食品衛生法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第108号
公布年月日: 昭和47年6月30日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年、農薬による食品汚染、食品添加物の安全性、表示の適正化等が国民の重大関心事となっている。政府は食品衛生向上のための施策を進めているが、現行法では十分な対応ができない面があるため改正を行う。主な改正内容は、安全性に疑念のある食品等への規制強化、営業者が順守すべき基準の設定による営業者責任の強化、製品検査制度の改善と検査体制の整備、食品等の表示制度の改正と広告規制の実施、洗浄剤の規格設定等である。

参照した発言:
第68回国会 参議院 社会労働委員会 第3号

審議経過

第68回国会

参議院
(昭和47年3月10日)
(昭和47年4月12日)
(昭和47年4月18日)
(昭和47年4月25日)
(昭和47年4月28日)
衆議院
(昭和47年5月16日)
(昭和47年6月9日)
(昭和47年6月12日)
(昭和47年6月16日)
(昭和47年6月16日)
食品衛生法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月三十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百八号
食品衛生法の一部を改正する法律
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「標示」を「表示及び広告」に、「第五章 検査」を
第五章
検査
第五章の二
指定検査機関
に改める。
第二条第八項中「貯蔵し」の下に「、運搬し」を加え、同条第六項を削る。
第四条第二号中「又は」を「若しくは」に、「附着しているもの」を「附着し、又はこれらの疑いがあるもの」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四条の二 厚生大臣は、一般に飲食に供されることがなかつた物であつて人の健康をそこなうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物が新たに食品として販売され、又は販売されることとなつた場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、食品衛生調査会の意見をきいて、その物を食品として販売することを禁止することができる。
第五条第二項中「及び臓器」の下に「並びに省令で定めるこれらの製品」を加え、「又は臓器」を「若しくは臓器又はこれらの製品」に改め、「及びとさつ年月」を削る。
第六条中「厚生大臣が」の下に「食品衛生調査会の意見をきいて」を加える。
「第四章 標示」を「第四章 表示及び広告」に改める。
第十一条第一項中「の標示」を「に関する表示」に改め、同条第二項中「標示」を「表示」に改める。
第十二条中「虚偽の標示その他の標示」を「虚偽の又は誇大な表示又は広告」に改める。
第十四条及び第十五条を次のように改める。
第十四条 第七条第一項の規定により規格が定められた食品若しくは添加物又は第十条第一項の規定により規格が定められた器具若しくは容器包装であつて政令で定めるものは、政令で定める区分に従い厚生大臣又は都道府県知事若しくは厚生大臣が指定した者の行なう検査を受け、これに合格したものとして厚生省令で定める表示が附されたものでなければ、販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
生産地の事情からみて次に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあるものとして政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者は、厚生大臣又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
一 第四条第二号又は第三号に掲げる食品又は添加物
二 第六条に規定する食品
三 第七条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
四 第七条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
五 第九条に規定する器具又は容器包装
六 第十条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
第一項又は前項の検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
前項の手数料は、厚生大臣の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては国庫の、都道府県知事の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては当該都道府県の、厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては当該厚生大臣が指定した者の収入とする。
前各項に定めるもののほか、第一項及び第二項の検査並びに当該検査に合格した場合の措置に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項及び第二項の検査の結果については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
第十五条 都道府県知事は、政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装であつて前条第二項第一号又は第三号から第六号までに掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するものを発見した場合において、これらを製造し、又は加工した者の検査の能力等からみて、その者が製造し、又は加工する食品、添加物、器具又は容器包装がその後引き続き当該各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあり、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める要件及び手続に従い、その者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、当該都道府県知事又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けるべきことを命ずることができる。
厚生大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装であつて前条第二項各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するものを製造し、又は加工した者が製造し、又は加工した同種の食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生大臣又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けるべきことを命ずることができる。
第一項又は前項の命令を受けた者は、当該検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
