(目的)
第一条 この法律は、すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのつとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域(以下「対象地域」という。)について生活環境の改善、産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化、社会福祉の増進等に関する政令で定める事業(以下「地域改善対策事業」という。)の円滑な実施を図るために必要な特別の措置を講ずることにより、対象地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等に寄与することを目的とする。
(地域改善対策事業の推進等)
第二条 国及び地方公共団体は、前条の目的を達成するため、協力して、地域改善対策事業を迅速かつ総合的に推進するように努めなければならない。
2 国及び地方公共団体は、地域改善対策事業を実施するに当たつては、対象地域とその周辺地域との一体性の確保を図り、公正な運営に努めなければならない。
3 国民は、地域改善対策事業の本旨を理解して、相互に基本的人権を尊重するとともに、地域改善対策事業の円滑な実施に協力するように努めなければならない。
(特別の助成)
第三条 地域改善対策事業でこれに要する経費について国が負担し、又は補助するものに対するその負担又は補助については、政令で特別の定めをする場合を除き、予算の範囲内で、三分の二の割合をもつて算定するものとする。
2 前項の場合において、法律の規定で国の負担又は補助の割合として三分の二を下る割合を定めているもののうち政令で定めるものについては、政令でこれを三分の二とするものとする。
(地方債)
第四条 地域改善対策事業につき地方公共団体が必要とする経費については、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条第一項各号に規定する経費に該当しないものについても、地方債をもつてその財源とすることができる。
2 地域改善対策事業につき地方公共団体が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債は、資金事情の許す限り、国が資金運用部資金又は簡易生命保険及郵便年金特別会計の積立金をもつてその全額を引き受けるものとする。
(元利償還金の基準財政需要額への算入)
第五条 地域改善対策事業につき地方公共団体が必要とする経費の財源に充てるため起こした地方債で自治大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより、当該地方公共団体に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。