旅行あつ旋業法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第78号
公布年月日: 昭和39年5月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

旅行あっ旋業法は1952年に制定され、旅行あっせん業の健全な発達と旅客接遇の向上に貢献してきた。しかし、IMF8条国移行に伴う日本人の海外観光渡航の自由化を控え、また最近の旅行あっせん業の現状や経済情勢の変動等により、現行法は旅行者保護の面で十分とは言えない状況となっている。そこで、日本人の海外渡航の適正な取り扱いを確保し、旅行あっせん業者の信用度向上と運営の適正化を図るため、一般旅行あっせん業者に海外旅行のあっせんを限定すること、営業保証金を約5割引き上げること、債務履行の不当な遅延行為等を禁止行為に加えることなどの改正を行おうとするものである。

参照した発言:
第46回国会 衆議院 運輸委員会 第13号

審議経過

第46回国会

参議院
(昭和39年2月29日)
衆議院
(昭和39年3月3日)
参議院
(昭和39年3月3日)
(昭和39年3月5日)
(昭和39年3月10日)
(昭和39年3月12日)
(昭和39年3月17日)
(昭和39年3月18日)
(昭和39年3月31日)
衆議院
(昭和39年4月7日)
(昭和39年4月10日)
(昭和39年4月14日)
(昭和39年4月15日)
(昭和39年4月16日)
旅行あつ旋業法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年五月二日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第七十八号
旅行あつ旋業法の一部を改正する法律
旅行あつ旋業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「外国人又は外国人及び日本人を対象とする」を「邦人旅行あつ旋業以外の」に改める。
第二条第四項及び第三条ただし書中「日本人を」を「日本人の本邦内の旅行のみを」に改める。
第四条第一項第五号中「及び住所」を削る。
第五条第二項中「、且つ、告示し」を削る。
第七条第四項中「告示をした日」を「通知を受けた日」に改める。
第九条第一項中「二十万円」を「三十万円」に、「五万円」を「七万円」に、「二万円」を「三万円」に、「五十万円」を「七十万円」に改める。
第十条第一項ただし書中「五十万円」を「七十万円」に、「二十万円」を「三十万円」に改める。
第十二条第一項中「日本人を」を「日本人の本邦内の旅行のみを」に改める。
第十三条を次のように改める。
(不正行為の禁止)
第十三条 旅行あつ旋業を営む者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 第十二条第一項の規定による料金の届出をしないで料金を収受し、又は届け出た料金をこえて料金を収受する行為
二 旅行あつ旋に関し取引をした者に対し、その取引によつて生じた債務の履行を不当に遅延する行為
三 旅行あつ旋に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
四 前三号に掲げるもののほか、旅行あつ旋に関する不正な行為
第十八条第二項中「告示をした日」を「通知を受けた日」に改める。
第二十条中「、且つ、その旨を告示し」を削る。
第二十一条の次に次の一条を加える。
(登録簿の閲覧)
第二十一条の二 運輸大臣は、旅行あつ旋業者登録簿を公衆の閲覧に供しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
(経過規定)
第二条 この法律の施行の際現に改正前の旅行あつ旋業法(以下「旧法」という。)第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けている者は、改正後の旅行あつ旋業法(以下「新法」という。)第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者とみなす。
2 前項の規定により一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者とみなされるものの当該登録の有効期間は、新法第六条の二の規定にかかわらず、同条の有効期間からその者が旧法第三条又は第六条の三第一項の規定により受けた登録の日からこの法律の施行の日の前日までの期間を控除した期間とする。
第三条 新法第六条の三第一項の規定の適用に関しては、旧法第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録(その有効期間がこの法律の施行の日の前日に満了するものに限る。)は、新法第三条又は第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録とみなす。
第四条 附則第二条第一項の規定により邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者とみなされるもの及びこの法律の施行の日において新法第六条の三第一項の規定による邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者は、新法第三条の規定にかかわらず、この法律の施行の日から三月間(その期間内に新法第二十条の規定により当該登録が抹消された場合には、この法律の施行の日からその日までの間)は、日本人の本邦外に係る旅行を対象として一般旅行あつ旋業を営むことができる。その者がその期間内に新法第三条の規定による一般旅行あつ旋業の登録の申請をした場合において、新法第五条第二項又は第六条第二項の規定による通知を受けるまでの期間についても、同様とする。
2 この法律の施行の際現に旧法第三条ただし書に規定する免許又は特許を受けている者は、新法第三条ただし書の規定にかかわらず、この法律の施行の日から三月間(その期間内に当該免許又は特許を受けている者でなくなつた場合には、この法律の施行の日からその日までの間)は、日本人の本邦外に係る旅行を対象として新法第二条第一項第二号の行為を行なう事業を営むことができる。その者がその期間内に新法第三条の規定による一般旅行あつ旋業の登録の申請をした場合において、新法第五条第二項又は第六条第二項の規定による通知を受けるまでの期間についても、同様とする。
第五条 附則第二条第一項の規定により一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者とみなされるもの及びこの法律の施行の日において新法第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者は、この法律の施行の日から三月以内に、新法第七条第一項の規定による営業保証金を供託し、かつ、供託物受入れの記載がある供託書の写しを添附して、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
2 附則第二条第一項の規定により一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者とみなされるものが、この法律の施行の際現に供託している営業保証金は、その登録を受けたものとみなされる事業について、新法第七条第一項の規定による営業保証金の一部として供託したものとみなす。
3 この法律の施行の日において新法第六条の三第一項の規定による一般旅行あつ旋業又は邦人旅行あつ旋業の登録を受けた者が、この法律の施行の日の前日において現に供託している営業保証金は、その登録を受けた事業について、新法第七条第一項の規定による営業保証金の一部として供託したものとみなす。
4 新法第七条第四項及び第五項並びに第二十四条の規定は、第一項の規定による営業保証金の供託及びその届出について準用する。この場合において、新法第七条第四項中「旅行あつ旋業の登録をした場合において、登録の通知を受けた日から十四日以内」とあるのは、「旅行あつ旋業法の一部を改正する法律(昭和三十九年法律第七十八号)の施行の日から三月以内」と読み替えるものとする。
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
法務大臣 賀屋興宣
運輸大臣 綾部健太郎
内閣総理大臣 池田勇人