前項の通知であつて厚生大臣が指定した者がするものは、当該検査を受けるべきことを命じた都道府県知事又は厚生大臣を経由してするものとする。
第一項又は第二項の検査を受けようとする者は、政令で定める額をこえない範囲内において検査に要する実費の額を考慮して、都道府県知事又は厚生大臣の行なう検査にあつては都道府県知事又は厚生大臣が定める額の、厚生大臣が指定した者の行なう検査にあつては当該検査を行なう者が厚生大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
前条第四項から第六項までの規定は、第一項及び第二項の検査について準用する。
第十六条を削り、第十六条の二を第十六条とする。
第十八条第一項中「第十四条第一項の規定による製品検査」を「第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の検査(以下「製品検査」という。)」に改める。
第十九条の二を第十九条の十七とする。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 指定検査機関
第十九条の二 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定は、製品検査を行なおうとする者の申請により行なう。
第十九条の三 次の各号の一に該当する者は、第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十九条の十三の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行なう役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者
イ 第一号に該当する者
ロ 第十九条の十の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者
第十九条の四 厚生大臣は、第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 食品衛生に関する試験を行なつている民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であること。
二 厚生省令で定める機械器具その他の設備を有し、かつ、厚生省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が製品検査を実施し、その数が厚生省令で定める数以上であること。
三 製品検査の業務を適確かつ円滑に行なうに必要な経理的基礎を有するものであること。
四 その役員若しくは社員の構成又は第一号の業務以外の業務を行なつている場合にはその業務の内容が製品検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
第十九条の五 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けた者(以下「指定検査機関」という。)は、製品検査を行なう検査施設を新たに設置し、廃止し、又はその所在地を変更しようとするときは、その設置し、廃止し、又は変更しようとする日の二週間前までに、厚生大臣に届け出なければならない。
第十九条の六 指定検査機関は、製品検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
業務規程で定めるべき事項は、厚生省令で定める。
厚生大臣は、第一項の認可をした業務規程が製品検査の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
第十九条の七 指定検査機関は、厚生大臣の許可を受けなければ、製品検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第十九条の八 指定検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生大臣に提出しなければならない。
第十九条の九 製品検査の業務に従事する指定検査機関の役員の選任は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第十九条の十 厚生大臣は、指定検査機関の役員又は第十九条の四第二号に規定する者がこの法律、この法律に基づく命令若しくは処分又は業務規程に違反したときは、その指定検査機関に対し、その役員又は同号に規定する者を解任すべきことを命ずることができる。
第十九条の十一 製品検査の業務に従事する指定検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十九条の十二 厚生大臣は、指定検査機関が第十九条の四第二号から第四号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第十九条の十三 厚生大臣は、指定検査機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて製品検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この章の規定に違反したとき。
二 第十九条の三第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
三 第十九条の四第一号に適合しなくなつたとき。
四 第十九条の六第一項の認可を受けた業務規程によらないで製品検査を行なつたとき。
五 第十九条の六第三項、第十九条の十又は前条の規定による命令に違反したとき。
六 不正の手段により第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けたとき。
第十九条の十四 指定検査機関は、厚生省令で定めるところにより、帳簿を備え、製品検査に関し厚生省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
第十九条の十五 厚生大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定をしたとき。
二 第十九条の五の規定による届出があつたとき。
三 第十九条の七の許可をしたとき。
四 第十九条の十三の規定により指定を取り消し、又は製品検査の業務の停止を命じたとき。
第十九条の十六 厚生大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定検査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又は当該職員に、指定検査機関の事務所若しくは検査施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
第十七条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
第二十条の前に次の一条を加える。
第十九条の十八 厚生大臣は、食品又は添加物の製造又は加工の過程において有毒な又は有害な物質が当該食品又は添加物に混入することを防止するための措置に関し必要な基準を定めることができる。
都道府県知事は、営業の施設の内外の清潔保持、ねずみ、こん虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関し必要な基準を定めることができる。
営業者は、前二項の基準が定められたときは、これを遵守しなければならない。
第二十二条中「乃至第六条」を「、第五条、第六条」に改める。
