外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第四十号
公布年月日: 平成3年4月26日
法令の形式: 法律
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成三年四月二十六日
内閣総理大臣 海部俊樹
法律第四十号
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律
外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)の一部を次のように改正する。
第二十六条の見出し中「届出等」を「報告」に改め、同条第三項中「を行おうとするとき」を削り、「場合を除く。)」を「対内直接投資等を除く。以下この条から第二十七条の二までにおいて同じ。)を行つたとき」に改め、「、あらかじめ」及び「事業目的、金額、実行の時期その他の政令で定める事項を」を削り、「届け出」を「報告し」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、次条第一項の規定により届け出なければならない対内直接投資等については、この限りでない。
第二十六条第四項及び第五項を削る。
第二十七条の見出し中「に係る内容の審査」を「の届出」に改め、同条第九項中「前各項」を「第五項から前項まで」に改め、同項を同条第十二項とし、同条第八項中「前条第三項」を「第一項」に、「行われても、第一項第一号若しくは第二号の事態を生ずるおそれがなく、又は当該届出に係る対内直接投資等が同項第三号若しくは第四号」を「国の安全等に係る対内直接投資等」に、「第四項」を「第七項」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第七項中「第二項」を「第五項」に、「第四項」を「第七項」に、「第一項又は第三項」を「第三項又は第六項」に改め、同項を同条第十項とし、同条第六項中「第四項」を「第七項」に、「第一項又は第三項」を「第三項又は第六項」に、「(第三項」を「(同項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第五項を同条第八項とし、同条第四項中「第二項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第三項中「第一項に規定する審査に当たり第五十五条の二に規定する」を「前項の規定により」に、「同審議会」を「外国為替等審議会」に、「同項に規定する四月」を「第三項に規定する四月」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項中「前条第三項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る対内直接投資等が行われたならば前項第一号若しくは第二号の事態を生ずるおそれがあると認めるとき又は当該届出に係る対内直接投資等が同項第三号若しくは第四号」を「第三項の規定により対内直接投資等を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、第一項の規定による届出に係る対内直接接資等が国の安全等に係る対内直接投資等」に改め、「第五十五条の二に規定する」を削り、「同項又は」を「第三項又は」に改め、同項を同条第五項とし、同条第一項中「前条第三項」を「第一項」に改め、「(同条第五項の規定により外国投資家とみなされる外国投資家以外の者による届出を含む。次項及び第八項において同じ。)」を削り、「行われたならば第一号若しくは第二号の事態を生ずるおそれがないかどうか、又は当該届出に係る対内直接投資等が第三号若しくは第四号」を「次に掲げるいずれかの対内直接投資等(次項、第五項及び第十一項において「国の安全等に係る対内直接投資等」という。)」に、「当該対内直接投資等を」を「当該届出に係る対内直接投資等を」に改め、同項第一号を次のように改める。
一 イ又はロに掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがある対内直接投資等(我が国が加盟する対内直接投資等に関する多数国間の条約その他の国際約束で政令で定めるもの(以下この号において「条約等」という。)の加盟国の外国投資家が行う対内直接投資等で対内直接投資等に関する制限の除去について当該条約等に基づく義務がないもの及び当該条約等の加盟国以外の国の外国投資家が行う対内直接投資等でその国が当該条約等の加盟国であるものとした場合に当該義務がないこととなるものに限る。)
イ 国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになること。
ロ 我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすことになること。
