輸出保険法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第五十七号
公布年月日: 昭和45年5月15日
法令の形式: 法律
輸出保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十五年五月十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第五十七号
輸出保険法の一部を改正する法律
輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、「第五章の三 海外投資利益保険(第十四条の六―第十四条の九)」を削る。
第一条の二第八項を次のように改める。
8 この法律において「海外投資」とは、次に掲げるものをいう。
一 外国法人の株式その他の持分(以下「株式等」という。)の取得
二 外国法人(本邦法人又は本邦人がその株式等を取得しようとし、又は所有するものに限る。)の株式等を取得しようとする外国の政府、地方公共団体若しくはこれらに準ずる者又は他の外国法人若しくは外国人に対する当該株式等の取得に要する資金にあてられる長期貸付金に係る債権(以下「貸付金債権」という。)の取得
三 外国人法(本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。)の社債その他これに準ずる債券又は当該外国法人に対する長期貸付金に係る債権(以下「社債等」という。)の取得
四 本邦外において行なう事業の用に供する不動産若しくは設備に関する権利若しくは鉱業権、工業所有権その他の権利又はこれらに類する利益(以下「不動産に関する権利等」という。)の取得
第一条の三中「、海外投資元本保険及び海外投資利益保険」を「及び海外投資保険」に改める。
第一条の七第七号中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、同条第八号を削る。
「第五章の二 海外投資元本保険」を「第五章の二 海外投資保険」に改める。
第十四条の二第一項中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 海外投資保険は、海外投資を行なつた者が次の各号の一に該当する事由により受ける損失をてん補する輸出保険とする。
一 株式等、貸付金債権若しくは社債等の元本(以下「元本」という。)、株式等に対する配当金の支払請求権若しくは貸付金債権若しくは社債等の利子の支払請求権(以下「配当金請求権等」という。)又は不動産に関する権利等を外国政府等により奪われたこと。
二 海外投資(第一条の二第八項第四号に掲げるものを除く。)の相手方が戦争、革命、内乱、暴動若しくは騒乱により損害を受け、又は不動産、設備、原材料その他の物に関する権利、鉱業権、工業所有権その他の権利若しくは利益であつて事業の遂行上特に重要なものを外国政府等によつて侵害されたことにより損害を受けて当該海外投資の相手方(同項第二号に掲げる海外投資にあつては、株式等の取得の相手方を除く。)について事業の継続の不能その他政令で定める事由が生じたこと。
三 戦争、革命、内乱、暴動又は騒乱により不動産に関する権利等について損害を受けて当該不動産に関する権利等を事業の用に供することができなくなつたこと。
四 元本の喪失(第一号又は第二号の事由によるものを除く。)により取得した金額、株式等に対する配当金若しくは貸付金債権若しくは社債等の利子(以下「配当金等」という。)又は不動産に関する権利等の喪失(第一号又は前号の事由によるものを除く。)により取得した金額(以下「取得金等」という。)を次のいずれかに該当する事由により政令で定める期間以上の期間本邦に送金することができなかつたこと。
イ 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
ロ 外国における戦争、革命又は内乱による為替取引の途絶
ハ 外国政府等による当該取得金等の管理
ニ 当該取得金等の送金の許可の取消し又は外国政府等がその許可をすべきことをあらかじめ約していた場合においてその許可をしなかつたこと。
ホ イからニまでに掲げる事由の発生後における外国政府等による取得金等の没収
第十四条の二第三項中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改める。
第十四条の三を次のように改める。
(保険金)
第十四条の三 前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本に係る損失にあつては当該事由に係る元本(以下「事故元本」という。)について同項第一号の事由又は同項第二号の損害の発生の直前に評価した額と当該事故元本の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、配当金請求権等に係る損失にあつては当該事由に係る配当金請求権等(以下「事故配当金請求権等」という。)について同項第一号の事由又は同項第二号の損害の発生の直前に評価した額から、不動産に関する権利等に係る損失にあつては当該事由に係る不動産に関する権利等(以下「事故権利等」という。)について同項第一号の事由又は同項第三号の損害の発生の直前に評価した額と当該事故権利等の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 事故元本、事故配当金請求権等又は事故権利等についてそれぞれ当該事由の発生の直後に評価した額
二 当該事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
三 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
