臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第105号
公布年月日: 昭和55年12月6日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

医療機関から委託を受けて検査業務を行う衛生検査所における検査業務の適正な実施を確保するため、衛生検査所に対する規制を強化する必要がある。具体的には、衛生検査所に対し、一定の構造設備や管理組織等を備えた上で都道府県知事の登録を義務付け、業務内容の変更時にも登録の変更を求める。また、都道府県知事による立入検査、指示、登録取消し等の監督権限を強化する。法律は公布から3ヶ月後に施行し、現存の未登録衛生検査所には6ヶ月の猶予期間を設ける。

参照した発言:
第93回国会 衆議院 社会労働委員会 第7号

審議経過

第93回国会

衆議院
(昭和55年11月7日)
(昭和55年11月11日)
参議院
(昭和55年11月13日)
(昭和55年11月27日)
(昭和55年11月28日)
臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十五年十二月六日
内閣総理大臣 鈴木善幸
法律第百五号
臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律
臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四章 雑則(第十八条―第二十条の三)」を
第四章
業務(第十八条―第二十条の二)
第四章の二
衛生検査所(第二十条の三―第二十条の九)
に、「(第二十一条、第二十二条)」を「(第二十条の十―第二十二条)」に改める。
第四章の章名中「雑則」を「業務」に改める。
第二十条の二の次に次の章名を加える。
第四章の二 衛生検査所
第二十条の三を次のように改める。
(登録)
第二十条の三 衛生検査所(人体から排出され、又は採取された検体について第二条第二項に規定する検査を業として行う場所(病院、診療所又は厚生大臣が定める施設内の場所を除く。)をいう。以下同じ。)を開設しようとする者は、その衛生検査所について、省令の定めるところにより、その衛生検査所の所在地の都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 都道府県知事は、前項の登録(以下「登録」という。)の申請があつた場合において、その申請に係る衛生検査所の構造設備、管理組織その他の事項が第二条第二項に規定する検査の業務(以下「検査業務」という。)を適正に行うために必要な省令で定める基準に適合しないと認めるとき、又はその申請者が第二十条の七の規定により登録を取り消され、取消しの日から二年を経過していないものであるときは、登録をしてはならない。
3 登録は、次の各号に掲げる事項について行うものとする。
一 申請者の氏名及び住所(法人にあつては、その名称及び主たる事務所の所在地)
二 衛生検査所の名称及び所在地
三 検査業務の内容
第二十条の三の次に次の六条を加える。
(登録の変更等)
第二十条の四 登録を受けた衛生検査所の開設者は、その衛生検査所について、前条第三項第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、その衛生検査所の所在地の都道府県知事の登録の変更を受けなければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の登録の変更について準用する。
3 登録を受けた衛生検査所の開設者は、その衛生検査所を廃止し、休止し、若しくは休止した衛生検査所を再開したとき、又は前条第三項第一号に掲げる事項若しくは衛生検査所の名称、構造設備、管理組織その他省令で定める事項を変更したときは、三十日以内に、その衛生検査所の所在地の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
(報告及び検査)
第二十条の五 都道府県知事は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録を受けた衛生検査所の開設者に対し、必要な報告を命じ、又はその職員に、その衛生検査所に立ち入り、その構造設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第一項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(指示)
第二十条の六 都道府県知事は、登録を受けた衛生検査所の検査業務が適正に行われていないため医療及び公衆衛生の向上を阻害すると認めるときは、その開設者に対し、その構造設備又は管理組織の変更その他必要な指示をすることができる。
(登録の取消し等)
第二十条の七 都道府県知事は、登録を受けた衛生検査所の構造設備、管理組織その他の事項が第二十条の三第二項の省令で定める基準に適合しなくなつたとき、又は登録を受けた衛生検査所の開設者が第二十条の四第一項の規定による登録の変更を受けないときは、その衛生検査所の登録を取り消し、又は期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
(聴聞)
第二十条の八 第九条の規定は、都道府県知事が前条の規定による処分を行う場合に準用する。この場合において、「厚生大臣」とあるのは、「都道府県知事」と読み替えるものとする。
(省令への委任)
第二十条の九 この章に規定するもののほか、衛生検査所の登録に関して必要な事項は、省令で定める。
第五章中第二十一条の前に次の一条を加える。
第二十条の十 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第二十条の三第一項の規定に違反した者
二 第二十条の四第一項の規定に違反した者
三 第二十条の七の規定による業務の停止命令に違反した者
第二十一条第一項中「一万円」を「十万円」に改め、同条第一項第四号の次に次の二号を加える。
五 第二十条の四第三項の規定に違反した者
六 第二十条の五第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第二十二条を次のように改める。
第二十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十条の十又は前条第一項第五号若しくは第六号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(以下「旧法」という。)第二十条の三第一項の規定による登録を受けている衛生検査所は、この法律による改正後の臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律(以下「新法」という。)第二十条の三第一項の規定による登録を受けたものとみなす。
第三条 この法律の施行の際現に検査業務を行つている衛生検査所であつて、旧法第二十条の三第一項の規定による登録を受けていないものについては、新法第二十条の三第一項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第四条 旧法の規定又はこれに基づく命令の規定によつてした処分及び手続は、それぞれ、新法又はこれに基づく命令の相当規定によつてしたものとみなす。
第五条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
厚生大臣 園田直
内閣総理大臣 鈴木善幸