電気用品取締法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第56号
公布年月日: 昭和43年5月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

電気用品取締法は、電気用品の製造・販売規制により火災や感電等の危険防止を目的としている。近年の消費生活向上と技術進歩に伴い、家庭用電気製品の普及と新製品の増加が進んでいる。そのため、一般家庭で使用される電気用品の品質保証と消費者保護強化のため、規制対象範囲の拡大と規制内容の整備が必要となった。主な改正点は、乙種電気用品の新設による対象範囲拡大、輸入事業者への技術基準適合義務付け、型式認可の有効期間の柔軟化、乙種電気用品事業者への各種義務の設定、および改善命令等の規定整備である。

参照した発言:
第58回国会 参議院 商工委員会 第3号

審議経過

第58回国会

参議院
(昭和43年2月29日)
(昭和43年3月5日)
(昭和43年3月7日)
(昭和43年3月14日)
(昭和43年3月28日)
(昭和43年3月30日)
衆議院
(昭和43年4月1日)
(昭和43年5月14日)
(昭和43年5月15日)
(昭和43年5月16日)
電気用品取締法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十三年五月二十日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第五十六号
電気用品取締法の一部を改正する法律
電気用品取締法(昭和三十六年法律第二百三十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「製造事業者」を「甲種電気用品の製造事業者」に、「第三章 電気用品の型式等(第十八条―第二十六条)」を
第三章
甲種電気用品の型式等(第十八条―第二十六条)
第三章の二
乙種電気用品の製造事業者の届出等(第二十六条の二―第二十六条の六)
に改める。
第二条を次のように改める。
(定義)
第二条 この法律において「電気用品」とは、次に掲げる物をいう。
一 一般用電気工作物(電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第六十六条第一項に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの
二 携帯発電機であつて、政令で定めるもの
2 この法律において「甲種電気用品」とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であつて、政令で定めるものをいい、「乙種電気用品」とは、甲種電気用品以外の電気用品をいう。
「第二章 製造事業者の登録」を「第二章 甲種電気用品の製造事業者の登録」に改める。
第三条及び第四条第一項第三号から第五号までの規定中「電気用品」を「甲種電気用品」に改める。
第十四条第三号中「第四十七条」を「第四十七条第一項」に改める。
「第三章 電気用品の型式等」を「第三章 甲種電気用品の型式等」に改める。
第十八条(見出しを含む。)、第十九条第二項、第二十条第一号及び第二十一条中「電気用品」を「甲種電気用品」に改める。
第二十二条の見出しを「(登録製造事業者に係る基準適合義務等)」に改め、同条第一項及び第三項中「電気用品」を「甲種電気用品」に改める。
第二十三条の見出しを「(甲種電気用品輸入事業者に係る甲種電気用品の型式の認可等)」に改め、同条第一項中「電気用品」を「甲種電気用品」に、「輸入事業者」を「甲種電気用品輸入事業者」に改め、同条第二項中「電気用品」を「甲種電気用品」に改め、同条第三項中「輸入事業者」を「甲種電気用品輸入事業者」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(甲種電気用品輸入事業者に係る基準適合義務)
第二十三条の二 前条第一項の認可を受けた甲種電気用品輸入事業者は、当該認可に係る型式の甲種電気用品を販売する場合においては、第二十条第一号の通商産業省令で定める技術上の基準に適合するものを販売しなければならない。
2 前条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
第二十四条第一項中「前条第一項」を「第二十三条第一項」に、「七年」を「三年以上七年以下において甲種電気用品ごとに政令で定める期間」に改める。
第二十五条第一項中「輸入事業者」を「甲種電気用品輸入事業者」に、「電気用品」を「甲種電気用品」に改め、「製造されたもの」の下に「又は第二十三条の二第二項において準用する第二十三条第一項ただし書の規定の適用を受けて販売されるもの」を加え、同条第二項中「電気用品」を「甲種電気用品」に改める。
第二十六条中「輸入事業者」を「甲種電気用品輸入事業者」に改め、同条第三号中「第四十七条」を「第四十七条第一項若しくは第二項」に改める。
第三章の次に次の一章を加える。
第三章の二 乙種電気用品の製造事業者の届出等
(事業開始の届出等)
第二十六条の二 乙種電気用品の製造の事業を行なう者(以下「乙種電気用品製造事業者」という。)は、事業の開始の日から三十日以内に、次の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 当該乙種電気用品の種類及び構造
三 当該乙種電気用品を製造する工場又は事業場の名称及び所在地
2 第十条第一項及び第十一条の規定は、乙種電気用品製造事業者に準用する。この場合において、第十条第一項中「第四条第一項第一号又は第三号から第五号まで」とあるのは、「第二十六条の二第一項各号」と読み替えるものとする。
第二十六条の三 乙種電気用品の輸入の事業を行なう者(以下「乙種電気用品輸入事業者」という。)は、事業の開始の日から三十日以内に、次の事項を通商産業大臣に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 当該乙種電気用品の種類及び構造
