海上保安庁法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第75号
公布年月日: 平成8年6月14日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

海洋法に関する国際連合条約の締結に伴う接続水域及び排他的経済水域の設定等の新たな法制度の導入、並びに近年の密航・密輸等の海上犯罪の発生状況を踏まえ、海上における取り締まりに係る法整備を行う必要がある。本法律案は、このような状況に鑑み、海上保安官が講ずる措置についての発動要件を明確化するなど所要の改正を行い、海上保安官が犯罪の予防等の措置を機動的かつ適切に講ずることができるようにするものである。具体的には、船舶への立入検査のための進行停止、船舶の航路変更、積み荷の陸揚げ、人の行為の制止等の措置を講ずる際の発動要件を明確化することとしている。

参照した発言:
第136回国会 衆議院 本会議 第23号

審議経過

第136回国会

衆議院
(平成8年5月10日)
(平成8年5月14日)
(平成8年5月15日)
(平成8年5月24日)
(平成8年5月28日)
参議院
(平成8年5月31日)
(平成8年6月7日)
海上保安庁法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成八年六月十四日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第七十五号
海上保安庁法の一部を改正する法律
海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第十七条第一項中「代つて」を「代わつて」に、「に立入検査をし、且つ、」を「の進行を停止させて立入検査をし、又は」に改める。
第十八条各号列記以外の部分を次のように改める。
海上保安官は、海上における犯罪が正に行われようとするのを認めた場合又は天災事変、海難、工作物の損壊、危険物の爆発等危険な事態がある場合であつて、人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害が及ぶおそれがあり、かつ、急を要するときは、他の法令に定めのあるもののほか、次に掲げる措置を講ずることができる。
第十八条第一号中「進行を」の下に「開始させ、」を加え、同条第二号中「指定する港に回航」を「船舶を指定する場所に移動」に改め、同条第四号中「陸揚させ、又は積荷の陸揚」を「陸揚げさせ、又はその陸揚げ」に改め、同条第五号中「船舶が検疫若しくは調査を受けるとき、又は抑留され若しくは人命に対し危険であるとき、当該船舶と」を削り、同条に次の一号を加える。
六 前各号に掲げる措置のほか、海上における人の生命若しくは身体に対する危険又は財産に対する重大な損害を及ぼすおそれがある行為を制止すること。
第十八条に次の一項を加える。
海上保安官は、船舶の外観、航海の態様、乗組員、旅客その他船内にある者の異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して、海上における犯罪が行われることが明らかであると認められる場合その他海上における公共の秩序が著しく乱されるおそれがあると認められる場合であつて、他に適当な手段がないと認められるときは、前項第一号又は第二号に掲げる措置を講ずることができる。
附 則
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
運輸大臣 亀井善之
内閣総理大臣 橋本龍太郎