国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第91号
公布年月日: 昭和56年11月20日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

国家公務員等の退職手当について、民間における退職金の実情を踏まえ是正する必要があることから、所要の改正を行うものである。具体的には、20年以上35年以下の期間勤続して勧奨等により退職した場合の退職手当について、法第3条から第5条までの規定により計算した額に乗じる割合を、現行の120%から110%に引き下げる。また、退職手当の支給基準については、民間の退職金支給状況や公務員制度の運用状況等を勘案して総合的に再検討を行い、必要な場合は昭和60年度までに所要の措置を講ずることとする。

参照した発言:
第93回国会 衆議院 内閣委員会 第12号

審議経過

第93回国会

衆議院
(昭和55年11月27日)

第94回国会

衆議院
(昭和56年4月16日)
(昭和56年4月23日)
(昭和56年5月12日)
(昭和56年5月14日)
(昭和56年5月21日)
(昭和56年5月22日)
参議院
(昭和56年5月25日)
(昭和56年5月26日)

第95回国会

参議院
(昭和56年10月20日)
(昭和56年10月22日)
(昭和56年10月27日)
(昭和56年10月29日)
(昭和56年10月30日)
(昭和56年10月30日)
衆議院
(昭和56年11月12日)
(昭和56年11月13日)
参議院
(昭和57年2月5日)
国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十六年十一月二十日
内閣総理大臣 鈴木善幸
法律第九十一号
国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律
(国家公務員等退職手当法の一部改正)
第一条 国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
附則第十項中「三十号」の下に「。以下「法律第三十号」という。」を加える。
附則に次の四項を加える。
13 職員のうち、国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第九十一号)第一条の規定の施行の日(以下「五十六年法第一条施行日」という。)前に任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて旧プラント類輸出促進臨時措置法(昭和三十四年法律第五十八号)第十六条第二項に規定する指定機関(指定機関であつた期間の前後の内閣総理大臣が定める期間における当該指定機関とされた法人を含む。)に使用される者(役員及び常時勤務に服することを要しない者を除く。以下「指定機関職員」という。)となるため退職をし、かつ、引き続き指定機関職員として在職した後引き続いて再び職員となつた者(引き続き指定機関職員として在職した後引き続いて公庫等職員として在職し、その後引き続いて再び職員となつた者を含む。)の第七条第一項の規定による在職期間の計算については、指定機関職員となる前の職員としての在職期間の始期から後の職員としての在職期間の終期までの期間は、職員としての引き続いた在職期間とみなす。
14 職員のうち、五十六年法第一条施行日前に任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて地方公共団体(五十六年法第一条施行日前における地方公共団体の退職手当に関する規定に、職員としての勤続期間を当該地方公共団体における地方公務員としての勤続期間に通算する旨の規定(以下「通算規定」という。)がない地方公共団体に限る。)の地方公務員となるため退職をし、かつ、引き続き当該地方公共団体の地方公務員として在職した後引き続いて再び職員となつた者の第七条第一項の規定による在職期間の計算については、五十六年法第一条施行日における当該地方公共団体の退職手当に関する規定に通算規定がある場合に限り、同条第五項の規定にかかわらず、当該地方公共団体の地方公務員となる前の職員としての在職期間の始期から後の職員としての在職期間の終期までの期間は、職員としての引き続いた在職期間とみなす。
15 前二項に規定する者が退職した場合におけるその者に対する第三条から第五条までの規定による退職手当の額は、法律第三十号附則第十二項の規定の例により計算した額とする。
16 附則第十四項に規定する者のうち、昭和四十七年十二月一日に地方公務員であつた者は、法律第三十号附則第五項に規定する適用日に在職する職員とみなす。
(国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部改正)
第二条 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第三十号)の一部を次のように改正する。
附則第五項中「百分の百二十」を「百分の百十」に改める。
附則第六項中「をこえ四十二年」を「を超え三十八年」に改める。
附則に次の一項を加える。
(再検討)
18 職員が退職した場合に支給する退職手当の基準については、今後の民間事業における退職金の支給の実情、公務員に関する制度及びその運用の状況その他の事情を勘案して総合的に再検討を行い、その結果必要があると認められる場合には、昭和六十年度までに所要の措置を講ずるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律中第一条並びに次項及び附則第四項から第七項までの規定は公布の日から、第二条及び附則第三項の規定は昭和五十七年一月一日から施行する。
(適用日等)
2 第一条の規定による改正後の国家公務員等退職手当法(以下「改正後の法」という。)附則第十三項から第十六項までの規定は、昭和四十七年十二月一日以後の退職に係る退職手当について適用し、同日前の退職に係る退職手当については、なお従前の例による。
(経過措置)
3 第二条の規定による改正後の国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律附則第五項(同法附則第六項又は第七項において例による場合を含む。)及び同法附則第六項の規定の適用については、昭和五十七年一月一日から同年十二月三十一日までの間においては同法附則第五項中「百分の百十」とあるのは「百分の百十七」と、同法附則第六項中「三十八年」とあるのは「四十年」とし、昭和五十八年一月一日から同年十二月三十一日までの間においては同法附則第五項中「百分の百十」とあるのは「百分の百十三」と、同法附則第六項中「三十八年」とあるのは「三十九年」とする。
4 昭和四十七年十二月一日から第一条の規定の施行の日の前日までの期間(以下「適用期間」という。)内に退職した者につき、改正後の法附則第十三項から第十六項までの規定を適用してその退職手当の額を計算する場合においては、勤続期間に関する事項のうちこれらの項に規定するものを除き、当該退職手当の額の計算の基礎となる俸給月額その他当該退職手当の計算の基礎となる事項については、当該退職の日においてその者について適用されていた退職手当の支給に関する法令(以下「退職時の法令」という。)の規定によるものとする。
5 適用期間内に退職した者で改正後の法附則第十三項から第十六項までの規定の適用を受けるもの(そのものの退職が死亡による場合には、当該退職に係る退職手当の支給を受けたその遺族)が適用期間内に死亡した場合においては、当該退職に係る改正後の法及び前項の規定による退職手当は、当該退職した者の遺族(当該退職した者の退職が死亡による場合には、その者の他の遺族)で適用期間内に死亡したもの以外のものに対し、その請求により、支給する。
6 改正後の法第十一条の規定は、前項に規定する遺族の範囲及び順位について準用する。この場合において、同条第一項中「職員」とあるのは、「職員又は職員であつた者」と読み替えるものとする。
7 適用期間内に退職した者で改正後の法附則第十三項から第十六項までの規定の適用を受けるものに退職時の法令の規定に基づいて第一条の規定の施行前に既に支給された退職手当(そのものの退職が死亡による場合には、その遺族に退職時の法令の規定に基づいて第一条の規定の施行前に既に支給された退職手当)は、改正後の法及び附則第四項の規定による退職手当(前二項に規定する遺族に支給すべき改正後の法及び附則第四項の規定による退職手当を含む。)の内払とみなす。
内閣総理大臣 鈴木善幸
大蔵大臣 渡辺美智雄