証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第46号
公布年月日: 昭和60年6月1日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行法では、刑事事件の証人や参考人等が供述や出頭に関して身体・生命に危害を加えられた場合、国が給付を行うこととしている。しかし近年、過激派裁判等において、国選弁護人が被告人等との弁護方針の相違から危害を加えられる事例が発生している。そこで、国選弁護人またはその近親者が職務遂行に関して被害を受けた場合にも、証人等と同様に国が療養給付等を行えるよう法改正を行う。これにより国選弁護人の職務遂行の円滑化を図り、刑罰法令の適正かつ迅速な適用実現に寄与することを目的とする。

参照した発言:
第102回国会 参議院 法務委員会 第4号

審議経過

第102回国会

参議院
(昭和60年3月26日)
(昭和60年3月28日)
(昭和60年4月11日)
(昭和60年4月16日)
(昭和60年4月17日)
衆議院
(昭和60年4月19日)
(昭和60年5月14日)
(昭和60年5月17日)
(昭和60年5月21日)
証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十年六月一日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第四十六号
証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律
証人等の被害についての給付に関する法律(昭和三十三年法律第百九号)の一部を次のように改正する。
第一条中「場合」の下に「及び国選弁護人又はその近親者が国選弁護人の職務の遂行に関して他人からその身体又は生命に害を加えられた場合」を、「確保し」の下に「、並びに国選弁護人の職務の遂行を円滑にし」を加える。
第二条に次の一項を加える。
3 この法律で「国選弁護人」とは、刑事訴訟法の規定に基づいて裁判所又は裁判長が被告人に付した弁護人をいう。
第三条中「又は参考人」を「若しくは参考人」に、「又は捜査機関」を「若しくは捜査機関」に、「又は供述」を「若しくは供述」に、「当該証人若しくは参考人」を「又は国選弁護人がその職務を行い、若しくは行おうとしたことにより、当該証人、参考人若しくは国選弁護人」に改める。
第四条第一号中「若しくは参考人」を「、参考人若しくは国選弁護人」に改め、同条第二号中「その責」を「その責め」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行し、改正後の証人等の被害についての給付に関する法律の規定中国選弁護人又はその配偶者等の被害についての給付に関する部分は、この法律の施行後における国選弁護人の職務の遂行に係る被害について適用する。
法務大臣 嶋崎均
大蔵大臣 竹下登
内閣総理大臣 中曽根康弘