第二十三条中「第十六条若しくは第十九条の二第一項」を「第十四条第一項若しくは第二項、第十五条第三項、第十九条の十七第一項若しくは第十九条の十八第三項」に改める。
第二十五条第二項中「五十人」を「四十人」に改め、同条第四項中「関係行政庁の官吏又は吏員、食品、添加物、器具又は容器包装に関する事業に従事する者及び」を削り、同条第七項中「前六項」を「前各項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
食品衛生調査会は、前項に規定する事項に関し、厚生大臣に意見を述べることができる。
第二十六条第一号、第二号及び第四号中「第二項」を「第三項」に改める。
第二十九条第二項中「第十六条」を「第十四条第一項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
第四条及び第七条の規定は、洗浄剤であつて野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるものについて準用する。
第二十九条の二中「第十九条の二」を「第十九条の十七」に改める。
第三十条第一項中「第四条(第二十九条第一項」の下に「及び第二項」を加え、「又は第六条」を「若しくは第六条」に、「違反した者」を「違反し、又は第四条の二の規定による禁止に違反した者」に、「五万円」を「二十万円」に改める。
第三十条の二第一項中「第七条第二項(第二十九条第一項」の下に「及び第二項」を加え、「第九条(第二十九条第一項及び第二項」を「第九条(第二十九条第一項及び第三項」に、「三万円」を「十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第三十条の三 第十九条の十三の規定による業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした指定検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第三十一条中「五千円」を「三万円」に改め、同条第一号中「及び第二項」を「及び第三項」に、「第十六条」を「第十四条第一項」に、「又は第二十七条第一項」を「、第十四条第二項(第二十九条第一項において準用する場合を含む。)、第十五条第三項(第二十九条第一項において準用する場合を含む。)又は第二十七条第一項」に改め、同条第二号及び第三号中「第二項」を「第三項」に改める。
第三十二条中「五千円」を「三万円」に改め、同条第一号中「第二項」を「第三項」に改め、同条第三号中「第十六条の二」を「第十六条」に、「第十九条の二第六項」を「第十九条の十七第六項」に改める。
第三十二条の二中「第十九条の二第三項」を「第十九条の十七第三項」に、「から第三十一条まで」を「、第三十条の二又は第三十一条」に改め、同条を第三十二条の三とし、同条の前に次の一条を加える。
第三十二条の二 次の各号の一に掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした指定検査機関の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の七の許可を受けないで製品検査の業務の全部を廃止したとき。
二 第十九条の十四の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
三 第十九条の十六第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
四 第十九条の十六第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第三十三条中「から第三十二条まで」を「、第三十条の二、第三十一条又は第三十二条」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。
2 改正前の第十四条第一項の規定により行なわれた検査は、改正後の同項の規定により行なわれた検査とみなす。
3 食品衛生調査会の委員の数については、昭和四十九年二月二十八日までの間は、改正後の第二十五条第三項中「四十人」とあるのは、「四十六人」とする。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 前尾繁三郎
厚生大臣 齋藤昇
内閣総理大臣 佐藤栄作
食品衛生法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月三十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百八号
食品衛生法の一部を改正する法律
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「標示」を「表示及び広告」に、「第五章 検査」を
第五章
検査
第五章の二
指定検査機関
に改める。
第二条第八項中「貯蔵し」の下に「、運搬し」を加え、同条第六項を削る。
第四条第二号中「又は」を「若しくは」に、「附着しているもの」を「附着し、又はこれらの疑いがあるもの」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四条の二 厚生大臣は、一般に飲食に供されることがなかつた物であつて人の健康をそこなうおそれがない旨の確証がないもの又はこれを含む物が新たに食品として販売され、又は販売されることとなつた場合において、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、食品衛生調査会の意見をきいて、その物を食品として販売することを禁止することができる。
第五条第二項中「及び臓器」の下に「並びに省令で定めるこれらの製品」を加え、「又は臓器」を「若しくは臓器又はこれらの製品」に改め、「及びとさつ年月」を削る。
第六条中「厚生大臣が」の下に「食品衛生調査会の意見をきいて」を加える。
「第四章 標示」を「第四章 表示及び広告」に改める。
第十一条第一項中「の標示」を「に関する表示」に改め、同条第二項中「標示」を「表示」に改める。
第十二条中「虚偽の標示その他の標示」を「虚偽の又は誇大な表示又は広告」に改める。
第十四条及び第十五条を次のように改める。
第十四条 第七条第一項の規定により規格が定められた食品若しくは添加物又は第十条第一項の規定により規格が定められた器具若しくは容器包装であつて政令で定めるものは、政令で定める区分に従い厚生大臣又は都道府県知事若しくは厚生大臣が指定した者の行なう検査を受け、これに合格したものとして厚生省令で定める表示が附されたものでなければ、販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
生産地の事情からみて次に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあるものとして政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者は、厚生大臣又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
一 第四条第二号又は第三号に掲げる食品又は添加物
二 第六条に規定する食品
三 第七条第一項の規定により定められた規格に合わない食品又は添加物
四 第七条第一項の規定により定められた基準に合わない方法により添加物を使用した食品
五 第九条に規定する器具又は容器包装
六 第十条第一項の規定により定められた規格に合わない器具又は容器包装
