平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律
法令番号: 法律第27号
公布年月日: 平成9年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

平成9年度予算では、財政危機的状況を踏まえ、医療保険改革等の制度改革により一般歳出の伸び率を1.5%に抑制し、公債も4兆3,220億円減額するなど、財政構造改革元年として財政健全化に着手した。しかし、特例公債については前年度から4兆5,280億円減額したものの、引き続き発行が必要な状況にある。このため、平成9年度の財政運営を適切に行うため、同年度における公債発行の特例措置及び厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れの特例措置を定めるものである。具体的には、財政法の規定による公債以外に特例公債の発行を可能とし、また厚生保険特別会計年金勘定への繰り入れについて特例措置を講ずることとしている。

参照した発言:
第140回国会 衆議院 本会議 第7号

審議経過

第140回国会

衆議院
(平成9年2月14日)
(平成9年2月21日)
(平成9年3月5日)
(平成9年3月5日)
参議院
(平成9年3月14日)
(平成9年3月14日)
(平成9年3月17日)
(平成9年3月28日)
(平成9年3月28日)
平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成九年三月三十一日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第二十七号
平成九年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、平成九年度における国の財政収支の状況にかんがみ、同年度における公債の発行の特例に関する措置及び一般会計から厚生保険特別会計年金勘定への繰入れの特例に関する措置を定めることにより、同年度の適切な財政運営に資することを目的とする。
(特別公債の発行等)
第二条 政府は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四条第一項ただし書の規定により発行する公債のほか、平成九年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
2 前項の規定による公債の発行は、平成十年六月三十日までの間、行うことができる。この場合において、同年四月一日以後発行される同項の公債に係る収入は、平成九年度所属の歳入とする。
3 政府は、第一項の議決を経ようとするときは、同項の公債の償還の計画を国会に提出しなければならない。
4 政府は、第一項の規定により発行した公債については、その速やかな減債に努めるものとする。
(一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰入れの特例)
第三条 政府は、平成九年度における一般会計からの厚生保険特別会計年金勘定への繰入れのうち国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第七十九条に規定する国庫負担に係るものについては、同年度に係る同条の規定による国庫負担金の額から七千二百億円を控除した額を、繰り入れるものとする。
2 政府は、後日、将来にわたる厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることのないよう、予算の定めるところにより、七千二百億円及び前項の規定による繰入れの特例措置がとられなかったとした場合に厚生保険特別会計年金勘定において生じていたと見込まれる運用収入に相当する額を合算した額に達するまでの金額を、一般会計から当該勘定に繰り入れるものとする。
附 則
この法律は、平成九年四月一日から施行する。
大蔵大臣 三塚博
厚生大臣 小泉純一郎
内閣総理大臣 橋本龍太郎