第十条 国は、産炭地域のうち政令で定める地区内において、関係道府県が国から負担金若しくは補助金の交付を受けて行ない、又は国が関係道府県に負担金を課して行なう事業のうち、次に掲げる施設の整備に係る事業(災害復旧に係るものを除く。)で政令で定めるものについて、政令で定めるところにより当該事業の種類ごとに算定した当該道府県の通常の負担額をこえる負担額の支出の財源に充てるものとして、昭和四十年度以降の各年度において当該道府県が発行を許可された地方債で利率が年三分五厘をこえるものにつき、年四分五厘の率を乗じて得た額を限度として、昭和四十年度以降の各年度において、当該地方債の当該年度分の利子支払額のうち、利率を年三分五厘として計算して得た額をこえる部分に相当する金額を当該道府県に補給するものとする。
第十一条 前条に規定する地区内において、昭和四十年度以降の各年度において関係市町村が国から負担金若しくは補助金の交付を受けて行ない、又は国が関係市町村に負担金を課して行なう事業のうち、次に掲げる施設の整備に係る事業(災害復旧に係るもの、当該事業に係る経費の全額を国が負担するもの及び当該事業に係る経費を当該市町村が負担しないものを除く。)で政令で定めるもの(以下「特定事業」という。)に係る経費に対する国の負担又は補助の割合(以下「国の負担割合」という。)は、次項に定めるところにより算定するものとする。
2 特定事業に係る経費に対する国の負担割合は、関係市町村ごとに当該特定事業に係る経費に対する通常の国の負担割合に、第一号の標準算式により算定した数(前条に規定する地区が第六条に規定する地区と重複する場合において当該重複する部分をその区域とする市町村にあつては、第一号の標準算式により算定した数又は第二号の特別算式により算定した数のうちいずれか大きい数。小数点以下二位未満は、切り上げるものとする。以下「引上率」という。)を乗じて算定するものとする。
一 標準算式
1+ |
( |
0.25× |
当該年度におけるすべての特定事業に係る当該市町村の負担額のうち、当該市町村の標準負担額をこえ、その2倍にいたるまでの額 |
) |
× |
( |
0.75+0.25× |
0.72- |
当該市町村の財政力指数(財政力指数が0.72をこえるときは0.72) |
) |
当該市町村の標準負担額 |
0.72- |
すべての関係市町村のうち財政力指数が最低の関係市町村の財政力指数 |
二 特別算式
1+ |
( |
0.15× |
当該年度におけるすべての特定事業に係る当該市町村の負担額のうち、当該市町村の標準負担額をこえ、その2倍にいたるまでの額 |
) |
× |
( |
0.75+0.25× |
0.72- |
当該市町村の財政力指数(財政力指数が0.72をこえるときは0.72) |
) |
当該市町村の標準負担額 |
0.72- |
すべての関係市町村のうち財政力指数が最低の関係市町村の財政力指数 |
3 前項各号の算式において、「当該市町村の標準負担額」とは、当該市町村の当該年度の地方交付税法第十条の規定により算定した普通交付税の額、同法第十四条の規定により算定した基準財政収入額から同条の規定により算定した特別とん譲与税(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第七条第三項の市にあつては、特別とん譲与税、地方道路譲与税及び石油ガス譲与税。以下この項において同じ。)の収入見込額を控除した額の七十五分の百に相当する額及び当該特別とん譲与税の収入見込額の合算額に、前項第一号の標準算式にあつては百分の十、同項第二号の特別算式にあつては百分の六を乗じて得た額をいい、「財政力指数」とは、地方交付税法第十四条の規定により算定した基準財政収入額を同法第十一条の規定により算定した基準財政需要額で除して得た数値で当該年度前三年度内の各年度に係るものを合算したものの三分の一の数値をいう。
4 第二項の規定を適用した場合において、関係市町村の負担割合が百分の二十未満となるときは、同項の規定にかかわらず、当該特定事業に係る経費に対する関係市町村の負担割合が百分の二十となるように国の負担割合を定める。
5 通商産業大臣は、第二項に規定する引上率を算定し、特定事業に係る事務を所掌する各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)並びに関係道府県知事及び関係市町村長に通知するものとする。
第十二条 関係市町村であつて地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)第三条第四項に規定する財政再建団体であるものに係る特定事業のうち、当該特定事業に係る経費について同法第十七条の規定により算定した国の負担割合(以下この項において「地方財政再建促進特別措置法による国の負担割合」という。)が当該特定事業に係る経費について前条の規定により算定した国の負担割合(以下この項において「この法律による国の負担割合」という。)をこえるものについては、同条の規定にかかわらず、地方財政再建促進特別措置法第十七条の規定を適用し、地方財政再建促進特別措置法による国の負担割合がこの法律による国の負担割合をこえないものについては、同条の規定にかかわらず、前条の規定を適用する。
2 国は、前条の規定にかかわらず、北海道の区域における関係市町村に係る特定事業のうち、第一号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合をこえるものについては、第一号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を、同号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合をこえないものについては、同号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し又は補助するものとする。
一 北海道の区域以外の区域における当該特定事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合に前条第二項の規定により当該市町村について算定した引上率を乗じて得た国の負担割合
二 北海道の区域における当該特定事業に係る経費に対する国の負担割合
3 前条第四項の規定は、前項第一号に掲げる国の負担割合を算定する場合について準用する。
4 前条第五項の規定は、国が第二項の規定により同項第一号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し又は補助することとなる場合について準用する。この場合において、「各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)」とあるのは、「各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)及び北海道開発庁長官」と読み替えるものとする。
5 新産業都市建設促進法(昭和三十七年法律第百十七号)第十条の規定に基づいて内閣総理大臣が承認した新産業都市建設基本計画又は工業整備特別地域整備促進法(昭和三十九年法律第百四十六号)第三条の規定に基づいて内閣総理大臣が承認した工業整備特別地域整備基本計画に基づいて第十条に規定する地区内において国、関係道府県又は関係市町村が行なう事業であつて、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十年法律第七十三号)第二条又は第三条若しくは第五条第二項の規定の適用を受けるものに関する第十条又は前条若しくは第二項の規定の適用については、政令で定める。
第十三条 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第四条第一項の規定による港務局は、この法律の適用については地方公共団体とみなす。
2 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第一項の規定による一部事業組合、同法第二百九十八条第一項の規定による地方開発事業団及び港務局の行なう事業についてこの法律を適用するために必要な事項は、政令で定める。
3 第十条の規定による利子の補給及び第十一条又は前条第二項の規定により通常の国の負担割合をこえて国が負担し又は補助することとなる額の交付に関し必要な事項は、政令で定める。