第二十七条第一項第二号を削り、同項第三号中「、我が国」を「我が国」に、「当該対内直接投資等に係る」を「その」に、「認められるもの」を「認められる対内直接投資等」に改め、同号を同項第二号とし、同項第四号中「届出がされた」を「当該」に、「当該対内直接投資等に係る」を「その」に、「認められるもの」を「認められる対内直接投資等」に改め、同号を同項第三号とし、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。
4 大蔵大臣及び事業所管大臣は、前項の規定により対内直接投資等を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、当該延長された期間の満了前に第一項の規定による届出に係る対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当しないと認めるときは、当該延長された期間を短縮することができる。
第二十七条に第一項及び第二項として次の二項を加える。
外国投資家は、前条第二項各号に掲げる対内直接投資等のうち第三項の規定による審査が必要となる対内直接投資等に該当するおそれがあるものとして政令で定めるものを行おうとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該対内直接投資等について、事業目的、金額、実行の時期その他の政令で定める事項を大蔵大臣及び事業所管大臣に届け出なければならない。
2 対内直接投資等について前項の規定による届出をした外国投資家は、大蔵大臣及び事業所管大臣が当該届出を受理した日から起算して三十日を経過する日までは、当該届出に係る対内直接投資等を行つてはならない。ただし、大蔵大臣及び事業所管大臣は、その期間の満了前に当該届出に係る対内直接投資等がその事業目的その他からみて次項の規定による審査が必要となる対内直接投資等に該当しないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。
第二十七条の次に次の一条を加える。
(外国投資家とみなされる者)
第二十七条の二 外国投資家以外の者(法人その他の団体を含む。以下この条において同じ。)が外国投資家のために当該外国投資家の名義によらないで行う対内直接投資等に相当するものについては、当該外国投資家以外の者を外国投資家とみなして、前二条の規定を適用する。
第二十九条の見出し中「届出等」を「報告」に改め、同条第一項中「非居住者(」を「居住者は、非居住者(」に、「この項及び第三項において同じ。)及び居住者は、」を「この条及び次条において同じ。)との間で当該」に、「しようとする」を「した」に改め、「、あらかじめ」を削り、「に係る契約の条項その他の政令で定める事項を」を「について、」に、「届け出」を「報告し」に改め、同項に次のただし書を加える。
ただし、次条第一項の規定により届け出なければならない技術導入契約の締結等については、この限りでない。
第二十九条第二項及び第三項を削る。
第三十条の見出し中「締結等の」の下に「届出及び」を加え、同条第四項中「第二十七条第四項から第九項まで」を「第二十七条第七項から第十二項まで」に、「第二項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第三項中「第一項に規定する審査に当たり第五十五条の二に規定する」を「前項の規定により」に、「同審議会」を「外国為替等審議会」に、「同項に規定する四月」を「第三項に規定する四月」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項中「前条第一項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る技術導入契約の締結等がされたならば前項各号に掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがある」を「第三項の規定により技術導入契約の締結等をしてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、第一項の規定による届出に係る技術導入契約の締結等が国の安全等に係る技術導入契約の締結等に該当する」に改め、「第五十五条の二に規定する」を削り、「同項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第一項中「前条第一項」を「第一項」に、「されたならば次に掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがない」を「次に掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがある技術導入契約の締結等(我が国が加盟する技術導入契約の締結等に関する多数国間の条約その他の国際約束で政令で定めるもの(以下この項において「条約等」という。)の加盟国の非居住者との間でされる技術導入契約の締結等で技術導入契約の締結等に関する制限の除去について当該条約等に基づく義務がないもの及び当該条約等の加盟国以外の国の非居住者との間でされる技術導入契約の締結等でその国が当該条約等の加盟国であるものとした場合に当該義務がないこととなるものに限る。次項及び第五項において「国の安全等に係る技術導入契約の締結等という。)に該当しない」に、「当該技術導入契約の締結等」を「当該届出に係る技術導入契約の締結等」に改め、同項第二号中「当該技術を導入する事業と同種の我が国における事業(関連する事業を含む。)の活動その他」を削り、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。
