(輸入によつて保有する生糸の売渡しをしない場合)
第十二条の九 事業団は、次の各号の一に該当するときは、第十二条の七の規定による売渡しをしないものとする。
一 その売渡しを受ける旨の申込みが農林水産省令で定める荷口を単位としていないとき。
二 その売渡しを受けることが買占めその他による不当の利得を目的として行われると認められるとき。
三 その他農林水産省令で定める相当の理由があるとき。
(輸入によつて保有する生糸の買換え)
第十二条の十 事業団は、輸入によつて保有する生糸の品質の低下により著しい損失を生ずるおそれがある場合において、必要があるときは、予算の範囲内において、これを同一の種類及び数量の生糸に買い換えることができる。
2 前項の規定による買換えのための売渡し及び買入れは、同時期に行わなければならない。
(輸入に係る生糸の事業団への売渡し)
第十二条の十一 生糸につき関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第六十七条の規定による輸入の申告(以下「輸入申告」という。)をする者(その者が当該輸入申告の際その輸入申告に係る生糸の所有者でない場合にあつては、その所有者。以下この項において「生糸輸入申告者等」という。)は、その輸入申告に係る生糸を事業団に売り渡さなければならない。ただし、生糸輸入申告者等が事業団、事業団法第二十九条の規定により事業団の委託を受けた者その他政令で定める者である場合は、この限りでない。
2 前項の規定による生糸の売渡しは、当該生糸に係る輸入申告の前に、売渡申込書を事業団に提出してしなければならない。
3 生糸についての関税法第七十条の規定の適用については、前項の規定による売渡申込書の提出があつた場合における当該申込みに対する事業団の承諾は、同条第一項の許可、承認等とみなす。
4 前項の事業団の承諾に関し必要な事項は、政令で定める。
(輸入に係る生糸の買入れの価格)
第十二条の十二 前条第一項の規定による売渡しに係る生糸についての事業団の買入れの価格は、当該生糸について輸入申告をすべき価格とする。
(輸入に係る生糸の売戻し)
第十二条の十三 事業団は、第十二条の十一第一項の規定による生糸の売渡しをした者に対し、その生糸を売り戻さなければならない。
2 事業団は、前項の規定による売戻しをするため、第十二条の十一第一項の規定による生糸の売渡しを受けるに当たつて、当該売渡しをする者がその売渡しに係る生糸を買い戻さなければならない旨の条件を付することができる。
3 事業団は、第十二条の十一第一項の規定による生糸の売渡しを受けるに当たつて、当該売渡しをする者に対し、前項の条件を付するほか、政令で定めるところにより、当該条件による買戻しに係る債務の履行を確保するため必要な範囲内で、保証金、証券その他の担保を提供させることができる。
(輸入に係る生糸の売戻しの価格)
第十二条の十四 前条第一項の規定による事業団の売戻しの価格は、一キログラムにつき三千九百十円を第十二条の十二の規定による事業団の買入れの価格に加えて得た額とする。
2 前項の規定にかかわらず、第十二条の十一第一項の規定による輸入申告に係る生糸の輸入が次条第一項の認定を受けたものであるときは、前項に規定する事業団の売戻しの価格は、政令で定める期間ごとにその各期間を適用期間とし、当該生糸の輸入が生糸の時価に悪影響を及ぼさないことを旨として一キログラムにつき三千九百十円を超えない範囲内で農林水産大臣が定める額を同項に規定する事業団の買入れの価格に加えて得た額とする。
3 前項の農林水産大臣が定める額は、その適用期間の初日前三日までに、その適用期間を明示して、告示しなければならない。
第十二条の十五 絹業を営む者又はその団体は、生糸を輸入しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、その輸入が絹業の健全な発展を通じて生糸の需要の増進に資する見地から特に必要なものである旨の農林水産大臣の認定を受けることができる。
2 農林水産大臣は、前項の認定の申請が次の各号のすべてに該当するときは、同項の認定をするものとする。
一 その申請に係る生糸の輸入により、国内における生糸の需給が均衡を失し又は失するおそれがないこと。
二 絹業の健全な発展を通じて生糸の需要の増進に資するために前条第一項の規定による事業団の売戻しの価格を調整することが必要なものであること。
三 その他農林水産省令で定める基準に適合するものであること。