第一項又は前項の検査を受けようとする者は、検査に要する実費の額を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
前項の手数料は、厚生大臣の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては国庫の、都道府県知事の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては当該都道府県の、厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けようとする者の納付するものについては当該厚生大臣が指定した者の収入とする。
前各項に定めるもののほか、第一項及び第二項の検査並びに当該検査に合格した場合の措置に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項及び第二項の検査の結果については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。
第十五条 都道府県知事は、政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装であつて前条第二項第一号又は第三号から第六号までに掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するものを発見した場合において、これらを製造し、又は加工した者の検査の能力等からみて、その者が製造し、又は加工する食品、添加物、器具又は容器包装がその後引き続き当該各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するおそれがあり、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める要件及び手続に従い、その者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、当該都道府県知事又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けるべきことを命ずることができる。
厚生大臣は、食品衛生上の危害の発生を防止するため必要があると認めるときは、政令で定める食品、添加物、器具又は容器包装であつて前条第二項各号に掲げる食品、添加物、器具又は容器包装に該当するものを製造し、又は加工した者が製造し、又は加工した同種の食品、添加物、器具又は容器包装を輸入する者に対し、当該食品、添加物、器具又は容器包装について、厚生大臣又は厚生大臣が指定した者の行なう検査を受けるべきことを命ずることができる。
第一項又は前項の命令を受けた者は、当該検査を受け、その結果についての通知を受けた後でなければ、当該食品、添加物、器具又は容器包装を販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。
前項の通知であつて厚生大臣が指定した者がするものは、当該検査を受けるべきことを命じた都道府県知事又は厚生大臣を経由してするものとする。
第一項又は第二項の検査を受けようとする者は、政令で定める額をこえない範囲内において検査に要する実費の額を考慮して、都道府県知事又は厚生大臣の行なう検査にあつては都道府県知事又は厚生大臣が定める額の、厚生大臣が指定した者の行なう検査にあつては当該検査を行なう者が厚生大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。
前条第四項から第六項までの規定は、第一項及び第二項の検査について準用する。
第十六条を削り、第十六条の二を第十六条とする。
第十八条第一項中「第十四条第一項の規定による製品検査」を「第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の検査(以下「製品検査」という。)」に改める。
第十九条の二を第十九条の十七とする。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 指定検査機関
第十九条の二 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定は、製品検査を行なおうとする者の申請により行なう。
第十九条の三 次の各号の一に該当する者は、第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十九条の十三の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行なう役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者
イ 第一号に該当する者
ロ 第十九条の十の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者
第十九条の四 厚生大臣は、第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
一 食品衛生に関する試験を行なつている民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人であること。
二 厚生省令で定める機械器具その他の設備を有し、かつ、厚生省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が製品検査を実施し、その数が厚生省令で定める数以上であること。
三 製品検査の業務を適確かつ円滑に行なうに必要な経理的基礎を有するものであること。
四 その役員若しくは社員の構成又は第一号の業務以外の業務を行なつている場合にはその業務の内容が製品検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
第十九条の五 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けた者(以下「指定検査機関」という。)は、製品検査を行なう検査施設を新たに設置し、廃止し、又はその所在地を変更しようとするときは、その設置し、廃止し、又は変更しようとする日の二週間前までに、厚生大臣に届け出なければならない。
第十九条の六 指定検査機関は、製品検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、厚生大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
業務規程で定めるべき事項は、厚生省令で定める。
厚生大臣は、第一項の認可をした業務規程が製品検査の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
第十九条の七 指定検査機関は、厚生大臣の許可を受けなければ、製品検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
第十九条の八 指定検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生大臣に提出しなければならない。
第十九条の九 製品検査の業務に従事する指定検査機関の役員の選任は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第十九条の十 厚生大臣は、指定検査機関の役員又は第十九条の四第二号に規定する者がこの法律、この法律に基づく命令若しくは処分又は業務規程に違反したときは、その指定検査機関に対し、その役員又は同号に規定する者を解任すべきことを命ずることができる。
