(総量規制基準)
第五条の二 都道府県知事は、工場又は事業場が集合している地域で、第三条第一項若しくは第三項又は第四条第一項の排出基準のみによつては公害対策基本法(昭和四十二年法律第百三十二号)第九条第一項の規定による大気の汚染に係る環境上の条件についての基準(次条第一項第三号において「大気環境基準」という。)の確保が困難であると認められる地域としていおう酸化物その他の政令で定めるばい煙(以下「指定ばい煙」という。)ごとに政令で定める地域(以下「指定地域」という。)にあつては、当該指定地域において当該指定ばい煙を排出する工場又は事業場で総理府令で定める基準に従い都道府県知事が定める規模以上のもの(以下「特定工場等」という。)において発生する当該指定ばい煙について、指定ばい煙総量削減計画を作成し、これに基づき、総理府令で定めるところにより、総量規制基準を定めなければならない。
2 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該指定地域を二以上の区域に区分し、それらの区域ごとに前項の総量規制基準を定めることができる。
3 都道府県知事は、新たにばい煙発生施設が設置された特定工場等(工場又は事業場で、ばい煙発生施設の設置又は構造等の変更により新たに特定工場等となつたものを含む。)及び新たに設置された特定工場等について、第一項の指定ばい煙総量削減計画に基づき、総理府令で定めるところにより、それぞれ同項の総量規制基準に代えて適用すべき特別の総量規制基準を定めることができる。
4 第一項又は前項の総量規制基準は、特定工場等につき当該特定工場等に設置されているすべてのばい煙発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される当該指定ばい煙の合計量について定める許容限度とする。
5 都道府県知事は、第一項の政令で定める地域の要件に該当すると認められる一定の地域があるときは、同項の地域を定める政令の立案について、内閣総理大臣に対し、その旨の申出をすることができる。
6 内閣総理大臣は、第一項の地域を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。
7 都道府県知事は、第一項又は第三項の総量規制基準を定めるときは、公示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、同様とする。
(指定ばい煙総量削減計画)
第五条の三 前条第一項の指定ばい煙総量削減計画は、当該指定地域について、第一号に掲げる総量を第三号に掲げる総量までに削減させることを目途として、第一号に掲げる総量に占める第二号に掲げる総量の割合、工場又は事業場の規模、工場又は事業場における使用原料又は燃料の見通し、特定工場等以外の指定ばい煙の発生源における指定ばい煙の排出状況の推移等を勘案し、政令で定めるところにより、第四号及び第五号に掲げる事項を定めるものとする。この場合において、当該指定地域における大気の汚染及び工場又は事業場の分布の状況により計画の達成上当該指定地域を二以上の区域に区分する必要があるときは、第一号から第三号までに掲げる総量は、区分される区域ごとのそれぞれの当該指定ばい煙の総量とする。
一 当該指定地域における事業活動その他の人の活動に伴つて発生し、大気中に排出される当該指定ばい煙の総量
二 当該指定地域におけるすべての特定工場等に設置されているばい煙発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される当該指定ばい煙の総量
三 当該指定地域における事業活動その他の人の活動に伴つて発生し、大気中に排出される当該指定ばい煙について、大気環境基準に照らし総理府令で定めるところにより算定される総量
四 第二号の総量についての削減目標量(中間目標としての削減目標量を定める場合にあつては、その削減目標量を含む。)
2 都道府県知事は、前条第一項の指定ばい煙総量削減計画を定めようとするときは、都道府県公害対策審議会及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
3 都道府県知事は、前条第一項の指定ばい煙総量削減計画を定めようとするときは、総理府令で定めるところにより、第一項各号に掲げる事項を環境庁長官に報告しなければならない。
4 環境庁長官は、前項の報告を受けたときは、当該計画の作成に関し必要な助言又は勧告をすることができる。
5 都道府県知事は、前条第一項の指定ばい煙総量削減計画を定めたときは、第一項各号に掲げる事項を公告しなければならない。
6 都道府県知事は、当該指定地域における大気の汚染の状況の変動等により必要が生じたときは、前条第一項の指定ばい煙総量削減計画を変更することができる。
7 第二項から第五項までの規定は、前項の規定による計画の変更について準用する。