消防法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十四号
公布年月日: 昭和49年6月1日
法令の形式: 法律
消防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年六月一日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第六十四号
消防法の一部を改正する法律
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「百貨店」の下に「(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。
消防長又は消防署長は、第一項の規定により同項の防火対象物について同項の防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務が法令の規定又は同項の消防計画に従つて行われていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、当該業務が当該法令の規定又は消防計画に従つて行われるように必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第八条の二第一項中「こえる」を「超える」に、「ものをいう。次条において同じ」を「ものをいう。以下同じ」に、「前条第一項に規定する」を「これらの防火対象物について、」に、「事項のうち」を「事項で」に改める。
第十一条第一項を次のように改める。
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。
一 消防本部及び消防署を置く市町村(次号及び第三号において「消防本部等所在市町村」という。)の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(配管によつて危険物の移送の取扱いを行うもので政令で定めるもの(以下「移送取扱所」という。)を除く。) 当該市町村長
二 消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(移送取扱所を除く。)当該区域を管轄する都道府県知事
三 一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所 当該市町村長
四 前号の移送取扱所以外の移送取扱所 当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事(二以上の都道府県の区域にわたつて設置されたものについては、自治大臣)
第十一条第二項中「又は都道府県知事」を「、都道府県知事又は自治大臣」に改め、同項の次に次の二項を加える。
自治大臣は、移送取扱所について第一項第四号の規定による許可をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。この場合においては、関係都道府県知事は、当該許可に関し、自治大臣に対し、意見を申し出ることができる。
関係市町村長は、移送取扱所についての第一項第四号の規定による許可に関し、当該都道府県知事又は自治大臣に対し、意見を申し出ることができる。
第十一条に次の一項を加える。
市町村長等は、政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所について第一項の規定による許可(同項後段の規定による許可で自治省令で定める軽易な事項に係るものを除く。)をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会又は海上保安庁長官に通報しなければならない。
第十一条の二に次の一項を加える。
前条第七項の規定は、同項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所につき前項の届出があつた場合について準用する。
第十二条の二第二号中「第十一条第三項」を「第十一条第五項」に改め、同条に次の一号を加える。
六 第十四条の三の規定に違反したとき。
第十二条の三を第十二条の六とし、第十二条の二の次に次の三条を加える。
第十二条の三 市町村長等は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、当該製造所、貯蔵所若しくは取扱所の使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
第十二条の四 関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事又は自治大臣(以下この条において「知事等」という。)の許可に係る移送取扱所の設置若しくは維持又は当該移送取扱所における危険物の取扱いに関し災害が発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。
知事等は、前項の要請があつたときは、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときは、第十一条の三、第十二条第二項又は前条の規定による措置その他必要な措置を講じなければならない。
知事等は、前項の措置を講じたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。
第十二条の五 政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について、あらかじめ、関係市町村長と協議しておかなければならない。
第十四条の二第一項中「予防するため、」の下に「自治省令で定める事項について」を加える。
第十四条の三を第十四条の四とし、第十四条の二の次に次の一条を加える。
第十四条の三 政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該移送取扱所について、自治省令で定める時期ごとに、市町村長等の行う保安に関する検査を受けなければならない。
第三章中第十六条の七を第十六条の九とする。
第十六条の六中「又は廃止」を「若しくは廃止」に、「あらたに」を「新たに」に、「又は消防本部」を「若しくは消防本部」に改め、「市町村の区域」の下に「又は市町村の廃置分合若しくは境界変更があつた場合における当該廃置分合若しくは境界変更に係る市町村の区域」を加え、「第十二条の二、第十二条の三」を「第十二条の二から第十二条の四まで、第十二条の六」に改め、「第十四条の二第一項及び第三項」の下に「、第十四条の三」を加え、同条を第十六条の七とし、同条の次に次の一条を加える。
