輸出保険法及び輸出保険特別会計法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第32号
公布年月日: 昭和59年5月18日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

世界経済の停滞を背景に発展途上国等の累積債務が増大し、輸出代金回収のリスクが高まっている。これはプラント輸出や中小企業の輸出に悪影響を及ぼしているが、これらの輸出は我が国の貿易構造の高度化や世界経済の安定的発展への貢献として重要である。また、債務返済繰り延べ国の増加により、輸出保険特別会計での保険金支払いと業務量が急増している。このような状況下、カントリーリスクの増大に対応した輸出保険制度の機能充実を図ることが急務となっているため、本法律案を提案するものである。

参照した発言:
第101回国会 衆議院 商工委員会 第2号

審議経過

第101回国会

衆議院
(昭和59年3月2日)
(昭和59年3月27日)
参議院
(昭和59年3月27日)
衆議院
(昭和59年3月29日)
参議院
(昭和59年4月6日)
(昭和59年4月12日)
(昭和59年4月20日)
輸出保険法及び輸出保険特別会計法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十九年五月十八日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三十二号
輸出保険法及び輸出保険特別会計法の一部を改正する法律
(輸出保険法の一部改正)
第一条 輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
目次中
第四章の二
輸出保証保険(第十条の二―第十条の六)
第四章の三
委託販売輸出保険(第十条の七―第十条の九)
第五章
海外広告保険(第十一条―第十四条)
第五章の二
海外投資保険(第十四条の二―第十四条の五)
第四章の二
輸出保証保険(第十条の二―第十四条)
第五章
海外投資保険(第十四条の二―第十四条の五)
に改める。
第一条の二中第十項を削り、第十一項を第十項とする。
第一条の三中「、委託販売輸出保険、海外広告保険」を削る。
第一条の七中「こえない」を「超えない」に改め、第五号を削り、第四号の二を第五号とし、第六号を削り、第七号を第六号とする。
第五条の三第二項中「百分の九十五」を「百分の九十七・五」に改める。
第五条の八を次のように改める。
(保険価額)
第五条の八 輸出手形保険においては、手形金額を保険価額とする。
2 輸出手形保険の保険金額が保険価額に百分の八十二・五の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
第五条の九中「基いて」を「基づいて」に、「てん補」を「てん補」に、「そ求」を「そ求」に、「左の各号に」を「次に」に、「百分の八十」を「、保険金額の保険価額に対する割合」に改め、同条第三号中「そ求権」を「そ求権」に改める。
第四章の三を削る。
第五章の章名を削り、第十一条から第十四条までを次のように改める。
第十一条から第十四条まで 削除
第十四条の二第二項中「各号の一に」を「いずれかに」に改め、同項第一号の二中「第一条の二第十一項第二号」を「第一条の二第十項第二号」に改め、同項第二号中「第一条の二第十一項第四号」を「第一条の二第十項第四号」に改め、同号イ中「第一条の二第十一項第二号」を「第一条の二第十項第二号」に改め、同項第五号中「第一条の二第十一項第五号」を「第一条の二第十項第五号」に改める。
第五章の二を第五章とする。
(輸出保険特別会計法の一部改正)
第二条 輸出保険特別会計法(昭和二十五年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
附則を附則第一項とし、同項に見出しとして「(施行期日)」を付する。
附則に次の三項を加える。
(借入金)
2 当分の間、第十一条の二の規定によるほか、同条の規定による借入金に係る債務を弁済するため必要があるときは、この会計の負担において借入金をすることができる。
(限度額)
3 各年度において、前項の規定による借入金の当該年度末現在における残高は、第一号の金額と第二号の金額との合計額に政令で定める割合を乗じて得た金額から第三号の金額を控除して得た金額を限度とする。
一 輸出保険の保険契約(輸出手形保険にあつては、保険関係。以下同じ。)のうち当該保険契約に基づき保険金の支払を受けた被保険者が法第四条の二、第五条の五、第五条の十第一項又は第十四条の四の規定に基づく輸出貨物の代金等の回収又は荷為替手形上の権利の行使をし得るよう外国の政府が国際約束に基づき必要な措置を講じ又は講ずることが確実であると認められる保険契約に係る保険金として政令で定めるもののうち、当該年度末までに支払われたものの額の合計額
二 前号の国際約束で定めるところにより当該被保険者が受領する利子として政令で定めるもののうち、同号に規定する当該年度末までに支払われた保険金に係るものの額(法第四条の三、第五条の五の二、第五条の十一及び第十四条の五の規定に基づき政府に納付される部分に限る。)の合計額
三 第一号に規定する当該年度末までに支払われた保険金に係る回収金のうち、当該年度末までに政府に納付されたものの額の合計額
(適用関係)
4 附則第二項の規定による借入金に関する第十三条及び第十四条の規定の適用については、第十三条及び第十四条中「第十一条の二第一項」とあるのは、「第十一条の二第一項及び附則第二項」とする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中輸出保険法第五条の三第二項、第五条の八及び第五条の九の改正規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行前に政府が引き受けた委託販売輸出保険及び海外広告保険については、なお従前の例による。
大蔵大臣 竹下登
通商産業大臣臨時代理 国務大臣 中西一郎
内閣総理大臣 中曽根康弘