最近の航空機奪取事犯の実情、特に日航機乗っ取り事件を契機として、ハイジャッキング対策の立法措置を求める声が高まっている。ハイジャッキングは、航行中の航空機という特殊環境で行われ、乗客・乗組員の生命や安全を脅かすだけでなく、不慮の事故の危険性も高い。また、財産上の損害や航空業務への妨害も深刻である。世界的にもこの種の犯罪は増加傾向にあり、国際的な防止・処罰体制の確立が急務となっている。現行法制では実態に即した処罰が困難で、刑の軽重や国外犯罪への対応にも不十分な点がある。そこで、この種の犯罪に対する特別の処罰規定を新設し、国外犯罪にも対応できる法整備を行うため、本法案を提出するものである。
参照した発言:
第63回国会 衆議院 法務委員会 第21号