家畜改良増殖法(昭和二十五年法律第二百九号)の一部を次のように改正する。
目次中「種畜」を「種畜等」に改め、「家畜人工授精」の下に「及び家畜受精卵移植」を加える。
第一条中「行なう」を「行う」に改め、「家畜人工受精」の下に「及び家畜受精卵移植」を加える。
第三条第一項中「次条」を「第四条」に改め、同条に次の一項を加える。
3 この法律において「家畜受精卵移植」とは、牛その他政令で定める家畜の雌から受精卵を採取し、処理し、及び雌に移植することをいう。
第四条第一項ただし書中「但し、左に」を「ただし、次に」に改め、同項第一号中「をいう」の下に「。以下同じ」を加える。
第九条第四項中「採取した」の下に「獣医師(獣医師法(昭和二十四年法律第百八十六号)第八条第二項の規定によりその業務が停止されている者を除く。第十四条第一項及び第二項を除き、以下同じ。)若しくは」を加え、「証明書を」を「証明書の交付を」に改め、同条の次に次の二条を加える。
(家畜受精卵の採取の制限)
第九条の二 牛その他政令で定める家畜の雌は、その飼養者において、省令で定める伝染性疾患及び遺伝性疾患を有しないことについての獣医師による診断を省令で定めるところにより受け、診断書の交付を受けたものでなければ、家畜受精卵移植の用に供する受精卵(以下「家畜受精卵」という。)の採取の用に供してはならない。ただし、学術研究のため家畜受精卵の採取の用に供する場合その他省令で定める場合は、この限りでない。
(家畜受精卵の採取の禁止)
第九条の三 牛その他政令で定める家畜の雌が前条の伝染性疾患又は遺伝性疾患にかかつていることを知りながら、これを家畜受精卵の採取の用に供してはならない。ただし、同条ただし書の場合は、この限りでない。
第十条中「の外」を「のほか」に、「前条」を「第九条」に改める。
「第三章 家畜人工授精」を「第三章 家畜人工授精及び家畜受精卵移植」に改める。
第十一条の前の見出し中「家畜人工授精」の下に「及び家畜受精卵移植」を加え、同条中「家畜人工授精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に、「但し」を「ただし」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第十一条の二 獣医師でない者は、家畜受精卵を採取し、又はこれを処理してはならない。ただし、学術研究のためにする場合、自己の飼養する雌の家畜から家畜受精卵を採取し、又はこれを処理する場合その他省令で定める場合は、この限りでない。
2 獣医師又は家畜人工授精師でない者は、家畜受精卵を雌の家畜に移植してはならない。ただし、学術研究のためにする場合、自己の飼養する雌の家畜に移植する場合その他省令で定める場合は、この限りでない。
第十二条中「家畜人工授精用精液は、」を削り、「その他家畜人工授精」の下に「又は家畜受精卵移植」を加え、「採取し、又は処理して」を「家畜人工授精用精液を採取し、若しくは処理し、又は家畜受精卵を処理して」に、「但し」を「ただし」に、「前条但書」を「第十一条ただし書及び前条第一項ただし書」に改める。
第十三条の見出し中「家畜人工授精用精液」の下に「及び家畜受精卵」を加え、同条第一項中「家畜人工授精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第四項中「第二項但書」を「第三項ただし書」に、「当該家畜人工授精師」を「当該獣医師又は当該家畜人工授精師」に改め、「注入」の下に「又は当該家畜受精卵の移植」を、「証明書」の下に「又は受精卵採取に関する証明書の交付」を加え、同項を同条第六項とし、同条第三項中「家畜人工授精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項中「家畜人工授精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に、「前項」を「第一項又は前項」に、「すみやかに」を「速やかに」に、「家畜人工授精用精液を」を「家畜人工授精用精液又は家畜受精卵を」に、「封かん」を「封」に、「且つ、家畜人工授精用精液証明書」を「かつ、家畜人工授精用精液証明書又は家畜受精卵証明書」に、「但し」を「ただし」に、「注入する」を「家畜人工授精用精液を注入し、又は家畜受精卵を移植する」に改め、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。
4 家畜受精卵を採取した獣医師は、前二項の規定にかかわらず、その指示の下に、第二項の検査並びに前項の容器への収容及び封その他当該家畜受精卵の処理を他の獣医師又は家畜人工授精師に行わせることができる。この場合には、当該家畜人工授精師は、第十一条の二第一項の規定にかかわらず、当該家畜受精卵の処理を行うことができる。
第十三条第一項の次に次の一項を加える。
2 獣医師は、家畜受精卵を採取したときは、速やかに、省令で定める方法により、これを検査しなければならない。
第十四条の見出し中「家畜人工授精用精液」の下に「及び家畜受精卵」を加え、同条第一項中「前条第二項の封かん」を「前条第三項の封」に、「精液証明書」を「家畜人工授精用精液証明書」に改め、同項ただし書を次のように改める。
一 本邦以外の地域から輸入された家畜人工授精用精液であつて、外国の政府機関その他省令で定める者により発行され、かつ、次に掲げる事項を確かめ、又は信ずる旨を記載した証明書が添付されているものを譲り渡し、又は雌の家畜に注入する場合
イ 牛、馬その他政令で定める家畜に係る家畜人工授精用精液にあつては、当該家畜人工授精用精液の採取の用に供した雄の家畜が、省令で定める遺伝性疾患及び繁殖機能の障害を有しておらず、かつ、第四条第三項の等級のいずれに属するものであるかが明らかであること。
