(指定自動車教習所)
第九十八条 公安委員会は、自動車の運転に関する教習の水準を高め、もつて自動車の運転者の資質の向上を図るため、自動車の運転に関する技能及び知識について教習を行なつている施設のうち、職員、設備等に関する次に掲げる基準に適合するものを、当該施設を設置し、又は管理する者の申請に基づき、指定自動車教習所として指定することができる。
一 政令で定める要件を備えた当該施設を管理する者が置かれていること。
二 次項の規定により選任された技能検定員が置かれていること。
三 次に掲げる業務を行なわせるため、当該施設を管理する者により選任された政令で定める要件を備えたそれぞれ次に掲げる職員が置かれていること。
四 自動車の運転に関する技能及び知識の教習並びに技能検定(自動車の運転に関する技能についての検定で、総理府令で定めるところにより行なわれるものをいう。以下同じ。)のための設備が政令で定める基準に適合していること。
五 当該施設の運営が政令で定める基準に適合していること。
2 指定自動車教習所を管理する者は、技能検定を行なわせるため、次に掲げる要件を備えた技能検定員を選任しなければならない。
二 その者が従事する技能検定に用いられる自動車を運転することができる免許(仮免許を除く。)を現に受けている者で、次のいずれにも該当せず、かつ、技能検定に関する技能及び知識に関し総理府令で定めるところにより公安委員会が行なう審査に合格したものであること。
イ 過去二年以内に第六項に規定する卒業証明書又は修了証明書の発行に関し不正な行為をした者
ロ 法第百十七条の三第二号の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過していない者
ハ 自動車等の運転に関し刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百十一条の罪又はこの法律に規定する罪(第百十七条の三第二号の罪を除く。)を犯し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過していない者
3 指定自動車教習所を管理する者は、自動車の運転に関する技能若しくは知識の教習又は技能検定には、それぞれ第一項第三号の規定に基づく政令で定める要件を備えた技能指導員若しくは学科指導員又は前項に規定する要件を備えた技能検定員以外の者を従事させてはならない。
4 指定自動車教習所を管理する者は、公安委員会から当該指定自動車教習所の職員について第百八条の二第一項第三号に規定する講習を行なう旨の通知を受けたときは、当該職員に当該講習を受けさせなければならない。
5 指定自動事教習所を管理する者は、総理府令で定めるところにより自動車の運転に関する技能及び知識の教習を終了した者に限り、技能検定員にその者についての技能検定を行なわせるものとする。この場合において、技能検定員は、当該技能検定に合格した者について、技能検定に合格した者である旨の証明をしなければならない。
6 指定自動車教習所は、技能検定に合格した者であることを技能検定員が証明した者に限り、総理府令で定めるところにより、総理府令で定める様式の卒業証明書又は修了証明書を発行することができる。この場合において、当該卒業証明書又は修了証明書には、総理府令で定めるところにより、技能検定員の当該技能検定に合格した旨の書面による証明を付するものとする。
7 公安委員会は、指定自動車教習所について、第一項に掲げる基準に適合しているかどうか、又は第三項、第五項若しくは前項の規定に従い運営されているかどうかを検査し、及び当該指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。
8 公安委員会は、技能指導員若しくは学科指導員又は技能検定員がその業務について不正な行為をしたときは、指定自動車教習所を管理する者に対し、これらの者の解任を命ずることができる。
9 公安委員会は、前項の規定による命令をしようとするときは、当該指定自動車教習所を管理する者及び当該技能指導員若しくは学科指導員又は技能検定員に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時及び場所並びに当該処分をしようとする理由を通知して、当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
10 公安委員会は、指定自動車教習所が第一項に掲げる基準に適合しなくなつたとき、若しくは第六項の規定に違反して卒業証明書若しくは修了証明書を発行したとき、又は指定自動車教習所を管理する者が第三項若しくは第四項の規定に違反し、第五項前段に規定する者以外の者について技能検定を行なわせ、若しくは第八項の規定による命令に違反したときは、その指定を解除し、又は六月をこえない範囲内で期間を定めて当該指定自動車教習所が当該期間内における教習に基づき第六項に規定する卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止することができる。
11 公安委員会は、前項の規定により卒業証明書又は修了証明書の発行を禁止したときは、当該指定自動車教習所を設置し、又は管理する者に対し、当該指定自動車教習所を第一項に掲げる基準に適合させるため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
12 公安委員会は、第十項の規定による卒業証明書若しくは修了証明書の発行の禁止の処分を受けた指定自動車教習所が当該禁止に違反して卒業証明書若しくは修了証明書を発行したときは、その指定を解除し、又は指定自動車教習所を設置し若しくは管理する者が前項の規定による命令に違反したときは、その指定を解除し、若しくは六月をこえない範囲内で卒業証明書若しくは修了証明書を発行することを禁止する期間を延長することができる。