(指定農薬の使用の規制)
第十二条の二 政府は、政令をもつて、次の各号の要件のすべてを備える種類の農薬を指定農薬として指定する。
一 当該種類の農薬が相当広範な地域にわたる水田においてまとまつて使用されているか、又は当該種類の農薬の普及の状況からみて近くその状態に達する見込みが確実であること。
二 当該種類の農薬が相当広範な地域にわたる水田においてまとまつて使用されるときは、一定の気象条件、地理的条件その他の自然的条件のもとでは、その使用に伴つて発生すると認められる水産動植物の被害が著しいものとなるおそれがあること。
2 都道府県知事は、前項の指定農薬につき、その当該都道府県の区域内における使用に伴つて発生したと認められる水産動植物の被害が現に著しいとき、又は当該都道府県の区域内の水田の面積及び当該指定農薬の使用見込み並びにその区域における自然的条件その他の条件を勘案して当該指定農薬の当該都道府県の区域内における使用に伴つて発生すると認められる水産動植物の被害が著しいものとなるおそれがあるときは、政令で定めるところにより、当該指定農薬の使用に係る利害の調整その他その使用の規制に関し必要となる方策について、農業に関する団体及び漁業に関する団体のそれぞれの意見並びに学識経験を有する者の意見を徴しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定により意見を徴した場合において、同項に規定する事態に対処するため有効適切であると認められる当該指定農薬の使用についての農業者の自主的な措置が現に講ぜられているか又はその措置が近く講ぜられる見込みがあると認められるときは、その措置の実施(その措置が近く講ぜられる見込みがある場合にあつては、その措置が講ぜられるようにするために必要な事項を含む。)について必要な指導その他の援助を行なうものとし、当該自主的な措置が講ぜられていないか又は近く講ぜられる見込みがなく、かつ、同項に規定する事態に対処するため有効適切な方法が他にないと認められるときは、政令で定めるところにより、同項に規定する団体のそれぞれの意見及び学識経験者の意見を徴し、当該指定農薬の使用についての農業者の自主的な措置の内容及び被害の発生の状況又はその発生の見込みその他の事情を勘案して、同項に規定する事態に有効適切に対処するため必要な範囲内において、規則をもつて、区域及び期間を限り、当該指定農薬の使用につきあらかじめ都道府県知事の許可を受けるべき旨を命ずることができる。
4 前項の規定による命令があつた場合における当該命令に係る同項の許可の基準については、省令で定める。
(被害の防止に関する指導等)
第十二条の三 農林大臣及び都道府県知事は、人畜又は水産動植物に有毒な農薬について、その使用に伴うと認められる人畜に対する危険又は水産動植物の被害を防止するため必要な知識の普及、その使用に関する情報の提供並びにその使用の時期及び方法の適正化に関する指導を行なうように努めるものとする。