4 大蔵大臣及び事業所管大臣は、前項の規定により技術導入契約の締結等をしてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、当該延長された期間の満了前に第一項の規定による届出に係る技術導入契約の締結等が国の安全等に係る技術導入契約の締結等に該当しないと認めるときは、当該延長された期間を短縮することができる。
第三十条に第一項及び第二項として次の二項を加える。
居住者は、非居住者との間で技術導入契約の締結等のうち第三項の規定による審査が必要となる技術導入契約の締結等に該当するおそれがあるものとして政令で定めるものをしようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該技術導入契約の締結等について、その契約の条項その他の政令で定める事項を大蔵大臣及び事業所管大臣に届け出なければならない。
2 技術導入契約の締結等について前項の規定による届出をした居住者は、大蔵大臣及び事業所管大臣が当該届出を受理した日から起算して三十日を経過する日までは、当該届出に係る技術導入契約の締結等をしてはならない。ただし、大蔵大臣及び事業所管大臣は、その期間の満了前に当該届出に係る技術導入契約の締結等がその技術の種類その他からみて次項の規定による審査が必要となる技術導入契約の締結等に該当しないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。
第三十一条から第四十六条までを次のように改める。
(前二条の適用除外)
第三十一条 前二条の規定は、非居住者の本邦にある支店等が独自に開発した技術に係る技術導入契約の締結等その他政令で定める技術導入契約の締結等については、適用しない。
第三十二条から第四十六条まで 削除
第七十条第二十一号中「第二十六条第三項」を「第二十七条第一項」に、「同条第五項」を「第二十七条の二」に改め、同条第二十二号中「第二十六条第四項」を「第二十七条第二項」に、「第二十七条第一項又は第三項の規定により延長された場合にあつては、当該延長」を「同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮」に、「第二十六条第五項」を「第二十七条の二」に改め、同条第二十三号中「第二十七条第五項」を「第二十七条第八項」に、「第二十六条第五項」を「第二十七条の二」に改め、同条第二十四号中「第二十七条第七項」を「第二十七条第十項」に、「第二十六条第五項」を「第二十七条の二」に改め、同条第二十五号中「第二十九条第一項」を「第三十条第一項」に改め、同条第二十六号中「第二十九条第三項」を「第三十条第二項」に、「第三十条第一項又は第三項の規定により延長された場合にあつては、当該延長」を「同条第三項若しくは第六項の規定により延長され、又は同条第四項の規定により短縮された場合には、当該延長され、又は短縮」に改め、同条第二十七号中「第三十条第四項」を「第三十条第七項」に、「第二十七条第五項」を「第二十七条第八項」に改め、同条第二十八号中「第三十条第四項」を「第三十条第七項」に、「第二十七条第七項」を「第二十七条第十項」に改める。
第七十二条中第十号を第十二号とし、第七号から第九号までを二号ずつ繰り下げ、第六号の次に次の二号を加える。
七 第二十六条第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者(第二十七条の二の規定により外国投資家とみなされる者を含む。)
八 第二十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第七十三条中「同条第五項」を「第二十七条の二」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 次条第三項に定めるものを除き、この法律による改正前の外国為替及び外国貿易管理法(以下「旧法」という。)第二十六条第三項の規定によりこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた届出に係る対内直接投資等(以下「旧法の規定による届出に係る対内直接投資等」という。)で、施行日前に同条第四項に規定する対内直接投資等を行ってはならない期間(旧法第二十七条第一項又は第三項の規定により当該期間が延長された場合には、当該延長された期間)が満了したものについては、なお従前の例による。
2 附則第四条第四項に定めるものを除き、旧法第二十九条第一項の規定により施行日前にされた届出に係る技術導入契約の締結等(以下「旧法の規定による届出に係る技術導入契約の締結等」という。)で、施行日前に同条第三項に規定する技術導入契約の締結等をしてはならない期間(旧法第三十条第一項又は第三項の規定により当該期間が延長された場合には、当該延長された期間)が満了したものについては、なお従前の例による。