三 当該乙種電気用品の製造事業者の氏名又は名称及び住所
2 第十条第一項及び第十一条の規定は、乙種電気用品輸入事業者に準用する。この場合において、第十条第一項中「第四条第一項第一号又は第三号から第五号まで」とあるのは、「第二十六条の三第一項各号」と読み替えるものとする。
(基準適合義務)
第二十六条の四 乙種電気用品製造事業者は、当該乙種電気用品を製造する場合においては、当該乙種電気用品が通商産業省令で定める技術上の基準に適合するようにしなければならない。
2 第十八条ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
第二十六条の五 乙種電気用品輸入事業者は、当該乙種電気用品を販売する場合においては、前条第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合するものを販売しなければならない。
2 第二十三条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
(表示)
第二十六条の六 乙種電気用品製造事業者又は乙種電気用品輸入事業者は、当該乙種電気用品(第二十六条の四第二項において準用する第十八条ただし書の規定の適用を受けて製造されたもの又は前条第二項において準用する第二十三条第一項ただし書の規定の適用を受けて販売されるものを除く。)を販売する時までに、これに通商産業省令で定める方式による表示を附さなければならない。
2 何人も、前項に規定する場合を除くほか、乙種電気用品に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を附してはならない。
第二十七条中「第二十五条第一項」の下に「又は前条第一項」を、「第二十二条第二項」の下に「又は第二十六条の四第二項」を、「第二十三条第一項ただし書」の下に「(第二十三条の二第二項又は第二十六条の五第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第二十八条第一項及び第二項中「第二十五条第一項」の下に「又は第二十六条の六第一項」を加える。
第四十三条第一項中「第二十二条第二項」の下に「又は第二十六条の四第二項」を、「第二十三条第一項ただし書」の下に「(第二十三条の二第二項又は第二十六条の五第二項において準用する場合を含む。)」を加える。
第四十五条第一項及び第四十六条第一項中「輪入事業者」を「甲種電気用品輸入事業者、乙種電気用品製造事業者、乙種電気用品輸入事業者」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(電気用品の提出)
第四十六条の二 通商産業大臣は、前条第一項の規定によりその職員に検査をさせた場合において、その所在の場所において検査をさせることが著しく困難であると認められる電気用品があつたときは、その所有者又は占有者に対し、期限を定めて、これを提出すべきことを命ずることができる。
2 国(前項の規定に基づく通商産業大臣の権限が都道府県知事に委任されている場合にあつては、都道府県)は、同項の規定による命令によつて生じた損失を所有者又は占有者に対し補償しなければならない。
3 前項の規定により補償すべき損失は、第一項の命令により通常生ずべき損失とする。
第四十七条を削り、第四十八条中「電気用品」を「甲種電気用品」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第四十七条とする。
2 通商産業大臣は、甲種電気用品輸入事業者又は乙種電気用品製造事業者若しくは乙種電気用品輸入事業者が第二十三条の二第一項又は第二十六条の四第一項若しくは第二十六条の五第一項の規定に違反していると認めるときは、その違反している者に対し、その販売し又は製造する電気用品が第二十条第一号又は第二十六条の四第一項の通商産業省令で定める技術上の基準に適合するようにするための必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
第四十九条の前に次の一条を加える。
(業務停止命令)
第四十八条 通商産業大臣は、登録製造事業者、甲種電気用品輸入事業者、乙種電気用品製造事業者又は乙種電気用品輸入事業者が第二十二条第一項、第二十三条の二第一項、第二十六条の四第一項又は第二十六条の五第一項の規定に違反している場合において、危険又は障害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、その違反している者に対し、一年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
第五十三条第一項の表の上欄中「電気用品」を「甲種電気用品」に改め、同表の下欄中「四千円」を「七千円」に「四万円」を「二十万円」に改める。
第五十七条第一号及び第二号中「電気用品」を「甲種電気用品」に改め、同条第三号中「第四十七条」を「第四十八条」に改める。
第五十九条第二号中「第二十五条第一項」の下に「又は第二十六条の六第一項」を加え、同条第三号中「第二十五条第二項」の下に「又は第二十六条の六第二項」を加え、同条に次の一号を加える。
六 第四十七条第一項又は第二項の規定による命令に違反した者
第六十条に次の一号を加える。
三 第四十六条の二第一項の規定による命令に違反した者
第六十三条第一号中「第二十三条第三項」の下に「、第二十六条の二第二項又は第二十六条の三第二項」を加え、「又は第十一条」を「、第十一条(第二十六条の二第二項又は第二十六条の三第二項において準用する場合を含む。)、第二十六条の二第一項又は第二十六条の三第一項」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
法務大臣 赤間文三
通商産業大臣 椎名悦三郎
内閣総理大臣 佐藤栄作