(債券の発行)
第九条の二 外国為替銀行は、資本及び準備金(利益準備金、資本準備金その他株主勘定に属する準備金をいう。)の合計金額の五倍に相当する金額を限度として、債券を発行することができる。
(債券の借換発行の場合の特例)
第九条の三 外国為替銀行は、その発行した債券の借換えのため、一時前条に規定する限度をこえて債券を発行することができる。
2 前項の規定により債券を発行したときは、発行後一月以内にその発行券面額に相当する額の旧債券を償還しなければならない。
(債券発行の届出)
第九条の四 外国為替銀行は、債券を発行しようとするときは、そのつど、その金額及び条件をあらかじめ大蔵大臣に届け出なければならない。
2 商法(明治三十二年法律第四十八号)第二百九十八条(既存の社債に未払込みのある場合の社債発行の制限)の規定は、外国為替銀行が債券を発行する場合については適用しない。
(債券の発行方法、登記等)
第九条の五 外国為替銀行が債券を発行する場合において、応募総額が社債申込証に記載した債券の総額に達しないときでも債券を成立させる旨を社債申込証に記載したときは、その応募総額をもつて債券の総額とする。
2 外国為替銀行の発行する債券は、無記名とする。ただし、応募者又は所有者の請求により記名式とすることができる。
3 外国為替銀行は、債券を発行する場合においては、売出しの方法によることができる。この場合においては、売出期間を定めなければならない。
4 前項の場合においては、社債申込証を作ることを要しない。
5 第三項の規定により発行する債券には、左の事項を記載しなければならない。
6 商法第三百五条第一項(社債の登記)の期間は、債券の売出期間満了の日から起算する。
7 外国為替銀行は、売出しの方法により債券を発行しようとするときは、左の事項を公告しなければならない。
三 数回に分けて債券の払込みをさせるときは、その払込みの金額及び時期
8 外国為替銀行は、債券を発行する場合においては、割引の方法によることができる。
9 外国為替銀行が発行する債券の登記については、その総額(総額を数回に分けて発行する場合においては、各回の発行金額とする。以下次項において同じ。)を登記すれば足りる。
10 外国為替銀行が発行する債券については、変更の登記をすることを要しない。ただし、その総額の償還があつたときはその登記をし、かつ、毎年三月末におけるその償還を終わらない金額の合計金額を本店の所在地においては四週間以内、支店の所在地においては五週間以内に登記しなければならない。
11 売出しの方法により発行する債券の登記の申請書には、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百九十一条第二項第二号(社債の申込み及び引受けを証する書面)の書面に代え、左に掲げる書類を添附しなければならない。
12 第九項及び第十項の規定は、外国為替銀行がその目的を変更して他の業務を営む会社として存続する場合又は外国為替銀行でない会社が合併若しくは営業の譲受けにより外国為替銀行の債券を承継した場合において、第九項の規定により登記した債券について準用する。
(債券の消滅時効)
第九条の六 外国為替銀行が発行する債券の消滅時効は、元本については十五年、利子については五年で完成する。
(通貨及証券模造取締法の準用)
第九条の七 通貨及証券模造取締法(明治二十八年法律第二十八号)は、外国為替銀行が発行する債券の模造について準用する。
(合併異議の催告)
第九条の八 外国為替銀行が合併の決議をした場合において、商法第百条第一項(合併異議の公告及び催告)の規定によつてしなければならない催告は、債券の権利者又は預金者に対してはすることを要しない。