罰金等臨時措置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第61号
公布年月日: 昭和47年6月12日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

昭和23年制定の罰金等臨時措置法について、制定後20数年間で物価は約3倍、賃金は10倍以上に上昇し、昭和30年比でも賃金は約4倍、一人当たりの国民所得は約6倍となっている。このような経済事情の変動に対し、現行の罰金・科料額では財産刑としての機能が低下し、刑事司法の適正な運営を阻害するおそれがある。特に全刑事事件の95%以上に適用される罰金について、傷害、暴行等の罪で法定刑の上限に近い額が言い渡される事例が増大し、頭打ち現象が生じている。そこで、罰金及び科料の額を現在の経済事情に適合するよう改定し、刑事司法の適正な運営を図る必要がある。

参照した発言:
第68回国会 衆議院 法務委員会 第15号

審議経過

第68回国会

参議院
(昭和47年3月21日)
衆議院
(昭和47年4月18日)
(昭和47年4月28日)
(昭和47年5月12日)
(昭和47年5月16日)
(昭和47年5月19日)
(昭和47年5月23日)
(昭和47年5月24日)
(昭和47年5月25日)
参議院
(昭和47年5月30日)
(昭和47年6月1日)
(昭和47年6月6日)
(昭和47年6月8日)
(昭和47年6月9日)
(昭和47年6月16日)
罰金等臨時措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十七年六月十二日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第六十一号
罰金等臨時措置法の一部を改正する法律
罰金等臨時措置法(昭和二十三年法律第二百五十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「千円」を「四千円」に改め、同条第二項中「五円」を「二十円」に、「千円」を「四千円」に改める。
第三条第一項中「五十倍」を「二百倍」に改め、同条第二項中「五千円」を「二百円」に改める。
第四条第一項中「二千円」を「八千円」に、「千円」を「四千円」に改め、同条第二項中「千円」を「四千円」に改める。
第五条中「二千円」を「八千円」に改める。
第六条中「五万円」を「二十万円」に改める。
第七条第一項中「二万五千円」を「十万円」に、「二千円」を「八千円」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 刑事訴訟法第二百八十四条及び第三百九十条中「五千円以下の罰金」とあるのは、第三条第一項各号に掲げる法律の罪については「二十万円以下の罰金」と、その他の罪については「二万円以下の罰金」とし、刑事訴訟法第二百八十五条第二項中「五千円を超える罰金」とあるのは、第三条第一項各号に掲げる法律の罪については「二十万円を超える罰金」と、その他の罪については「二万円を超える罰金」とする。
第七条第三項中「第四百六十一条第一項」を「第四百六十一条」に、「五万円」を「二十万円」に改め、同条第四項中「二百円」を「八百円」に改める。
第七条の次に次の一条を加える。
第八条 交通事件即決裁判手続法(昭和二十九年法律第百十三号)第三条第一項中「五万円以下の罰金」とあるのは、「二十万円以下の罰金」とする。
附 則
1 この法律は、昭和四十七年七月一日から施行する。
2 条例の罰則でこの法律の施行の際現に効力を有するものについては、改正後の第二条の規定にかかわらず、この法律の施行の日から一年を経過するまでは、なお従前の例による。その期限前にした行為に対してこれらの罰則を適用する場合には、その期限の経過後においても、同様とする。
3 改正後の第四条の規定は、改正前の同条の規定の施行後に制定された法令(この法律の施行の際にまだ施行されていないものを含む。)により新設され、又は改正された罰則についても、適用する。
4 改正後の第六条の規定は、この法律の施行前にした行為についても、適用する。
法務大臣 前尾繁三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作