(資金援助の申込み)
第六十一条 合併(経営困難農水産業協同組合と合併する農水産業協同組合が存続するものに限る。以下同じ。)を行う農水産業協同組合で経営困難農水産業協同組合でないもの(以下「救済農水産業協同組合」という。)は、機構が、合併を援助するため、金銭の贈与、資金の貸付け若しくは預入れ、資産の買取り又は債務の保証若しくは引受け(以下「資金援助」という。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の規定による申込みを行つた農水産業協同組合は、速やかに、その旨を都道府県知事(主務大臣の監督に係る農水産業協同組合にあつては、主務大臣)に報告しなければならない。
第六十二条 農水産業協同組合連合会又は農林中央金庫(以下「農水産業協同組合連合会等」という。)が、農水産業協同組合に係る相互援助取決めにより合併又は信用事業再建措置(経営困難農水産業協同組合が信用事業に係る業務の健全かつ適切な運営を回復するために行う主務省令で定める措置をいう。以下同じ。)について資金の貸付けその他の援助を行う場合において、当該農水産業協同組合連合会等は、機構が当該援助について資金援助(資産の買取り及び債務の引受けを除く。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
2 前項の農水産業協同組合に係る相互援助取決めとは、次の各号の一に掲げるものをいう。
一 農水産業協同組合の相互扶助に資することを目的として、全国の区域を対象に農水産業協同組合、農水産業協同組合連合会及び農林中央金庫が行う取決めであつて、農水産業協同組合が当該目的のため農水産業協同組合連合会等に預け入れた貯金その他の資金を原資として、農水産業協同組合連合会等が救済農水産業協同組合又は経営困難農水産業協同組合に対し資金の貸付けその他の援助を行うことを定めるもの
二 前号に掲げる取決めに準ずる取決めであつて主務省令で定める要件に適合するもの。
3 第一項の規定による申込みを行つた農水産業協同組合連合会等は、速やかに、その旨を主務大臣に報告しなければならない。
(適格性の認定)
第六十三条 第六十一条第一項又は前条第一項の規定による申込みに係る合併については、当該合併に係る農水産業協同組合は、これらの規定による申込みが行われる時までに、当該合併について、都道府県知事(当該合併後存続する農水産業協同組合が主務大臣の監督に係るものであるときは、主務大臣。第七項及び次条第一項において同じ。)の認定を受けなければならない。
2 前条第一項の規定による申込みに係る信用事業再建措置については、当該措置に係る経営困難農水産業協同組合及び同項の規定により当該措置について援助を行う農水産業協同組合連合会等は、同項の規定による申込みが行われる時までに、当該措置について、都道府県知事(当該経営困難農水産業協同組合が主務大臣の監督に係るものであるときは、主務大臣)の認定を受けなければならない。
3 前二項の認定の申請は、第一項の場合にあつては同項の合併に係る農水産業協同組合の連名で、前項の場合にあつては同項の経営困難農水産業協同組合と農水産業協同組合連合会等との連名で行わなければならない。
4 第一項及び第二項の認定は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、行うことができる。
一 当該合併又は信用事業再建措置(以下「合併等」という。)が行われることが、貯金者等の保護に資すること。
二 機構による資金援助が行われることが、当該合併等を行うために不可欠であること。
三 当該合併等に係る経営困難農水産業協同組合について、合併等が行われることなく、その信用事業に係る業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該経営困難農水産業協同組合が信用事業に係る業務を行つている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
四 機構による資金援助(前条第一項の資金援助にあつては、当該資金援助に係る同項に規定する援助。次条第一項において同じ。)が、合併後存続する農水産業協同組合又は信用事業再建措置に係る経営困難農水産業協同組合の信用事業に係る業務の健全かつ適切な運営のために活用されることが確実であると認められること。
5 都道府県知事は、第一項又は第二項の認定を行うときは、主務大臣の承認を得なければならない。
6 主務大臣は、都道府県知事の監督に係る農水産業協同組合に対し第一項の認定を行うときは、当該都道府県知事に協議しなければならない。
