(指定車両移動保管機関)
第五十一条の二 警察署長は、前条第八項(同条第二十項において準用する場合を含む。)の規定による車両(積載物を含む。以下この条において同じ。)の移動及び保管に係る事務(警察署長が前条第八項の規定により移動すべきものとして指示した車両の移動及び保管に係るものに限る。以下「車両移動保管事務」という。)の全部又は一部を、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であつて、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして公安委員会があらかじめ指定する者(以下「指定車両移動保管機関」という。)に行わせることができる。
2 公安委員会は、指定車両移動保管機関の財産の状況又はその事務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、指定車両移動保管機関に対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
3 公安委員会は、指定車両移動保管機関が前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。
4 指定車両移動保管機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、車両移動保管事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 車両移動保管事務に従事する指定車両移動保管機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
6 指定車両移動保管機関が車両移動保管事務を行つたときは、当該車両の運転者等又は所有者等は、実費を勘案して都道府県公安委員会規則で定める額の負担金を当該指定車両移動保管機関に、その定める期限までにその定める場所において納付しなければならない。
7 指定車両移動保管機関は、前項の車両の運転者等又は所有者等が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。この場合において、指定車両移動保管機関は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金及び督促に要した手数料の納付を求めることができる。
8 前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金並びに同項後段の延滞金及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、指定車両移動保管機関は、警察署長に対し、その徴収を申請することができる。
9 警察署長は、前項の規定による負担金等の徴収の申請があつたときは、地方税の滞納処分の例により負担金等を徴収するものとする。この場合においては、指定車両移動保管機関は、警察署長の徴収した金額の百分の四に相当する金額を当該警察署の属する都道府県に納付しなければならない。
10 前条第九項から第十三項まで、第十六項後段、第十七項及び第十八項(これらの規定を同条第二十項において準用する場合を含む。)並びに第十九項の規定は、指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に関して準用する。この場合において、同条第十三項中「第二項、第六項、第八項」とあるのは「第八項」と、同条第十六項後段中「負担金等」とあるのは「次条第八項の負担金等」と、同条第十七項中「負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする」とあるのは「次条第八項の負担金等は、当該指定車両移動保管機関の収入とする」と、同条第十九項中「政令で定めるところにより」とあるのは「当該警察署長に対し」と、「嘱託しなければならない」とあるのは「嘱託するよう申請しなければならない。この場合において、警察署長は、政令で定めるところにより、当該申請に係る登録をこれらの者に嘱託しなければならない」と読み替えるものとする。
11 指定車両移動保管機関は、前項において準用する前条第十項及び第十一項(同条第二十項において準用する場合を含む。)の規定により車両を売却し、又は廃棄しようとするときは、政令で定めるところにより、警察署長の承認を受けなければならない。
12 指定車両移動保管機関が行う車両移動保管事務に係る処分については、公安委員会に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。
13 前各項に定めるもののほか、指定車両移動保管機関及びその行う車両移動保管事務に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(罰則 第四項については第百十七条の三第三号)