(保険契約)
第十条の二 政府は、輸出保証保険を引き受けることができる。
2 輸出保証保険は、外国為替公認銀行その他政令で定める者(以下「外国為替公認銀行等」という。)が、入札をする者、輸出者又は技術提供者(以下「入札者等」という。)の委託に基づき政令で定める貨物の輸出又は外国における技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供であつて政令で定めるものに関してこれらの者のためにした輸出保証について、次の各号の一に該当する場合において、保険契約の締結後に当該輸出保証の相手方から保証債務の履行の請求を受け、保証の条件に従いこれを履行したことにより受ける損失をてん補する輸出保険とする。
一 主たる債務者たる入札者等が入札又は輸出契約若しくは技術提供契約に基づく債務であつて第一条の二第九項第一号又は第二号に掲げる保証の対象とされるもの(以下「保証対象債務」という。)をその本旨に従つて履行したとき。
二 主たる債務者たる入札者等が保証対象債務をその本旨に従つて履行せず、又は履行することができなかつた場合において、それが第三条各号に掲げる事由その他の当該入札者等の責めに帰することができない事由のうち、当該入札者等が債務不履行の責任を負わないものとして当事者が定めたものによるものであるとき。
(保険価額)
第十条の三 輸出保証保険においては、輸出保証の保証金額を保険価額とする。
2 輸出保証保険の保険金額が保険価額に百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
(保険金)
第十条の四 輸出保証保険において政府がてん補すべき額は、保険価額のうち第十条の二第二項各号の一に該当する場合において外国為替公認銀行等が輸出保証の相手方から請求を受けて保証の条件に従い支払つた金額(当該輸出保証が第一条の二第九項第一号又は第二号の保証である場合において、違約金その他これに類する金銭の支払に代えて主たる債務の全部又は一部を主たる債務者に代わつて履行し、又は第三者に履行させたときは、そのために要した費用の額と違約金その他これに類する金銭の額とのいずれか少ない金額)から輸出保証の相手方から回収した金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
(権利の行使)
第十条の五 保険金の支払を受けた外国為替公認銀行等は、輸出保証の保証債務の履行により取得した財産上の権利であつて、輸出保証の相手方に対して有するものの行使に努めなければならない。
2 保険金の支払を受けた外国為替公認銀行等は、支払を受けた保険金の額に相当する金額について、主たる債務者たる入札者等に対する求償権又は第一条の二第九項第三号に掲げる保証を受けている場合における当該入札者等の賠償債務について保証した者に対する保証に係る金銭の支払請求権を行使してはならない。
(回収金の納付)
第十条の六 保険金の支払を受けた外国為替公認銀行等は、その支払の請求をした後前条第一項に規定する権利を行使して回収した金額から輸出保証の保証の条件に従い保証債務を履行した日以後保険金の支払を受けた日の前日までの利息を控除した残額に支払を受けた保険金の額の第十条の四に規定する残額に対する割合を乗じて得た金額を政府に納付しなければならない。