ロ 外国の法令により獣医師又は家畜人工授精師に相当する資格を有する者その他省令で定める者が採取し、省令で定める方法により、検査し、容器に収め、かつ、封を施した家畜人工授精用精液であること。
ハ 家畜人工授精を的確に、かつ、衛生的に実施することができると認められる施設において採取され、及び処理された家畜人工授精用精液であること。
第十四条第二項中「家畜人工授精用精液」の下に「又は家畜受精卵」を加え、「注入して」を「注入し、若しくは移植して」に、「但し、第十一条但書」を「ただし、第十一条ただし書及び第十一条の二第二項ただし書」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 前条第三項の封がなく、又は家畜受精卵証明書が添付されていない家畜受精卵は、これを譲り渡し、又は雌の家畜に移植してはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 本邦以外の地域から輸入された家畜受精卵であつて、外国の政府機関その他省令で定める者により発行され、かつ、次に掲げる事項を確かめ、又は信ずる旨を記載した証明書が添付されているものを譲り渡し、又は雌の家畜に移植する場合
イ 当該家畜受精卵の採取の用に供した雌の家畜が省令で定める遺伝性疾患を有しないものであること。
ロ 当該家畜受精卵を採取するために種付けの用に供した雄の家畜(家畜人工授精用精液を注入した場合にあつては、当該家畜人工授精用精液の採取の用に供した雄の家畜)が前項第一号イの要件に該当するものであること。
ハ 外国の法令により獣医師に相当する資格を有する者その他省令で定める者が採取し、省令で定める方法により、検査し、容器に収め、かつ、封を施した家畜受精卵であること。
ニ 家畜受精卵移植を的確に、かつ、衛生的に実施することができると認められる施設において処理された家畜受精卵であること。
二 第十一条の二第二項ただし書又は前条第三項ただし書の場合
第十五条第一項を次のように改める。
獣医師又は家畜人工授精師は、家畜人工授精又は家畜受精卵移植を行つたときは、遅滞なく、家畜人工授精又は家畜受精卵移植に関する事項を家畜人工授精簿に記載しなければならない。
第十五条第二項中「家畜人工授精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に改める。
第十六条第二項を次のように改める。
2 家畜人工授精師の免許は、農林水産大臣の指定する者又は都道府県知事が家畜の種類別に行う家畜人工授精に関する講習会又は家畜人工授精及び家畜受精卵移植に関する講習会の課程を修了してその修業試験に合格した者でなければ、与えない。
第十六条第三項中「前項第二号に該当して」を削り、「同項」を「前項」に、「業務」を「当該免許に係る家畜人工授精の業務又は家畜人工授精及び家畜受精卵移植の業務」に改める。
第十七条第二項中「左の」を「次の」に改め、同項第三号中「(昭和二十四年法律第百八十六号)」を削り、「基く」を「基づく」に改め、同項第四号中「基く」を「基づく」に改める。
第二十二条第一項中「家畜人工授精を」を「家畜人工授精又は家畜受精卵移植を」に、「且つ、家畜人工授精」を「かつ、家畜人工授精又は家畜受精卵移植」に、「呈示しなければ」を「提示しなければ」に改め、同条第二項中「家畜人工受精師」を「獣医師又は家畜人工授精師」に改め、「注入」の下に「若しくは家畜受精卵の移植」を、「授精証明書」の下に「若しくは移植証明書」を加え、「証明書を」を「証明書の交付を」に改める。
第二十五条第一項中「家畜人工授精を適確に、且つ」を「家畜人工授精又は家畜受精卵移植を的確に、かつ」に改める。
第二十八条中「みずから家畜人工授精師」を「自ら獣医師又は家畜人工授精師(家畜受精卵の処理を行う家畜人工授精所にあつては、獣医師。以下この条において同じ。)」に、「の外」を「のほか」に、「家畜人工授精師を」を「獣医師又は家畜人工授精師を」に改める。
第三十一条中「その他家畜人工授精」の下に「又は家畜受精卵移植」を加える。
第三十二条中「の外、第十三条第二項」を「のほか、第十三条第三項」に、「、同条第四項の精液採取に関する証明書」を「及び家畜受精卵証明書、同条第六項の精液採取に関する証明書及び受精卵採取に関する証明書」に改め、「授精証明書」の下に「、移植証明書」を加え、「第十六条第二項第二号」を「第十六条第二項」に改める。
第三十四条第二項中「家畜人工授精師」を「獣医師若しくは家畜人工授精師」に、「その他」を「、家畜受精卵移植その他」に改める。
第三十五条第一項中「その他家畜人工授精」の下に「若しくは家畜受精卵移植」を、「精液」の下に「若しくは家畜受精卵」を加える。
第三十六条第一項を次のように改める。
次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。ただし、国又は都道府県については、この限りでない。
一 第十条の規定による種畜証明書の書換交付又は再交付の申請をする者
四 第三十二条の規定による家畜人工授精師免許証の書換交付又は再交付の申請をする者
第三十八条中「左の」を「次の」に、「五万円」を「五十万円」に改め、同条第一号中「又は第十一条」を「、第九条の二、第九条の三、第十一条又は第十一条の二」に改め、同条第二号中「基いて」を「基づいて」に改め、同条第三号中「行なつた」を「行つた」に改める。
第三十九条中「、第十三条第二項、第十四条第一項若しくは第二項」を「、第十三条第三項、第十四条第一項、第二項若しくは第三項」に、「三万円」を「三十万円」に改める。
第四十条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「第十三条第四項」を「第十三条第六項」に改め、同条第四号中「第十三条第三項」を「第十三条第五項」に改める。