第十九条の十一 製品検査の業務に従事する指定検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十九条の十二 厚生大臣は、指定検査機関が第十九条の四第二号から第四号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第十九条の十三 厚生大臣は、指定検査機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて製品検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 この章の規定に違反したとき。
二 第十九条の三第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
三 第十九条の四第一号に適合しなくなつたとき。
四 第十九条の六第一項の認可を受けた業務規程によらないで製品検査を行なつたとき。
五 第十九条の六第三項、第十九条の十又は前条の規定による命令に違反したとき。
六 不正の手段により第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定を受けたとき。
第十九条の十四 指定検査機関は、厚生省令で定めるところにより、帳簿を備え、製品検査に関し厚生省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
第十九条の十五 厚生大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第十四条第一項若しくは第二項又は第十五条第一項若しくは第二項の指定をしたとき。
二 第十九条の五の規定による届出があつたとき。
三 第十九条の七の許可をしたとき。
四 第十九条の十三の規定により指定を取り消し、又は製品検査の業務の停止を命じたとき。
第十九条の十六 厚生大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定検査機関に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又は当該職員に、指定検査機関の事務所若しくは検査施設に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
第十七条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
第二十条の前に次の一条を加える。
第十九条の十八 厚生大臣は、食品又は添加物の製造又は加工の過程において有毒な又は有害な物質が当該食品又は添加物に混入することを防止するための措置に関し必要な基準を定めることができる。
都道府県知事は、営業の施設の内外の清潔保持、ねずみ、こん虫等の駆除その他公衆衛生上講ずべき措置に関し必要な基準を定めることができる。
営業者は、前二項の基準が定められたときは、これを遵守しなければならない。
第二十二条中「乃至第六条」を「、第五条、第六条」に改める。
第二十三条中「第十六条若しくは第十九条の二第一項」を「第十四条第一項若しくは第二項、第十五条第三項、第十九条の十七第一項若しくは第十九条の十八第三項」に改める。
第二十五条第二項中「五十人」を「四十人」に改め、同条第四項中「関係行政庁の官吏又は吏員、食品、添加物、器具又は容器包装に関する事業に従事する者及び」を削り、同条第七項中「前六項」を「前各項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
食品衛生調査会は、前項に規定する事項に関し、厚生大臣に意見を述べることができる。
第二十六条第一号、第二号及び第四号中「第二項」を「第三項」に改める。
第二十九条第二項中「第十六条」を「第十四条第一項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
第四条及び第七条の規定は、洗浄剤であつて野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供されるものについて準用する。
第二十九条の二中「第十九条の二」を「第十九条の十七」に改める。
第三十条第一項中「第四条(第二十九条第一項」の下に「及び第二項」を加え、「又は第六条」を「若しくは第六条」に、「違反した者」を「違反し、又は第四条の二の規定による禁止に違反した者」に、「五万円」を「二十万円」に改める。
第三十条の二第一項中「第七条第二項(第二十九条第一項」の下に「及び第二項」を加え、「第九条(第二十九条第一項及び第二項」を「第九条(第二十九条第一項及び第三項」に、「三万円」を「十万円」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第三十条の三 第十九条の十三の規定による業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした指定検査機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第三十一条中「五千円」を「三万円」に改め、同条第一号中「及び第二項」を「及び第三項」に、「第十六条」を「第十四条第一項」に、「又は第二十七条第一項」を「、第十四条第二項(第二十九条第一項において準用する場合を含む。)、第十五条第三項(第二十九条第一項において準用する場合を含む。)又は第二十七条第一項」に改め、同条第二号及び第三号中「第二項」を「第三項」に改める。
第三十二条中「五千円」を「三万円」に改め、同条第一号中「第二項」を「第三項」に改め、同条第三号中「第十六条の二」を「第十六条」に、「第十九条の二第六項」を「第十九条の十七第六項」に改める。
第三十二条の二中「第十九条の二第三項」を「第十九条の十七第三項」に、「から第三十一条まで」を「、第三十条の二又は第三十一条」に改め、同条を第三十二条の三とし、同条の前に次の一条を加える。
第三十二条の二 次の各号の一に掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした指定検査機関の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。
一 第十九条の七の許可を受けないで製品検査の業務の全部を廃止したとき。
二 第十九条の十四の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
三 第十九条の十六第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
四 第十九条の十六第一項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
第三十三条中「から第三十二条まで」を「、第三十条の二、第三十一条又は第三十二条」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。
2 改正前の第十四条第一項の規定により行なわれた検査は、改正後の同項の規定により行なわれた検査とみなす。
3 食品衛生調査会の委員の数については、昭和四十九年二月二十八日までの間は、改正後の第二十五条第三項中「四十人」とあるのは、「四十六人」とする。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 前尾繁三郎
厚生大臣 斎藤昇
内閣総理大臣 佐藤栄作