第十六条の八 自治大臣は、政令で定めるところにより、この章に規定する権限の一部を都道府県知事又は市町村長に委任することができる。
第十六条の五を第十六条の六とし、第十六条の四を第十六条の五とする。
第十六条の三中「第十一条第三項ただし書」を「第十一条第五項ただし書」に、「又は危険物の取扱作業の保安に関する講習」を「、危険物の取扱作業の保安に関する講習又は移送取扱所の保安に関する検査」に改め、同条を第十六条の四とする。
第十六条の二の次に次の一条を加える。
第十六条の三 製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつたときは、直ちに、災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に通報しなければならない。
第十七条第一項中「飲食店」の下に「、地下街、複合用途防火対象物」を加える。
第十七条の二第二項中「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。
四 前三号に掲げるもののほか、前条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行又は適用の際、現に存する百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるものに限る。)その他同条第一項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(以下「特定防火対象物」という。)における消防用設備等又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等
第十七条の三第二項中「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。
四 前三号に掲げるもののほか、第十七条第一項の防火対象物の用途が変更され、その変更後の用途が特定防火対象物の用途である場合における当該特定防火対象物における消防用設備等
第十七条の三の次に次の二条を加える。
第十七条の三の二 第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者は、同項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合には、それぞれ第十七条の二第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。以下「設備等技術基準」という。)に従つて設置しなければならない消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、自治省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。
第十七条の三の三 第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等について、自治省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は自治大臣が認める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
第十七条の四中「同条同項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合にあつては、それぞれ第十七条の二第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。)」を「設備等技術基準」に「当該技術上の基準」を「当該設備等技術基準」に改める。
第十七条の五中「第十条第四項又は第十七条第一項の技術上の基準」を「第十条第四項の技術上の基準若しくは設備等技術基準」に改め、「(他人の求めに応じ、報酬を得て行なわれるものに限る。)」を削り、「行なつては」を「行つては」に改める。
第十七条の八の次に次の一条を加える。
第十七条の八の二 消防設備士は、自治省令で定めるところにより、都道府県知事が行う消防用設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならない。
第十七条の九中「消防設備士試験又は」を「消防設備士試験、」に改め、「再交付」の下に「又は消防用設備等の工事若しくは整備に関する講習」を加える。
第四十条第一項中「二十万円」を「三十万円」に改める。
第四十一条第一項及び第四十一条の二中「十万円」を「二十万円」に改める。
第四十二条第一項中「五万円」を「十万円」に改め、第一号を第一号の二とし、同号の前に次の一号を加える。
一 第八条第四項の規定による命令に違反した者
第四十二条第一項第二号中「第十一条第三項」を「第十一条第五項」に改め、同項第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第十二条の三の規定による命令又は処分に違反した者
第四十二条第一項第六号中「又は取り扱つた者」を「若しくは取り扱つた者又は同条第三項の規定による命令に違反した者」に改める。
第四十三条第一項中「二万円」を「五万円」に改める。
第四十三条の二中「三万円」を「五万円」に改める。
第四十四条中「一万円」を「三万円」に改め、同条第二号中「第十六条の四第一項」を「第十六条の五第一項」に改め、同条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第十四条の三又は第十七条の三の二の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第四十四条第五号中「第十六条の四第二項」を「第十六条の五第二項」に改め、同条第六号中「第十一条の二」を「第十一条の二第一項」に改め、「第十三条第二項」の下に「、第十七条の三の二」を加え、同条第七号の次に次の二号を加える。
七の二 故なく消防署、第十六条の三第二項の規定により市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に同条第一項の事態の発生について虚偽の通報をした者
七の三 第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第四十四条の二中「一万円」を「三万円」に改める。