7 都道府県知事は、第一項の認定を行うときは、当該認定に係る農水産業協同組合のうち、いずれが経営困難農水産業協同組合であるかを明らかにしなければならない。
8 都道府県知事又は主務大臣は、第一項又は第二項の認定を行つたときは、その旨を機構に通知しなければならない。
(合併のあつせん)
第六十四条 都道府県知事は、前条第一項の認定に係る同条第三項の申請が行われない場合においても、農水産業協同組合が経営困難農水産業協同組合に該当し、かつ、当該経営困難農水産業協同組合が同条第四項第三号に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該経営困難農水産業協同組合及び他の農水産業協同組合に対し、書面により、合併(当該合併が同項第一号に掲げる要件に該当するものであり、かつ、機構による資金援助が同項第二号及び第四号に掲げる要件に該当するものに限る。)のあつせんを行うことができる。
2 前項のあつせんを受けた同項の他の農水産業協同組合は、前条第一項の規定にかかわらず、第六十一条第一項の規定による申込みを行うことができる。
3 農水産業協同組合連合会等で、第一項のあつせんを受けた同項の他の農水産業協同組合に対し合併について資金の貨付けその他の援助を行うものは、前条第一項の規定にかかわらず、第六十二条第一項の規定による申込みを行うことができる。
4 前条第五項から第八項までの規定は、第一項のあつせんを行う場合について準用する。
(資金援助)
第六十五条 機構は、第六十一条第一項又は第六十二条第一項の規定による申込みがあつたときは、遅滞なく、委員会の議決を経て、当該申込みを行つた農水産業協同組合又は農水産業協同組合連合会等に対する資金援助を行うかどうかを決定しなければならない。
2 委員会は、前項の議決を行う場合には、機構の財務の状況並びに当該議決に係る資金援助に要すると見込まれる費用及び当該資金援助に係る経営困難農水産業協同組合の保険事故につき保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用を考慮し、機構の資産の効率的な利用に配意しなければならない。
3 機構は、第一項の規定による決定をしようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
4 機構は、都道府県知事の監督に係る農水産業協同組合を当事者とする合併等に係る第一項の規定による決定をしたときは、直ちに、その決定に係る事項を当該都道府県知事に報告しなければならない。
5 機構は、第一項の規定による資金援助を行う旨の決定をしたときは、同項に規定する農水産業協同組合又は農水産業協同組合連合会等とこれらの者に対する資金援助に関する契約を締結するものとする。
(合併等の契約の報告等)
第六十六条 第六十三条第一項若しくは第二項の認定又は第六十四条第一項のあつせん(以下「適格性の認定等」という。)を受けた農水産業協同組合又は農水産業協同組合連合会等は、当該適格性の認定等に係る合併の契約又は当該適格性の認定等に係る信用事業再建措置に係る援助(以下この項において「特定援助」という。)の契約を締結したときは、直ちに、その適格性の認定等を行つた都道府県知事又は主務大臣に、その旨を報告し、かつ、当該合併又は特定援助の契約書(救済農水産業協同組合にあつては当該合併の契約書及び当該合併に係る資金援助に関する契約の内容を記載した書面、農水産業協同組合連合会等にあつては当該特定援助の契約書及び当該特定援助に係る資金援助に関する契約の内容を記載した書面)を提出しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、主務大臣に、その旨を報告し、かつ、同項の契約書又は書面の写しを送付しなければならない。
(総会の決議等の報告等)
第六十七条 適格性の認定等を受けた農水産業協同組合は、農業協同組合法又は水産業協同組合法の規定に基づき当該適格性の認定等に係る合併について必要とされる総会若しくは総代会の決議又は組合員の投票における必要な数の賛成を得たとき又は得られなかつたときは、直ちに、都道府県知事(主務大臣の監督に係る農水産業協同組合にあつては、主務大臣)に、その旨を報告し、かつ、当該総会若しくは総代会の議事録又は当該投票の結果を証する書面を提出し、あわせて、機構にその旨を通知しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、主務大臣にその旨を報告しなければならない。