(新幹線鉄道規格新線等の建設等)
6 運輸大臣は、新幹線鉄道の整備に関する諸事情を踏まえ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の一部を暫定的に構成する新幹線鉄道に準ずる高速鉄道を整備することによる高速輸送体系の形成に資するため、当分の間、第八条の規定による建設の指示を行つた建設線の全部又は一部の区間について、政令で定めるところにより、次に掲げる新幹線鉄道規格新線及び新幹線鉄道直通線(以下「新幹線鉄道規格新線等」という。)の建設に関する整備計画(以下「暫定整備計画」という。)を決定することができる。
一 新幹線鉄道規格新線 その鉄道施設のうち運輸省令で定める主要な構造物が新幹線鉄道に係る鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第一条の命令で定める規程に適合する鉄道
二 新幹線鉄道直通線 既設の鉄道の路線と同一の路線にその鉄道線路が敷設される鉄道であつて、その鉄道線路が新幹線鉄道の用に供されている鉄道線路に接続し、かつ、新幹線鉄道の列車が運輸省令で定める速度で走行できる構造を有するもの
7 暫定整備計画に係る新幹線鉄道規格新線等の営業及び建設は、それぞれ、当該暫定整備計画に係る建設線の営業主体である法人(前項第二号の新幹線鉄道直通線にあつては、当該既設の鉄道の路線について鉄道事業法第三条第一項の規定による第一種鉄道事業の免許を受けている者)及びその建設主体である日本鉄道建設公団が行うものとする。
8 第七条第二項及び第三項の規定は、暫定整備計画について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「附則第六項」と、「営業主体及び建設主体(日本鉄道建設公団を除く。)に協議し、それぞれの」とあるのは「附則第七項の規定により附則第六項に規定する新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者(以下単に「新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者」という。)に協議し、その」と、同条第三項中「営業主体又は建設主体」とあるのは「新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者又は日本鉄道建設公団」と読み替えるものとする。
9 運輸大臣は、附則第六項の規定により暫定整備計画を決定したときは、日本鉄道建設公団に対し、暫定整備計画に基づいて当該新幹線鉄道規格新線等の建設を行うべきことを指示しなければならない。暫定整備計画を変更したときも、同様とする。
10 前項の規定により運輸大臣が新幹線鉄道規格新線等の建設の指示を行つたときは、当該指示に係る新幹線鉄道規格新線等の区間について建設線の建設を行うことが必要かつ適切であると認めて運輸大臣がその建設の開始を決定するまでの間は、当該区間に係る第八条の規定による建設の指示は、その効力を停止する。
11 日本鉄道建設公団は、附則第九項の規定による指示により新幹線鉄道規格新線等の建設を行おうとするときは、暫定整備計画に基づいて、工事の区間、工事方法その他運輸省令で定める事項を記載した新幹線鉄道規格新線等の工事実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
12 第九条第二項から第四項までの規定は、前項の工事実施計画について準用する。この場合において、同条第三項中「建設主体(営業主体である建設主体を除く。次項において同じ。)」とあり、及び同条第四項中「建設主体」とあるのは「日本鉄道建設公団」と、同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「附則第十一項」と、「営業主体に」とあるのは「新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者に」と読み替えるものとする。
13 第十条及び第十一条の規定は附則第十一項の規定による認可に係る新幹線鉄道規格新線等の建設に要する土地に係る行為制限区域の指定及びその解除並びに当該行為制限区域内における行為の制限について、第十二条の規定は当該新幹線鉄道規格新線等の建設のため必要となる他人の土地への立入り又はその一時使用について、第十三条の規定は当該新幹線鉄道規格新線等の建設のため必要な資金についての国及び地方公共団体の財政上の措置その他当該新幹線鉄道規格新線等の建設に関し必要となる措置について準用する。この場合において、第十条第一項中「係る新幹線鉄道」とあるのは「係る附則第六項に規定する新幹線鉄道規格新線等(以下単に「新幹線鉄道規格新線等」という。)」と、「当該新幹線鉄道」とあるのは「当該新幹線鉄道規格新線等」と、同条第二項中「当該新幹線鉄道の建設主体」とあり、並びに同条第三項、第十一条第二項から第四項まで、第十二条第一項及び第十三条第二項中「建設主体」とあるのは「日本鉄道建設公団」と、第十条第五項、第十二条第一項及び第十三条中「新幹線鉄道」とあるのは「新幹線鉄道規格新線等」と読み替えるものとする。
14 第十四条第五項から第七項までの規定は、暫定整備計画に係る附則第六項第一号の新幹線鉄道規格新線について準用する。この場合において、同条第六項中「第九条第一項」とあるのは「附則第十一項」と、同条第七項中「営業主体」とあるのは「新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者」と読み替えるものとする。
15 暫定整備計画に係る附則第六項第二号の新幹線鉄道直通線の建設については、鉄道事業法第七条から第九条まで及び第十二条の規定は、適用しない。
16 第十四条第六項の規定は、前項の新幹線鉄道直通線について準用する。この場合において、同条第六項中「第九条第一項」とあるのは、「附則第十一項」と読み替えるものとする。
17 附則第七項の規定により附則第十五項の新幹線鉄道直通線の営業を行う者は、その営業が開始される前に、運輸省令で定めるところにより、当該新幹線鉄道直通線に係る既設の鉄道の路線について受けている鉄道事業法第三条第一項の規定による第一種鉄道事業の免許に係る同法第四条第一項第五号に規定する事業基本計画を変更し、運輸大臣に届け出なければならない。この場合において、当該新幹線鉄道直通線の営業が開始されたときは、当該届出に係る事業基本計画の変更は、同法第七条第一項の認可を受けたものとみなす。
18 暫定整備計画に係る新幹線鉄道規格新線等は、この法律による新幹線鉄道とみなして、日本鉄道建設公団法(昭和三十九年法律第三号)、鉄道整備基金法(平成三年法律第四十六号)その他の政令で定める法律の規定を適用する。
19 附則第六項から前項までに定めるもののほか、暫定整備計画に係る新幹線鉄道規格新線等の営業及び建設に関し必要な事項は、政令で定める。
20 運輸大臣は、附則第九項の規定により新幹線鉄道規格新線等の建設の指示を行つた区間について建設線の建設を行うことが必要かつ適切であると認めてその建設の開始を決定しようとするときは、あらかじめ、当該区間に係る建設線の営業主体及び附則第七項の規定により当該新幹線鉄道規格新線等の営業を行う者に協議し、それぞれの同意を得なければならない。
21 既にその営業が開始されている附則第十四項の新幹線鉄道規格新線の区間について前項の規定による建設線の建設の開始が決定された場合における当該建設線については、第十四条第五項中「第九条まで」とあるのは「第九条まで及び第十二条」と、同条第七項中「鉄道事業法第四条第一項第五号に規定する事業基本計画に相当する計画を定め」とあるのは「附則第十四項において準用するこの項の規定により鉄道事業法第四条第一項第五号に規定する事業基本計画とみなされた計画を変更し」と、「計画は」とあるのは「計画の変更は」と、「当該建設線に係る同号に規定する事業基本計画」とあるのは「同法第七条第一項の認可を受けたもの」とする。
22 日本鉄道建設公団が附則第十一項の規定に違反して新幹線鉄道規格新線等の建設を行い、又は工事実施計画を変更した場合には、その違反行為をした日本鉄道建設公団の役員又は職員は、百万円以下の罰金に処する。
23 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 附則第十三項において準用する第十一条第一項の規定に違反した者
二 附則第十三項において準用する第十二条第七項の規定に違反した者
24 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同項の刑を科する。