第三条 この法律の施行の際現に旧法第二十六条第四項に規定する対内直接投資等を行ってはならない期間が満了していない旧法の規定による届出に係る対内直接投資等で、この法律による改正後の外国為替及び外国貿易管理法(以下「新法」という。)第二十六条第三項の規定により報告しなければならない対内直接投資等に該当するものについては、施行日の前日において当該期間が満了したものとみなして、当該届出をした外国投資家は、施行日以後当該対内直接投資等を行うことができる。この場合において、当該届出は、当該対内直接投資等が行われた日において同項本文の規定によりされた報告とみなす。
2 次項に定めるものを除き、この法律の施行の際現に旧法第二十六条第四項に規定する対内直接投資等を行ってはならない期間が満了していない旧法の規定による届出に係る対内直接投資等で新法第二十七条第一項の規定により届け出なければならない対内直接投資等に該当するものについては当該届出がされた日において同項の規定による届出がされたものと、旧法第二十七条第一項又は第三項の規定により対内直接投資等を行ってはならない期間が延長された旧法の規定による届出に係る対内直接投資等でこの法律の施行の際現にその期間が満了していないものについては当該届出がされた日において新法第二十七条第一項の規定による届出がされ、同条第三項又は第六項の規定により対内直接投資等を行ってはならない期間が延長されたものとみなして、新法の規定を適用する。
3 施行日前にされた旧法第二十七条第二項の規定による勧告、同条第四項の規定による通知又は同条第七項の規定による命令に係る対内直接投資等については、なお従前の例による。
第四条 この法律の施行の際現に旧法第二十九条第三項に規定する技術導入契約の締結等をしてはならない期間が満了していない旧法の規定による届出に係る技術導入契約の締結等(居住者が届け出たものに限る。次項において同じ。)で、新法第二十九条の規定により報告しなければならない技術導入契約の締結等に該当するものについては、施行日の前日において当該期間が満了したものとみなして、当該届出をした居住者は、施行日以後当該技術導入契約の締結等をすることができる。この場合において、当該居住者に係る届出は、当該技術導入契約の締結等がされた日において同条本文の規定によりされた報告とみなす。
2 第四項に定めるものを除き、この法律の施行の際現に旧法第二十九条第三項に規定する技術導入契約の締結等をしてはならない期間が満了していない旧法の規定による届出に係る技術導入契約の締結等で新法第三十条第一項の規定により届け出なければならない技術導入契約の締結等に該当するものについては当該届出がされた日において同項の規定による届出がされたものと、旧法第三十条第一項又は第三項の規定により技術導入契約の締結等をしてはならない期間が延長された旧法の規定による届出に係る技術導入契約の締結等でこの法律の施行の際現にその期間が満了していないものについては当該届出がされた日において新法第三十条第一項の規定により届出がされ、同条第三項又は第六項の規定により技術導入契約の締結等をしてはならない期間が延長されたものとみなして、新法の規定を適用する。
3 次項に定めるものを除き、この法律の施行の際現に旧法第二十九条第三項に規定する技術導入契約の締結等をしてはならない期間(旧法第三十条第一項又は第三項の規定により当該期間が延長された場合には、当該延長された期間)が満了していない旧法の規定による届出に係る技術導入契約の締結等(非居住者が届け出たものに限る。)については、施行日の前日において当該期間が満了したものとみなして、当該届出をした非居住者は、施行日以後当該技術導入契約の締結等をすることができる。
4 施行日前にされた旧法第三十条第二項の規定による勧告、同条第四項において準用する旧法第二十七条第四項の規定による通知又は旧法第三十条第四項において準用する旧法第二十七条第七項の規定による命令に係る技術導入契約の締結等については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第五条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる取引又は行為に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部改正)
第六条 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(昭和二十四年政令第二百九十一号)の一部を次のように改正する。
第二十八条の九第五項中「第二十六条第三項」の下に「及び第二十七条第一項」を加え、「同条第一項」を「同法第二十六条第一項」に改める。
内閣総理大臣 海部俊樹
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 井上裕
文部大臣 井上裕
厚生大臣 下条進一郎
農林水産大臣 近藤元次
通商産業大臣 中尾栄一
運輸大臣 村岡兼造
郵政大臣 関谷勝嗣
労働大臣 小里貞利
建設大臣 大塚雄司