第四十六条中「二万円」を「五万円」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に掲げる日から施行する。
一 第八条に一項を加える改正規定、第十七条第一項の改正規定、第十七条の五の改正規定(「(他人の求めに応じ、報酬を得て行なわれるものに限る。)」を削る部分に限る。)、第十七条の八の次に一条を加える改正規定及び第十七条の九の改正規定 昭和四十九年七月一日
二 第十七条の三の次に二条を加える改正規定 昭和五十年四月一日
三 第十七条の二第二項及び第十七条の三第二項の改正規定中百貨店、地下街及び複合用途防火対象物に係る消防用設備等に係る部分 昭和五十二年四月一日
四 第十七条の二第二項及び第十七条の三第二項の改正規定中前号に規定する防火対象物以外の防火対象物に係る消防用設備等に係る部分 昭和五十四年四月一日
2 改正前の消防法(以下「旧法」という。)の規定により、配管によつて危険物の移送の取扱いを行う取扱所のうち改正後の消防法(以下「新法」という。)第十一条第一項第四号に掲げる移送取扱所に該当するものについて市町村長がした許可その他の処分又は受理した届出は、新法の相当規定に基づいて都道府県知事又は自治大臣がした許可その他の処分又は受理した届出とみなす。
3 旧法第十四条の二第一項の規定による許可を受けた予防規程は、新法第十四条の二第一項の規定による認可を受けた予防規程とみなす。
4 昭和五十二年四月一日(新法第十七条の二第二項第四号に規定する特定防火対象物(以下この項において「特定防火対象物」という。)で百貨店、地下街及び複合用途防火対象物以外のものにあつては、昭和五十四年四月一日。以下「一部施行日」という。)において現に存する特定防火対象物又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等で、一部施行日の前日において旧法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定の適用を受けていたものについては、一部施行日以後、新法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定は、適用しない。
5 この法律の施行の日から昭和五十年三月三十一日までの間に限り、新法第十七条の四及び第十七条の五の規定の適用については、これらの規定中「設備等技術基準」とあるのは、「第十七条第一項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は第十七条の三第一項前段に規定する場合にあつては、それぞれ第十七条の二第一項後段又は第十七条の三第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。)」とする。
6 国及び地方公共団体は、附則第四項の規定により、一部施行日以後新法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定の適用を受けないこととなる消防用設備等に係る防火対象物の関係者が新法第十七条の規定による技術上の基準に適合させるために行う当該消防用設備等の設置に係る工事又は整備について、必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 田中角榮
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 齋藤邦吉
通商産業大臣 中曾根康弘
運輸大臣 徳永正利
建設大臣 亀岡高夫
自治大臣 町村金五
消防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年六月一日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第六十四号
消防法の一部を改正する法律
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項中「百貨店」の下に「(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。
消防長又は消防署長は、第一項の規定により同項の防火対象物について同項の防火管理者の行うべき防火管理上必要な業務が法令の規定又は同項の消防計画に従つて行われていないと認める場合には、同項の権原を有する者に対し、当該業務が当該法令の規定又は消防計画に従つて行われるように必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第八条の二第一項中「こえる」を「超える」に、「ものをいう。次条において同じ」を「ものをいう。以下同じ」に、「前条第一項に規定する」を「これらの防火対象物について、」に、「事項のうち」を「事項で」に改める。
第十一条第一項を次のように改める。
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。
一 消防本部及び消防署を置く市町村(次号及び第三号において「消防本部等所在市町村」という。)の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(配管によつて危険物の移送の取扱いを行うもので政令で定めるもの(以下「移送取扱所」という。)を除く。) 当該市町村長
二 消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(移送取扱所を除く。)当該区域を管轄する都道府県知事
三 一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所 当該市町村長
四 前号の移送取扱所以外の移送取扱所 当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事(二以上の都道府県の区域にわたつて設置されたものについては、自治大臣)
第十一条第二項中「又は都道府県知事」を「、都道府県知事又は自治大臣」に改め、同項の次に次の二項を加える。
自治大臣は、移送取扱所について第一項第四号の規定による許可をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。この場合においては、関係都道府県知事は、当該許可に関し、自治大臣に対し、意見を申し出ることができる。
関係市町村長は、移送取扱所についての第一項第四号の規定による許可に関し、当該都道府県知事又は自治大臣に対し、意見を申し出ることができる。
第十一条に次の一項を加える。
