国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第79号
公布年月日: 昭和39年5月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

国際観光ホテル整備法は、外客宿泊施設としてのホテル・旅館の整備を図り、外客接遇の充実を目的として1949年に制定された。同法により外客向け宿泊施設の整備は進んだが、近年の登録ホテル業・旅館業の増加や施設水準の向上を踏まえ、外客接遇のさらなる充実のため改正が必要となった。主な改正点は、宿泊約款の届出義務化によるトラブル防止、施設管理方法や従業員教育等の遵守事項の制定、報告・検査規定の整備、登録基準の整備である。

参照した発言:
第46回国会 衆議院 運輸委員会 第13号

審議経過

第46回国会

衆議院
(昭和39年3月3日)
参議院
(昭和39年3月3日)
(昭和39年3月5日)
(昭和39年3月10日)
(昭和39年3月12日)
(昭和39年3月17日)
(昭和39年3月18日)
(昭和39年3月31日)
衆議院
(昭和39年4月7日)
(昭和39年4月10日)
(昭和39年4月14日)
(昭和39年4月15日)
(昭和39年4月16日)
国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年五月二日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第七十九号
国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律
国際観光ホテル整備法(昭和二十四年法律第二百七十九号)の一部を次のように改正する。
第六条の見出しを「(料金及び宿泊約款)」に改め、同条第一項中「業務に関する料金」の下に「及び宿泊約款」を加え、同条第二項中「料金」の下に「又は宿泊約款」を加え、同条第三項中「料金」の下に「及び宿泊約款」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(遵守事項)
第六条の二 この法律に規定するもののほか、登録を受けたホテルの施設の管理の方法、登録を受けたホテルに掲示すべき事項、外客に接する従業員に施すべき外客接遇上必要な教育の程度及び方法その他外客の利便の確保のために登録ホテル業を営む者の遵守すべき事項は、省令で定める。
2 主務大臣は、登録ホテル業を営む者が前項の省令の定める事項を遵守していないため外客の利便が確保されていないと認めるときは、当該登録ホテル業を営む者に対し、登録を受けたホテルの施設の管理の方法の改善その他その是正のために必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
第十一条第一号中「第六条第二項」の下に「若しくは第六条の二第二項」を加える。
第十六条を次のように改める。
(報告及び検査)
第十六条 主務大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、省令の定めるところにより、登録ホテル業を営む者に対し、その事業に関し報告をさせることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行を確保するため特に必要があると認めるときは、その職員に、登録を受けたホテルに立ち入り、ホテルの施設、これに関する書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
4 第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第二十八条中「(料金)」を「(料金及び宿泊約款)、第六条の二(遵守事項)」に、「(報告)」を「(報告及び検査)」に改める。
第三十二条第四号中「第十六条」を「第十六条第一項」に改め、同条に次の一号を加える。
五 第十六条第二項(第二十八条において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
別表第一第五号ロ中「冷温流水設備」を「冷水及び温水を出すことのできる洗面設備」に改める。
別表第一第六号を次のように改める。
六 使用のたびに用水を取り替えることのできる設備を有する浴室(以下「基準浴室」という。)又は冷水及び温水を出すことのできるシヤワー設備のあるシヤワー室(以下「基準シヤワー室」という。)及び座便式便器を備えた便所が附属している洋式客室の数が、洋式客室総数の三分の一以上あること。
別表第一第七号の次に次の一号を加える。
七の二 建物の主たる出入口のある階又は客の利用に供する最下の階から数えて四番目以上の階を客の利用に供する場合は、建物の主たる出入口のある階から客の利用に供する階へ通ずる乗用の昇降機があること。
別表第一第十四号中「、且つ、座便式のものがあり」を削り、「区別があること」を「区別があり、かつ、座便式便器の備付けがあること」に改める。
別表第三第二号の次に次の一号を加える。
二の二 ロビーその他の客の共用に供する室があること。
別表第三第三号中チをリとし、トをチとし、へをトとし、ホの次に次のように加える。
ヘ 洗面設備があること。
別表第三第三号の二中「専用の」を「冷水及び温水を出すことのできる」に改める。
別表第三第四号及び第四号の二を次のように改める。
四 基準浴室又は基準シャワー室及び座便式便器を備えた便所が附属している基準客室の数が、二室以上で、かつ、基準客室総数の十分の一以上あること。
四の二 基準浴室又は基準シャワー室が附属していない基準客室の数に相応した数の共同用の基準浴室又は基準シャワー室で、その入口にかぎをかけることができるものがあること。
別表第三第四号の二の次に次の一号を加える。
四の三 建物の主たる出入口のある階又は客の利用に供する最下の階から数えて四番目以上の階を客の利用に供する場合は、建物の主たる出入口のある階から客の利用に供する階へ通ずる乗用の昇降機があること。
別表第三第九号中「水洗式で座便式の便所があり、且つ、その」を「便所は水洗式であり、」に、「区別があること」を「区別があり、かつ、座便式便器の備付けがあること」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
2 この法律の施行の際現に登録ホテル業又は登録旅館業を営んでいる者が、その際現に実施している宿泊約款については、改正後の第六条第一項(改正後の第二十八条において準用する場合を含む。)中「実施前に」とあるのは、「国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第七十九号)の施行の日から三十日以内に」とする。
3 この法律の施行前に第三条(第二十八条において準用する場合を含む。)の規定により登録を受けたホテル又は旅館の施設については、改正後の別表第一(第七号の二を除く。)及び別表第三(第四号の三を除く。)の規定にかかわらず、この法律の施行の日から三年間は、なお従前の例による。
4 前項に規定するホテル又は旅館の建物であつて、この法律の施行の際現に改正後の別表第一第七号の二又は別表第三第四号の三の規定に適合しないものについては、これらの規定は、当該建物について増築又は改築(客の利用に供する部分に係るものに限る。)の工事が行なわれるまでの間は、適用しない。
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
運輸大臣 綾部健太郎
内閣総理大臣 池田勇人