行政書士法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第2号
公布年月日: 昭和58年1月10日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

行政書士の業務は、行政分野の多様化・高度化に伴い量的・質的に拡大してきた。昭和55年の法改正では、書類提出手続の代行業務や相談業務の追加、社会保険労務士との業務調整等が行われた。その後の施行状況を踏まえ、行政書士業務のより適正な運営のため、行政書士となる資格要件の引き上げ、試験制度の改善、行政書士会登録即入会制への移行等について、法改正を行う必要が生じている。これらの課題に対応するため、本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第96回国会 衆議院 地方行政委員会 第18号

審議経過

第96回国会

衆議院
(昭和57年8月17日)
(昭和57年8月18日)
参議院
(昭和57年8月19日)

第97回国会

衆議院
(昭和57年12月25日)
(昭和57年12月25日)
参議院
(昭和57年12月25日)
(昭和57年12月25日)
(昭和58年1月21日)
行政書士法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十八年一月十日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第二号
行政書士法の一部を改正する法律
行政書士法(昭和二十六年法律第四号)の一部を次のように改正する。
第二条を次のように改める。
(資格)
第二条 次の各号の一に該当する者は、行政書士となる資格を有する。
一 行政書士試験に合格した者
二 弁護士となる資格を有する者
三 弁理士となる資格を有する者
四 公認会計士となる資格を有する者
五 税理士となる資格を有する者
六 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間がこれを通算して二十年以上(次条第一号に該当する者にあつては十七年以上)になる者
第四条を次のように改める。
(行政書士試験)
第四条 行政書士試験は、自治大臣が、毎年一回以上行う。
2 行政書士試験は、行政書士の業務に関し必要な知識及び能力について行う。
3 自治大臣は、行政書士試験の施行に関する事務を都道府県知事に委任するものとする。
4 行政書士試験を受けようとする者は、政令で定めるところにより、試験手数料を当該都道府県に納めなければならない。
5 前四項に規定するもののほか、試験の科目、受験手続その他行政書士試験に関し必要な事項は、都道府県規則で定める。
第六条第一項中「その資格を有する」を「その事務所を設けようとする」に改め、同条第五項を削る。
第六条の四中「第六条第一項」の下に「(次条第三項において準用する場合を含む。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(登録の移転)
第六条の五 行政書士は、他の都道府県の区域内に事務所を移転しようとするときは、当該都道府県の区域内に設立された行政書士会に対し、登録の移転の申請をしなければならない。
2 行政書士会は、前項の規定による登録の移転の申請を受け、行政書士名簿に登録したときは、自治省令で定めるところにより、当該申請者が従前登録を受けていた行政書士会に通知しなければならない。
3 第六条第一項及び第三項並びに第六条の三第二項及び第三項の規定は、前項の規定による登録について準用する。
第七条の見出し中「抹消」を「抹消」に改め、同条第一項中、「左の」を「次の」に、「抹消」を「抹消」に改め、同項第二号を次のように改める。
二 他の行政書士会において前条第二項の規定による登録を受けたとき。
第十六条の五を次のように改める。
(入会及び退会)
第十六条の五 行政書士は、第六条の二第二項又は第六条の五第二項の規定による登録を受けた時に、当然、当該登録を受けた行政書士会の会員となる。
2 行政書士は、第七条第一項各号の一に該当するに至つたとき又は同条第二項の規定により登録を抹消されたときは、その時に、当然、その所属する行政書士会を退会する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和五十八年四月一日から施行する。
(経過措置)
2 この法律施行の際現に行政書士である者及びこの法律による改正前の行政書士法第四条の規定による行政書士試験に合格した者は、この法律による改正後の行政書士法(以下「新法」という。)第二条の規定による行政書士となる資格を有するものとみなす。
3 行政書士でこの法律の施行の日において行政書士会の会員でないものは、同日から起算して六月を経過する日までに登録を受けた行政書士会に入会届を提出して当該行政書士会の会員となることができるものとし、当該六月を経過する日までに当該行政書士会の会員とならなかつたときは、その翌日において新法第七条第一項第三号に該当することとなつたものとみなして、同項の規定を適用する。
自治大臣 山本幸雄
内閣総理大臣 中曽根康弘