国立病院特別会計法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第30号
公布年月日: 昭和43年4月27日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

国立療養所の経理を一般会計から国立病院特別会計に移行することを主な内容とする改正案である。国立療養所は戦後の結核対策に貢献してきたが、近年は長期慢性疾患や重症心身障害等の新たな医療需要への対応が求められている。しかし、施設の老朽化が進んでおり、充実した医療体制の確立が必要となっている。特別会計への移行により、収支を明確化し、借入金の導入や資産の効率的活用、予算の弾力的運用を可能とすることで、施設・設備の整備促進と経営の円滑化を図る。なお、らい療養所については、その特殊性から引き続き一般会計で経理を行う。

参照した発言:
第58回国会 衆議院 本会議 第15号

審議経過

第58回国会

衆議院
(昭和43年3月26日)
(昭和43年3月29日)
(昭和43年4月10日)
参議院
(昭和43年4月10日)
衆議院
(昭和43年4月12日)
参議院
(昭和43年4月12日)
衆議院
(昭和43年4月16日)
(昭和43年4月16日)
参議院
(昭和43年4月25日)
(昭和43年4月27日)
(昭和43年4月27日)
(昭和43年6月3日)
国立病院特別会計法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十三年四月二十七日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第三十号
国立病院特別会計法の一部を改正する法律
国立病院特別会計法(昭和二十四年法律第百九十号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「国立がんセンター」の下に「並びに国立療養所」を加え、同条第二項中「又は「国立がんセンター」」を「、「国立がんセンター」又は「国立療養所」」に、「又は国立がんセンター」を「、国立がんセンター又は国立療養所(らい療養所を除く。)」に改める。
第二条の次に次の一条を加える。
(勘定区分)
第二条の二 この会計は、病院勘定及び療養所勘定に区分する。
第三条中「この会計においては」を「病院勘定においては」に改め、同条に次の二項を加える。
2 療養所勘定においては、国立病院特別会計法の一部を改正する法律(昭和四十三年法律第三十号)附則第九項の規定により一般会計から当該勘定に帰属した資産の金額をもつて基金とする。
3 前二項の基金の金額は、第十四条第一項又は第二項の規定による整理が行なわれることにより増減するものとする。
第四条中「この会計」を「病院勘定」に改め、同条に次の一項を加える。
2 療養所勘定においては、療養所収入、一般会計及び積立金からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金並びに附属雑収入をもつてその歳入とし、国立療養所の経営費、施設費、看護婦養成費、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子その他の諸費をもつてその歳出とする。
第六条中「歳入の性質及び歳出の目的に従つて、款及び項に区分する」を「病院勘定及び療養所勘定に区分し、各勘定において、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に区分し、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する」に改める。
第八条中「この会計」を「各勘定」に改める。
第八条の二第一項中「この会計において、国立病院の」を「各勘定において、」に、「この会計の」を「当該勘定の」に改める。
第九条第一項中「この会計に」を「各勘定に」に、「この会計の」を「当該勘定の」に改める。
第十条中「本会計」を「各勘定」に改める。
第十四条第一項中「この会計」を「各勘定」に、「これを利益の繰越しとして」を「これを当該勘定の基金に組み入れて」に改め、後段を削り、同条第二項中「この会計」を「各勘定」に、「前項の規定により繰り越した利益」を「当該勘定の基金」に改め、ただし書を削る。
第十五条第一項中「この会計」を「各勘定」に改め、「これを」の下に「当該勘定の」を加え、同条第二項中「この会計の積立金」を「各勘定の積立金」に、「、この会計」を「、当該勘定」に改める。
第十五条の二及び第十六条第一項中「この会計」を「各勘定」に改める。
第十七条第一項中「この会計」を「各勘定」に改め、同条第二項中「この会計の」を「各勘定の」に、「この会計に」を「当該勘定に」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(勘定間における資産の移動の無償整理)
第十七条の二 この会計の各勘定の間において、資産の所属を移すときは、政令で定めるところにより、無償として整理することができる。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の国立病院特別会計法の規定は、昭和四十三年度の予算から適用し、昭和四十二年度以前の年度の予算については、この附則に別段の定めがあるものを除き、なお従前の例による。
3 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十条第二項の規定により昭和四十三年度の暫定予算が失効することとなつた場合には、国立病院特別会計に係る当該暫定予算に基づいてした支出又は債務の負担は同年度のこの会計の病院勘定の予算に基づいてしたものと、一般会計に係る当該暫定予算に基づいてした支出又は債務の負担で国立療養所(らい療養所を除く。以下同じ。)に係るものは同年度のこの会計の療養所勘定の予算に基づいてしたものと、それぞれみなす。
4 この法律の施行の日の前日までに収入した昭和四十三年度分の国立病院特別会計の歳入又は国立療養所に係る歳入は、それぞれこの会計の病院勘定又は療養所勘定の歳入とみなす。
5 昭和四十二年度の国立病院特別会計の歳出予算に係る経費で財政法第十四条の三第一項若しくは第四十二条ただし書又は改正前の国立病院特別会計法(以下「旧法」という。)第十六条第一項の規定による繰越しを必要とするものは、この会計の病院勘定に繰り越して使用することができる。
6 旧法第十五条第一項本文の規定により国立病院特別会計の積立金として積み立てるべき金額は、この会計の病院勘定の積立金として積み立てるものとし、同項ただし書の規定により昭和四十三年度の歳入に繰り入れるべき金額は、この会計の病院勘定の同年度の歳入に繰り入れるものとする。
7 昭和四十二年度の一般会計の歳出予算のうち、厚生省所管の国立療養所に係る経費で財政法第十四条の三第一項又は第四十二条ただし書の規定による繰越しを必要とするものは、この会計の療養所勘定に繰り越して使用することができる。
8 前項の規定により繰越しをしたときは、財政法第四十一条の規定により昭和四十三年度の一般会計の歳入に繰り入れるべき昭和四十二年度の同会計の歳入歳出の決算上の剰余金のうち、同項の繰越しの額に相当する金額は、この会計の療養所勘定の昭和四十三年度の歳入に繰り入れるものとする。
9 この法律の施行の際旧法による国立病院特別会計に所属する権利義務又は一般会計に所属する椎利義務で国立療養所に係るものは、政令で定めるところにより、それぞれこの会計の病院勘定又は療養所勘定に帰属するものとする。
10 旧法第十四条第一項の規定により昭和四十三年度への利益の繰越しとして整理されるべき額は、改正後の国立病院特別会計法第十四条第一項の規定により病院勘定の基金に組み入れて整理されるべき利益の額とみなす。
大蔵大臣 水田三喜男
厚生大臣 園田直
内閣総理大臣 佐藤栄作