2 前条第二項第四号の事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本又は不動産に関する権利等(以下「元本等」という。)の喪失により取得した金額に係る損失にあつては同号イからホまでの一に該当する事由により同号の政令で定める期間以上の期間本邦に送金することができなかつた金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能額」という。)と当該元本等の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、配当金等に係る損失にあつては送金不能額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 当該送金不能額をもつて支出した金額
三 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
3 元本等について前二項の規定により算定した政府がてん補すべき額又はその累計額が当該元本等の取得のための対価の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額をこえるときは、政府がてん補すべき額は、これらの規定にかかわらず、その残額とする。
一 当該事由の発生前における当該元本等の喪失(前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由によるものを除く。)により取得した金額又は取得し得べき金額(送金不能額が含まれる場合にあつては、これらの金額から当該送金不能額を控除した残額)とその喪失した元本等の取得のための対価の額とのいずれか多い金額
二 当該事由発生前における前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
三 第一項各号又は前項各号に規定する金額
4 政府は、第一項及び前項の規定にかかわらず、前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額のうち次の各号の一に該当する事由により本邦に送金することができない金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能取得額」という。)が生じたときは、第一項及び前項の規定により算定した政府がてん補すべき額のほか、その額と第一項第二号又は前項第二号に規定する金額から送金不能取得額を控除した残額をそれぞれ第一項第二号又は前項第二号に規定する金額とみなして第一項及び前項の規定を適用して算定した政府がてん補すべき額との差額をてん補しなければならない。
一 外国政府等による没収
二 外国政府等による管理(政令で定める期間以上の期間継続して行なわれたものに限る。)
三 前二号に準ずる事由であつて、政令で定めるもの
第十四条の四中「事故株式等」を「事故元本若しくは事故権利等」に、「対価の回収」を「対価若しくは取得金等に係る送金不能額の回収又は事故配当金請求権等に関する権利の行使」に改める。
第十四条の五中「第十四条の三第一項」の下に「又は第二項」を加える。
第五章の三を削る。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律の施行前に政府が引き受けた海外投資元本保険及び海外投資利益保険については、その海外投資元本保険又は海外投資利益保険の保険契約が更改により海外投資保険の保険契約とされた場合を除き、なお従前の例による。
通商産業大臣 宮澤喜一
内閣総理大臣 佐藤栄作
輸出保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十五年五月十五日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第五十七号
輸出保険法の一部を改正する法律
輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、「第五章の三 海外投資利益保険(第十四条の六―第十四条の九)」を削る。
第一条の二第八項を次のように改める。
8 この法律において「海外投資」とは、次に掲げるものをいう。
一 外国法人の株式その他の持分(以下「株式等」という。)の取得
二 外国法人(本邦法人又は本邦人がその株式等を取得しようとし、又は所有するものに限る。)の株式等を取得しようとする外国の政府、地方公共団体若しくはこれらに準ずる者又は他の外国法人若しくは外国人に対する当該株式等の取得に要する資金にあてられる長期貸付金に係る債権(以下「貸付金債権」という。)の取得
三 外国人法(本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。)の社債その他これに準ずる債券又は当該外国法人に対する長期貸付金に係る債権(以下「社債等」という。)の取得
四 本邦外において行なう事業の用に供する不動産若しくは設備に関する権利若しくは鉱業権、工業所有権その他の権利又はこれらに類する利益(以下「不動産に関する権利等」という。)の取得
第一条の三中「、海外投資元本保険及び海外投資利益保険」を「及び海外投資保険」に改める。
第一条の七第七号中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、同条第八号を削る。
「第五章の二 海外投資元本保険」を「第五章の二 海外投資保険」に改める。
第十四条の二第一項中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 海外投資保険は、海外投資を行なつた者が次の各号の一に該当する事由により受ける損失をてん補する輸出保険とする。
一 株式等、貸付金債権若しくは社債等の元本(以下「元本」という。)、株式等に対する配当金の支払請求権若しくは貸付金債権若しくは社債等の利子の支払請求権(以下「配当金請求権等」という。)又は不動産に関する権利等を外国政府等により奪われたこと。
二 海外投資(第一条の二第八項第四号に掲げるものを除く。)の相手方が戦争、革命、内乱、暴動若しくは騒乱により損害を受け、又は不動産、設備、原材料その他の物に関する権利、鉱業権、工業所有権その他の権利若しくは利益であつて事業の遂行上特に重要なものを外国政府等によつて侵害されたことにより損害を受けて当該海外投資の相手方(同項第二号に掲げる海外投資にあつては、株式等の取得の相手方を除く。)について事業の継続の不能その他政令で定める事由が生じたこと。