市町村長等は、政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所について第一項の規定による許可(同項後段の規定による許可で自治省令で定める軽易な事項に係るものを除く。)をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会又は海上保安庁長官に通報しなければならない。
第十一条の二に次の一項を加える。
前条第七項の規定は、同項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所につき前項の届出があつた場合について準用する。
第十二条の二第二号中「第十一条第三項」を「第十一条第五項」に改め、同条に次の一号を加える。
六 第十四条の三の規定に違反したとき。
第十二条の三を第十二条の六とし、第十二条の二の次に次の三条を加える。
第十二条の三 市町村長等は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、当該製造所、貯蔵所若しくは取扱所の使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。
第十二条の四 関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事又は自治大臣(以下この条において「知事等」という。)の許可に係る移送取扱所の設置若しくは維持又は当該移送取扱所における危険物の取扱いに関し災害が発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。
知事等は、前項の要請があつたときは、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときは、第十一条の三、第十二条第二項又は前条の規定による措置その他必要な措置を講じなければならない。
知事等は、前項の措置を講じたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。
第十二条の五 政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について、あらかじめ、関係市町村長と協議しておかなければならない。
第十四条の二第一項中「予防するため、」の下に「自治省令で定める事項について」を加える。
第十四条の三を第十四条の四とし、第十四条の二の次に次の一条を加える。
第十四条の三 政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該移送取扱所について、自治省令で定める時期ごとに、市町村長等の行う保安に関する検査を受けなければならない。
第三章中第十六条の七を第十六条の九とする。
第十六条の六中「又は廃止」を「若しくは廃止」に、「あらたに」を「新たに」に、「又は消防本部」を「若しくは消防本部」に改め、「市町村の区域」の下に「又は市町村の廃置分合若しくは境界変更があつた場合における当該廃置分合若しくは境界変更に係る市町村の区域」を加え、「第十二条の二、第十二条の三」を「第十二条の二から第十二条の四まで、第十二条の六」に改め、「第十四条の二第一項及び第三項」の下に「、第十四条の三」を加え、同条を第十六条の七とし、同条の次に次の一条を加える。
第十六条の八 自治大臣は、政令で定めるところにより、この章に規定する権限の一部を都道府県知事又は市町村長に委任することができる。
第十六条の五を第十六条の六とし、第十六条の四を第十六条の五とする。
第十六条の三中「第十一条第三項ただし書」を「第十一条第五項ただし書」に、「又は危険物の取扱作業の保安に関する講習」を「、危険物の取扱作業の保安に関する講習又は移送取扱所の保安に関する検査」に改め、同条を第十六条の四とする。
第十六条の二の次に次の一条を加える。
第十六条の三 製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつたときは、直ちに、災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に通報しなければならない。
第十七条第一項中「飲食店」の下に「、地下街、複合用途防火対象物」を加える。
第十七条の二第二項中「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。
四 前三号に掲げるもののほか、前条第一項の消防用設備等の技術上の基準に関する政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例の規定の施行又は適用の際、現に存する百貨店、旅館、病院、地下街、複合用途防火対象物(政令で定めるものに限る。)その他同条第一項の防火対象物で多数の者が出入するものとして政令で定めるもの(以下「特定防火対象物」という。)における消防用設備等又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等
第十七条の三第二項中「左の」を「次の」に改め、同項に次の一号を加える。
四 前三号に掲げるもののほか、第十七条第一項の防火対象物の用途が変更され、その変更後の用途が特定防火対象物の用途である場合における当該特定防火対象物における消防用設備等
第十七条の三の次に次の二条を加える。
第十七条の三の二 第十七条第一項の防火対象物のうち特定防火対象物その他の政令で定めるものの関係者は、同項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合には、それぞれ第十七条の二第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。以下「設備等技術基準」という。)に従つて設置しなければならない消防用設備等(政令で定めるものを除く。)を設置したときは、自治省令で定めるところにより、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならない。
第十七条の三の三 第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等について、自治省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は自治大臣が認める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
