中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第81号
公布年月日: 昭和55年6月10日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

中小企業倒産防止共済制度は、取引先企業の倒産により売掛金等の回収が困難となった共済契約者に対し、積立掛金の10倍を上限として共済金を貸し付ける制度として昭和53年に発足した。近年、倒産件数が高水準で推移するなど中小企業の経営環境は厳しく、制度の改善による共済契約者の利便性向上と利用者増加を通じて、連鎖倒産防止を積極的に図る必要がある。このため、共済金の貸付限度額を1,200万円から2,100万円に引き上げ、掛金総額の上限を120万円から210万円に、掛金月額の上限を2万円から5万円に引き上げる。また、共済収支に余裕がある場合、共済金完済者への完済手当金支給を可能とする。

参照した発言:
第91回国会 衆議院 商工委員会 第18号

審議経過

第91回国会

参議院
(昭和55年3月25日)
衆議院
(昭和55年4月23日)
(昭和55年5月6日)
(昭和55年5月7日)
(昭和55年5月9日)
参議院
(昭和55年5月13日)
(昭和55年5月14日)
中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十五年六月十日
内閣総理大臣 大平正芳
法律第八十一号
中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律
中小企業倒産防止共済法(昭和五十二年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第三項第二号中「解約手当金」の下に「若しくは完済手当金」を加える。
第四条第二項中「又は二万円」を「、二万円、二万五千円、三万円、三万五千円、四万円、四万五千円又は五万円」に改める。
第七条第二項第二号中「解約手当金」の下に「若しくは完済手当金」を加える。
第十一条第五項中「若しくは解約手当金」を「、解約手当金若しくは完済手当金」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(完済手当金)
第十一条の二 中小企業倒産防止共済事業の収支の状況並びにその収入及び支出の見通しからみて、その収支が将来にわたつて均衡を保つに足り、なお余裕財源が生じていると認められる場合には、事業団は、通商産業省令で定めるところにより、貸付けを受けた共済金の全額をその償還期日までに償還した共済契約者に、第三項に規定する額の完済手当金を支給することができる。
2 前項の余裕財源が生じているかどうか及びその余裕財源の額は、通商産業省令で定めるところにより計算しなければならない。
3 完済手当金の額は、償還された共済金の額の十分の一に相当する額に、第一項の余裕財源の額並びに共済契約者のうち共済金の貸付けを受けるものの割合及びその共済金のうち償還期日までに償還されるものの割合の予想等を基礎として政令で定める割合を乗じて得た額とする。
4 前条第五項の規定は、完済手当金を支給すべき場合に準用する。
第十二条第三項中「二万円」を「五万円」に改め、同条第四項中「前条第四項」を「第十一条第四項」に、「百二十万円」を「二百十万円」に改める。
第十三条の見出しを「(共済金等の返還)」に改め、同条中「の支給」を「若しくは完済手当金の支給」に、「又は解約手当金を」を「、解約手当金又は完済手当金を」に改める。
第十四条第三項中「百二十万円」を「二百十万円」に改め、同条第四項中「六十倍」を「四十二倍」に改める。
第十八条中「解約手当金」の下に「又は完済手当金」を加える。
第十九条中「解約手当金」の下に「若しくは完済手当金」を加える。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(小規模企業共済等に関する法律の一部改正)
2 小規模企業共済等に関する法律(昭和四十年法律第百二号)の一部を次のように改正する。
第四十三条第一項第四号中「及び解約手当金」を「並びに解約手当金及び完済手当金」に改める。
(中小企業事業団法の一部改正)
3 中小企業事業団法(昭和五十五年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第二十二条第一項第五号中「及び解約手当金」を「並びに解約手当金及び完済手当金」に改める。
附則第二十四条のうち中小企業倒産防止共済法第二十一条を同法第二十二条とし、同法第十八条から第二十条までを一条ずつ繰り下げ、同法第十七条の次に一条を加える改正規定中「の支給」を「又は完済手当金の支給」に改め、「者は、」の下に「解約手当金にあつては」を、「残額)」の下に「、完済手当金にあつては第十一条の二第三項に定める完済手当金の額(事業団が当該完済手当金の額から同条第四項において準用する第十一条第五項の規定によりその額を控除することができる金銭があるときは、当該完済手当金の額からその金銭の額を控除した残額)」を加える。
通商産業大臣 佐々木義武
内閣総理大臣 大平正芳