住民基本台帳法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十六号
公布年月日: 昭和60年6月25日
法令の形式: 法律
住民基本台帳法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年六月二十五日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第七十六号
住民基本台帳法の一部を改正する法律
住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
第一条中「届出等の簡素化」の下に「を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理」を加え、「行なう」を「行う」に、「増進し、あわせて」を「増進するとともに、」に改める。
第三条第一項中「行なわれる」を「行われる」に、「努めなければならない」を「努めるとともに、住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない」に改め、同条に次の一項を加える。
4 何人も、住民基本台帳の閲覧又は住民票の写し、住民票に記載をした事項に関する証明書若しくは戸籍の附票の写しの交付により知り得た事項を使用するに当たつて、個人の基本的人権を尊重するよう努めなければならない。
第六条に次の一項を加える。
3 市町村長は、政令で定めるところにより、第一項の住民票を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。
第七条中「事項を記載する」を「事項について記載(前条第三項の規定により磁気テープをもつて調製する住民票にあつては、記録。以下同じ。)をする」に改め、同条第七号及び第八号中「あらたに」を「新たに」に改め、同条に次の一号を加える。
十三 前各号に掲げる事項のほか、政令で定める事項
第十一条及び第十二条を次のように改める。
(住民基本台帳の閲覧)
第十一条 何人でも、市町村長に対し、住民基本台帳の閲覧を請求することができる。
2 前項の請求は、請求事由その他自治省令で定める事項を明らかにしてしなければならない。ただし、自治省令で定める場合には、この限りでない。
3 市町村長は、第一項の請求に対し、政令で定めるところにより、住民基本台帳に代えて、住民基本台帳又はその一部の写し(第六条第三項の規定により磁気テープをもつて住民票を調整することにより住民基本台帳を作成している市町村にあつては、当該住民基本台帳又はその一部に記録されている事項を記載した書類。第四十四条において同じ。)を閲覧に供することができる。
4 市町村長は、第一項の請求が不当な目的によることが明らかなとき又は住民基本台帳の閲覧により知り得た事項を不当な目的に使用されるおそれがあることその他の当該請求を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは、当該請求を拒むことができる。
(住民票の写し等の交付)
第十二条 何人でも、市町村長に対し、住民票の写し(第六条第三項の規定により磁気テープをもつて住民票を調製している市町村にあつては、当該住民票に記録されている事項を記載した書類。以下同じ。)又は住民票に記載をした事項に関する証明書(以下「住民票記載事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
2 前項の請求は、請求事由その他自治省令で定める事項を明らかにしてしなければならない。ただし、自治省令で定める場合には、この限りでない。
3 市町村長は、第一項の住民票の写しの交付の請求があつたときは、特別の請求がない限り、第七条第四号、第五号及び第九号から第十三号までに掲げる事項の全部又は一部の記載を省略した写しを交付することができる。
4 市町村長は、第一項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
5 第一項の請求をしようとする者は、郵便により、同項の住民票の写し又は住民票記載事項証明書の送付を求めることができる。
第十四条に次の一項を加える。
2 住民基本台帳に記載されている者は、自己又は自己と同一の世帯に属する者に係る住民票に誤記又は記載漏れがあることを知つたときは、市町村長に対してその旨を申し出ることができる。
第十五条に次の一項を加える。
3 市町村の選挙管理委員会は、前項の規定により通知された事項を不当な目的に使用されることがないよう努めなければならない。
第二十条を次のように改める。
(住民票の写しの交付に関する規定の準用)
第二十条 第十二条第一項、第二項、第四項及び第五項の規定は、戸籍の附票の写しの交付について準用する。この場合において、同条第二項中「自治省令」とあるのは、「法務省令・自治省令」と読み替えるものとする。
第三十七条を削り、第三十六条を第三十七条とし、第三十五条の次に次の一条を加える。
(住民に関する記録の保護)
第三十六条 市町村長の委託を受けて行う住民基本台帳に関する事務の処理に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た事項をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。
第四十四条第一項中「附記」を「付記」に、「二千円」を「五千円」に改め、同条第二項中「二千円」を「五千円」に改め、同条第三項を削り、同条を第四十五条とし、第四十三条の次に次の一条を加える。
第四十四条 偽りその他不正の手段により、第十一条第一項若しくは第三項の規定による住民基本台帳の閲覧若しくは住民基本台帳若しくはその一部の写しの閲覧をし、第十二条第一項の住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書の交付を受け、又は第二十条の戸籍の附票の写しの交付を受けた者は、五万円以下の過料に処する。
本則に次の一条を加える。
第四十六条 前二条の規定による過料の裁判は、簡易裁判所がする。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する過料に関する規定の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 嶋崎均
自治大臣 古屋亨
内閣総理大臣 中曽根康弘