(資源管理協定の締結)
第十二条の二 漁業者団体等は、一定の海域において海洋水産資源の利用の合理化を図るため、当該海域における海洋水産資源の自主的な管理に関する協定(以下「資源管理協定」という。)を締結し、当該資源管理協定が適当である旨の行政庁の認定を受けることができる。
2 資源管理協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 資源管理協定の対象となる海域並びに海洋水産資源及び漁業の種類
(資源管理協定の認定等)
第十二条の三 行政庁は、前条第一項の認定の申請が次の各号のすべてに該当するときは、同項の認定をするものとする。
一 前条第二項第一号から第三号までに掲げる事項が基本方針において定められた第三条第二項第三号イの指針に適合するものであること。
三 資源管理協定の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。
2 前項に規定するもののほか、資源管理協定の認定(資源管理協定の変更の認定を含む。)及びその取消し並びに資源管理協定の廃止に関し必要な事項は、政令で定める。
(認定資源管理協定への参加のあつせん)
第十二条の四 第十二条の二第一項の認定を受けた資源管理協定(以下「認定資源管理協定」という。)に参加している漁業者団体等は、認定資源管理協定の対象となる海域において認定資源管理協定の対象となる種類の海洋水産資源を利用する漁業を営む者(認定資源管理協定の対象となる種類の漁業により利用するものに限る。以下「特定漁業者」という。)又はその団体であつて認定資源管理協定に参加していないものに対し認定資源管理協定を示して参加を求めた場合においてその参加を承諾しない者があるときは、農林水産省令で定めるところにより、行政庁に対し、その者の承諾を得るために必要なあつせんをすべきことを求めることができる。
2 行政庁は、前項の規定による申請があつた場合において、認定資源管理協定に参加していない者の認定資源管理協定への参加が前条第一項の規定に照らして相当であり、かつ、認定資源管理協定の内容からみてその者に対し参加を求めることが特に必要であると認めるときは、あつせんをするものとする。
(水産業協同組合法の特例)
第十二条の五 認定資源管理協定に参加している漁業協同組合が認定資源管理協定の内容を遵守させるために、総会(総代会を含む。)で次の各号に掲げる事項の議決を行おうとする場合において、当該各号に掲げる者の三分の二以上の書面による同意を農林水産省令で定めるところにより得ているときは、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第五十条(同法第五十二条第六項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定にかかわらず、同法第五十条の規定による議決によることを要しないものとする。
一 特定漁業者たる組合員(以下「特定組合員」という。)が第十二条の二第二項第二号に掲げる事項の内容に違反した場合に当該特定組合員に対し過怠金を課するために必要な定款の変更 特定組合員
二 第十二条の二第二項第二号に掲げる事項の内容に適合するように行う漁業権行使規則又は入漁権行使規則(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第八条第一項の漁業権行使規則又は入漁権行使規則をいう。)の変更(同項に規定する漁業を営む権利を有する者の資格に関する事項の変更を除く。次項第二号において同じ。) 特定組合員であつて当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業を営む権利を有するもの
2 認定資源管理協定に参加している漁業協同組合連合会が認定資源管理協定の内容を遵守させるために、総会(総代会を含む。)で次の各号に掲げる事項の議決を行おうとする場合において、当該各号に掲げる者のすべての同意を農林水産省令で定めるところにより得ているときは、水産業協同組合法第九十二条第三項において準用する同法第五十条(同法第九十二条第三項において準用する同法第五十二条第六項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定にかかわらず、同法第九十二条第三項において準用する同法第五十条の規定による議決によることを要しないものとする。
一 会員たる漁業協同組合の特定組合員及び会員たる漁業協同組合又は漁業生産組合で特定漁業者であるもの(以下「漁業自営組合」という。)が第十二条の二第二項第二号に掲げる事項の内容に違反した場合に当該特定組合員を直接若しくは間接の構成員とする漁業協同組合(以下「特定組合員所属組合」という。)又は当該漁業自営組合に対し過怠金を課するために必要な定款の変更 特定組合員所属組合及び漁業自営組合
二 第十二条の二第二項第二号に掲げる事項の内容に適合するように行う前項第二号に規定する漁業権行使規則又は入漁権行使規則の変更 当該漁業権又は入漁権の内容たる漁業を営む権利を有する者を直接又は間接の構成員とする会員たる漁業協同組合
3 第一項の規定は、認定資源管理協定に参加している漁業協同組合連合会の特定組合員所属組合について準用する。
(漁業法等による措置)
第十二条の六 認定資源管理協定に参加している漁業者団体等は、認定資源管理協定に参加している漁業を営む者(認定資源管理協定に参加している団体の直接又は間接の構成員となつている特定漁業者を含む。)の数が認定資源管理協定の対象となる海域において認定資源管理協定の対象となる海洋水産資源を利用する漁業を営む者のすべての数の三分の二以上であつて農林水産省令で定める割合を超えていることその他の農林水産省令で定める基準に該当するときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣又は都道府県知事に対し、認定資源管理協定の対象となる海域における海洋水産資源の利用の合理化を図るための措置であつて認定資源管理協定の目的を達成するために必要なものを講ずべきことを求めることができる。
2 農林水産大臣又は都道府県知事は、前項の規定による申出があつた場合において、漁業調整、水産資源の保護培養その他公益のために必要があると認めるときは、その申出の内容を勘案して、漁業法第三十四条第一項(同法第六十三条において読み替えて準用する場合を含む。)若しくは第三項、第六十五条第一項若しくは第六十六条第一項又は水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)第四条第一項の規定による水産動植物の採捕の制限等の措置その他の適切な措置を講ずるものとする。
3 都道府県知事は、第一項に規定する申出に基づき漁業法第三十四条第三項の規定を適用しようとするときは、同項に規定する海区漁業調整委員会の申請によらず、漁業権に制限又は条件を付けることができる。この場合においては、同条第二項及び第四項の規定を準用する。
(行政庁)
第十二条の七 この章の規定中「行政庁」とあるのは、資源管理協定の対象となる海域が一の都道府県知事の管轄に属し、かつ、当該資源管理協定の対象となる漁業の種類に漁業法第五十二条第一項に規定する指定漁業又は同法第六十五条第一項若しくは水産資源保護法第四条第一項の規定に基づく省令の規定により農林水産大臣の許可その他の処分を要する漁業が含まれない場合については当該海域を管轄する都道府県知事、その他の場合については農林水産大臣とする。
2 前項の規定による農林水産大臣の権限は、政令で定めるところにより、その一部を都道府県知事に委任することができる。