労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第56号
公布年月日: 昭和39年4月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

労働保険審査会における再審査請求事件等の件数が年間平均260件を超え増加傾向にある中、業務災害を受けた労働者やその遺族、失業者等の生活実情を考慮し、案件を迅速かつ公正に処理することが求められている。そのため、労働保険審査会の委員を3人から6人に増員するとともに、3人の審査員による合議体で再審査請求事件等を処理することなど、運営に関する規定を整備し、案件の迅速かつ適正な処理を図るため、本法律案を提案するものである。

参照した発言:
第46回国会 衆議院 社会労働委員会 第7号

審議経過

第46回国会

衆議院
(昭和39年2月11日)
参議院
(昭和39年2月13日)
衆議院
(昭和39年2月25日)
参議院
(昭和39年2月27日)
衆議院
(昭和39年3月10日)
(昭和39年3月17日)
(昭和39年3月19日)
参議院
(昭和39年3月19日)
(昭和39年3月24日)
(昭和39年3月26日)
(昭和39年3月27日)
(昭和39年4月8日)
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年四月六日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第五十六号
労働保険審査官及び労働保険審査会法の一部を改正する法律
労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和三十一年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第二十五条第二項中「再審査請求の事件を取り扱う。」を「再審査請求の事件及び中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)第六十三条第一項の規定による審査の事務を取り扱う。」に改める。
第二十六条中「三人」を「六人」に改める。
第三十三条を次のように改める。
(合議体)
第三十三条 審査会は、委員のうちから、審査会が指名する者三人をもつて構成する合議体で、再審査請求の事件又は審査の事務を取り扱う。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、再審査請求の事件又は審査の事務を取り扱う。
一 前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合
二 前項の合議体を構成する者の意見が三説に分かれた場合
三 前二号に掲げる場合のほか、審査会が定める場合
第三十三条の次に次の三条を加える。
第三十三条の二 前条第一項又は第二項の合議体を構成する者を審査員とし、うち一人を審査長とする。
2 前条第一項の合議体のうち、会長がその構成に加わるものにあつては、会長が審査長となり、その他のものにあつては、審査会の指名する委員が審査長となる。
3 前条第二項の合議体にあつては、会長が審査長となり、会長に故障があるときは、第三十二条第三項の規定により会長を代理する委員が審査長となる。
第三十三条の三 第三十三条第一項の合議体は、これを構成するすべての審査員の、同条第二項の合議体は、四人以上の審査員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2 第三十三条第一項の合議体の議事は、その合議体を構成する審査員の過半数をもつて決する。
3 第三十三条第二項の合議体の議事は、出席した審査員のうちの三人以上の者の賛成をもつて決し、可否それぞれ三人のときは、審査長の決するところによる。
(委員会議)
第三十三条の四 審査会の会務の処理(再審査請求の事件又は審査の事務の取扱いを除く。)は、委員の全員の会議(以下「委員会議」という。)の議決によるものとする。
2 委員会議は、会長を含む過半数の委員の出席がなければ、これを開き、議決をすることができない。
3 委員会議の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
4 審査会が第三十条第三号の規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、出席した委員のうちの本人を除く全員の一致がなければならない。
第四十四条中「会長」を「審査長」に改める。
第四十六条第二項及び第三項中「委員」を「審査員」に改める。
第四十八条を次のように改める。
(合議)
第四十八条 審査会の合議は、公開しない。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十九年七月一日から施行する。
(任命のために必要な行為)
2 この法律の施行に伴い新たに任命されることとなる委員については、第二十七条第一項に規定する委員の任命のために必要な行為は、前項の規定にかかわらず、この法律の施行前においても行なうことができる。
(委員の任命手続の特例)
3 第二十七条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行に伴い新たに任命されることとなる委員の任命について準用する。
(委員の任期の特例)
4 この法律の施行に伴い新たに任命される委員の任期は、第二十八条第一項本文の規定にかかわらず、内閣総理大臣の定めるところにより、一人は三年とし、一人は二年とし、一人は一年とする。
労働大臣 大橋武夫
内閣総理大臣 池田勇人