9年4月4日)
(平成9年4月8日)
(平成9年4月9日)
(平成9年4月11日)
(平成9年4月15日)
(平成9年4月17日)
参議院
(平成9年5月9日)
(平成9年5月15日)
(平成9年5月22日)
(平成9年5月27日)
(平成9年5月29日)
(平成9年5月30日)
日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成九年六月六日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第七十三号
日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成九年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、日本国有鉄道清算事業団(以下「事業団」という。)の処理すべき債務が累増している状況にかんがみ、事業団の債務の累増の防止に資するために平成九年度において緊急に講ずべき措置として、政府による事業団の日本国有鉄道清算事業団債券に係る債務の承継その他事業団の債務の負担の軽減を図るための特別措置を定めるものとする。
(一般会計による債務の承継等)
第二条 政府は、平成十年三月三十一日において、額面金額の合計額が三兆三十五億円に相当する政令で定める日本国有鉄道清算事業団債券に係る事業団の債務(同日前に支払期が到来した利息に係るものを除く。以下「特定債務」という。)を、一般会計において承継する。
2 政府は、前項の規定により特定債務を一般会計において承継したときは、その時において、事業団に対し、特定債務の額に相当する額の長期の資金を無利子で貸し付けたものとする。
3 前項の規定による貸付金の償還に関し必要な事項は、政令で定める。
(国債に関する法律及び日本国有鉄道清算事業団法の適用等)
第三条 前条第一項の規定により政府が承継した特定債務に係る日本国有鉄道清算事業団債券(以下「特定債券」という。)については、国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号。第六条及び第八条を除く。)その他の法令中国債に関する規定を適用し、日本国有鉄道清算事業団法(昭和六十一年法律第九十号)第四十条(第五項及び第六項を除く。)の規定は、適用しない。
2 前項の規定にかかわらず、特定債券については、国債整理基金特別会計法(明治三十九年法律第六号)第二条第二項の規定は、適用しない。
(無利子貸付金の償還条件の変更)
第四条 政府は、日本国有鉄道の経営する事業の運営の改善のために昭和六十一年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律(昭和六十一年法律第七十六号)第二条第二項の規定による貸付金に係る債務その他政府が無利子で貸し付けた長期の資金に係る事業団の債務のうち政令で定めるものについて、据置期間を一年以内の期間延長することができる。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第二条第一項の規定による政府による特定債務の承継の際現に社債等登録法(昭和十七年法律第十一号)の規定による登録を受けている特定債券については、当該承継の時に、当該登録に係る登録機関は、当該登録の抹消を行うとともに、当該登録を受けている事項を日本銀行に通知するものとする。
3 日本銀行は、前項の通知を受けたときは、当該通知を受けた事項の登録を行うものとする。
4 前項の規定による登録は、国債に関する法律の規定による登録とみなす。
大蔵大臣 三塚博
運輸大臣 古賀誠
内閣総理大臣 橋本龍太郎