三 戦争、革命、内乱、暴動又は騒乱により不動産に関する権利等について損害を受けて当該不動産に関する権利等を事業の用に供することができなくなつたこと。
四 元本の喪失(第一号又は第二号の事由によるものを除く。)により取得した金額、株式等に対する配当金若しくは貸付金債権若しくは社債等の利子(以下「配当金等」という。)又は不動産に関する権利等の喪失(第一号又は前号の事由によるものを除く。)により取得した金額(以下「取得金等」という。)を次のいずれかに該当する事由により政令で定める期間以上の期間本邦に送金することができなかつたこと。
イ 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
ロ 外国における戦争、革命又は内乱による為替取引の途絶
ハ 外国政府等による当該取得金等の管理
ニ 当該取得金等の送金の許可の取消し又は外国政府等がその許可をすべきことをあらかじめ約していた場合においてその許可をしなかつたこと。
ホ イからニまでに掲げる事由の発生後における外国政府等による取得金等の没収
第十四条の二第三項中「海外投資元本保険」を「海外投資保険」に改める。
第十四条の三を次のように改める。
(保険金)
第十四条の三 前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本に係る損失にあつては当該事由に係る元本(以下「事故元本」という。)について同項第一号の事由又は同項第二号の損害の発生の直前に評価した額と当該事故元本の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、配当金請求権等に係る損失にあつては当該事由に係る配当金請求権等(以下「事故配当金請求権等」という。)について同項第一号の事由又は同項第二号の損害の発生の直前に評価した額から、不動産に関する権利等に係る損失にあつては当該事由に係る不動産に関する権利等(以下「事故権利等」という。)について同項第一号の事由又は同項第三号の損害の発生の直前に評価した額と当該事故権利等の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 事故元本、事故配当金請求権等又は事故権利等についてそれぞれ当該事由の発生の直後に評価した額
二 当該事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
三 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
2 前条第二項第四号の事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本又は不動産に関する権利等(以下「元本等」という。)の喪失により取得した金額に係る損失にあつては同号イからホまでの一に該当する事由により同号の政令で定める期間以上の期間本邦に送金することができなかつた金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能額」という。)と当該元本等の取得のための対価の額とのいずれか少ない金額から、配当金等に係る損失にあつては送金不能額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 当該送金不能額をもつて支出した金額
三 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
3 元本等について前二項の規定により算定した政府がてん補すべき額又はその累計額が当該元本等の取得のための対価の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額をこえるときは、政府がてん補すべき額は、これらの規定にかかわらず、その残額とする。
一 当該事由の発生前における当該元本等の喪失(前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由によるものを除く。)により取得した金額又は取得し得べき金額(送金不能額が含まれる場合にあつては、これらの金額から当該送金不能額を控除した残額)とその喪失した元本等の取得のための対価の額とのいずれか多い金額
二 当該事由発生前における前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
三 第一項各号又は前項各号に規定する金額
4 政府は、第一項及び前項の規定にかかわらず、前条第二項第一号から第三号までの一に該当する事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額のうち次の各号の一に該当する事由により本邦に送金することができない金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能取得額」という。)が生じたときは、第一項及び前項の規定により算定した政府がてん補すべき額のほか、その額と第一項第二号又は前項第二号に規定する金額から送金不能取得額を控除した残額をそれぞれ第一項第二号又は前項第二号に規定する金額とみなして第一項及び前項の規定を適用して算定した政府がてん補すべき額との差額をてん補しなければならない。
一 外国政府等による没収
二 外国政府等による管理(政令で定める期間以上の期間継続して行なわれたものに限る。)
三 前二号に準ずる事由であつて、政令で定めるもの
第十四条の四中「事故株式等」を「事故元本若しくは事故権利等」に、「対価の回収」を「対価若しくは取得金等に係る送金不能額の回収又は事故配当金請求権等に関する権利の行使」に改める。
第十四条の五中「第十四条の三第一項」の下に「又は第二項」を加える。
第五章の三を削る。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律の施行前に政府が引き受けた海外投資元本保険及び海外投資利益保険については、その海外投資元本保険又は海外投資利益保険の保険契約が更改により海外投資保険の保険契約とされた場合を除き、なお従前の例による。
通商産業大臣 宮沢喜一
内閣総理大臣 佐藤栄作