第十七条の四中「同条同項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は前条第一項前段に規定する場合にあつては、それぞれ第十七条の二第一項後段又は前条第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。)」を「設備等技術基準」に「当該技術上の基準」を「当該設備等技術基準」に改める。
第十七条の五中「第十条第四項又は第十七条第一項の技術上の基準」を「第十条第四項の技術上の基準若しくは設備等技術基準」に改め、「(他人の求めに応じ、報酬を得て行なわれるものに限る。)」を削り、「行なつては」を「行つては」に改める。
第十七条の八の次に次の一条を加える。
第十七条の八の二 消防設備士は、自治省令で定めるところにより、都道府県知事が行う消防用設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならない。
第十七条の九中「消防設備士試験又は」を「消防設備士試験、」に改め、「再交付」の下に「又は消防用設備等の工事若しくは整備に関する講習」を加える。
第四十条第一項中「二十万円」を「三十万円」に改める。
第四十一条第一項及び第四十一条の二中「十万円」を「二十万円」に改める。
第四十二条第一項中「五万円」を「十万円」に改め、第一号を第一号の二とし、同号の前に次の一号を加える。
一 第八条第四項の規定による命令に違反した者
第四十二条第一項第二号中「第十一条第三項」を「第十一条第五項」に改め、同項第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第十二条の三の規定による命令又は処分に違反した者
第四十二条第一項第六号中「又は取り扱つた者」を「若しくは取り扱つた者又は同条第三項の規定による命令に違反した者」に改める。
第四十三条第一項中「二万円」を「五万円」に改める。
第四十三条の二中「三万円」を「五万円」に改める。
第四十四条中「一万円」を「三万円」に改め、同条第二号中「第十六条の四第一項」を「第十六条の五第一項」に改め、同条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第十四条の三又は第十七条の三の二の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第四十四条第五号中「第十六条の四第二項」を「第十六条の五第二項」に改め、同条第六号中「第十一条の二」を「第十一条の二第一項」に改め、「第十三条第二項」の下に「、第十七条の三の二」を加え、同条第七号の次に次の二号を加える。
七の二 故なく消防署、第十六条の三第二項の規定により市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に同条第一項の事態の発生について虚偽の通報をした者
七の三 第十七条の三の三の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第四十四条の二中「一万円」を「三万円」に改める。
第四十六条中「二万円」を「五万円」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に掲げる日から施行する。
一 第八条に一項を加える改正規定、第十七条第一項の改正規定、第十七条の五の改正規定(「(他人の求めに応じ、報酬を得て行なわれるものに限る。)」を削る部分に限る。)、第十七条の八の次に一条を加える改正規定及び第十七条の九の改正規定 昭和四十九年七月一日
二 第十七条の三の次に二条を加える改正規定 昭和五十年四月一日
三 第十七条の二第二項及び第十七条の三第二項の改正規定中百貨店、地下街及び複合用途防火対象物に係る消防用設備等に係る部分 昭和五十二年四月一日
四 第十七条の二第二項及び第十七条の三第二項の改正規定中前号に規定する防火対象物以外の防火対象物に係る消防用設備等に係る部分 昭和五十四年四月一日
2 改正前の消防法(以下「旧法」という。)の規定により、配管によつて危険物の移送の取扱いを行う取扱所のうち改正後の消防法(以下「新法」という。)第十一条第一項第四号に掲げる移送取扱所に該当するものについて市町村長がした許可その他の処分又は受理した届出は、新法の相当規定に基づいて都道府県知事又は自治大臣がした許可その他の処分又は受理した届出とみなす。
3 旧法第十四条の二第一項の規定による許可を受けた予防規程は、新法第十四条の二第一項の規定による認可を受けた予防規程とみなす。
4 昭和五十二年四月一日(新法第十七条の二第二項第四号に規定する特定防火対象物(以下この項において「特定防火対象物」という。)で百貨店、地下街及び複合用途防火対象物以外のものにあつては、昭和五十四年四月一日。以下「一部施行日」という。)において現に存する特定防火対象物又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の特定防火対象物に係る消防用設備等で、一部施行日の前日において旧法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定の適用を受けていたものについては、一部施行日以後、新法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定は、適用しない。
5 この法律の施行の日から昭和五十年三月三十一日までの間に限り、新法第十七条の四及び第十七条の五の規定の適用については、これらの規定中「設備等技術基準」とあるのは、「第十七条第一項の政令若しくはこれに基づく命令又は同条第二項の規定に基づく条例で定める技術上の基準(第十七条の二第一項前段又は第十七条の三第一項前段に規定する場合にあつては、それぞれ第十七条の二第一項後段又は第十七条の三第一項後段の規定により適用されることとなる技術上の基準とする。)」とする。
6 国及び地方公共団体は、附則第四項の規定により、一部施行日以後新法第十七条の二第一項又は第十七条の三第一項の規定の適用を受けないこととなる消防用設備等に係る防火対象物の関係者が新法第十七条の規定による技術上の基準に適合させるために行う当該消防用設備等の設置に係る工事又は整備について、必要な資金のあつせん、技術的な助言その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 田中角栄
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 斎藤邦吉
通商産業大臣 中曽根康弘
運輸大臣 徳永正利
建設大臣 亀岡高夫
自治大臣 町村金五