入場税法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第五十号
公布年月日: 昭和37年3月31日
法令の形式: 法律
入場税法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年三月三十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第五十号
入場税法の一部を改正する法律
入場税法(昭和二十九年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
第一条を次のように改める。
(課税範囲)
第一条 次に掲げる場所への入場には、この法律により、入場税を課する。
一 映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を多数人に見せ、又は聞かせる場所
二 競馬場及び競輪場
三 前二号に掲げる場所に類する場所で、政令で定めるもの
第二条第一項中「第一種又は第二種の」を「前条各号に掲げる」に改め、「、展覧会、博覧会」を削る。
第四条から第六条までを次のように改める。
(課税標準及び税率)
第四条 入場税は、入場料金を課税標準とし、入場料金の百分の十の税率により課する。
(免税点)
第五条 入場料金が一人一回の入場について三十円以下であるときは、入場税を課さない。
2 前項の規定に該当する場合のほか、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条(学校の範囲)に規定する小学校その他政令で定める学校の教員の引率により、当該学校における教育に資するため、当該学校の生徒、児童又は幼児を興行場等に入場させる場合において、入場料金が一人一回の入場について五十円以下であるときは、入場税を課さない。
(税額算定の特例)
第六条 経営者等が興行場等への入場者から領収した一人一回の入場についての金額が、前条第一項に規定する金額(前条第二項に規定する場合に該当するときは、同項に規定する金額。以下この条において同じ。)をこえ、当該金額とこれに対し第四条に規定する税率を乗じて計算した金額との合計額以下であるときは、その領収した金額から前条第一項に規定する金額を控除した額に相当する入場税を課する。
第七条第一項中「入場料金の一部又は低額の入場料金を領収しているときは、これらの料金」を「入場料金を領収したときは、当該料金」に改め、同項第一号中「当該入場が公務又は業務による」を「当該入場について、入場料金以外の給付を受けず、かつ、入場後において入場料金を領収しない」に改め、「その定めている入場料金の額」の下に「。ただし、入場後において入場料金を領収することとしている場合で、入場料金以外の給付を受けないときは、当該入場について領収すべき入場料金の額」を加え、同項第二号中「第一種の場所」を「興行場等」に、「通常領収すべき入場料金の額に比し著しく低額」を「当該催物の開催その他当該興行場等に入場させるために要する経費から勘案して低額」に改め、「催物を行う場合」の下に「その他政令で定める場合」を加え、「当該場所」を「当該興行場等」に改め、同条に次の一項を加える。
3 第一項第二号の規定が適用される場合においては、同号の規定により同号の経費を除するに用いた人員の数の入場者があつたものとみなす。
第八条第一項第一号中「、見せ物、展覧会又は博覧会」を「又は見せ物」に改め、同条第七項中「やむを得ない事由があると認めるとき」を「その内容が確定しないことその他これに類するやむを得ない事由があると認めるとき(国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)の規定により、その提出期限が延長されるときを除く。)」に改め、同条第八項中「、第十二条第一項の規定にかかわらず」を削る。
第九条中「場所」の下に「及び学生、生徒、児童その他催物に参加することを業としない者により行なわれるスポーツを催す競技場」を加える。
第十条から第十三条までを次のように改める。
(課税標準額及び税額の申告)
第十条 経営者等(第八条第一項又は第二項の規定により入場税の免除を受けた主催者を除く。)は、その興行場等ごとに、毎月(当該興行場等への入場について入場料金を領収しない月を除く。)、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を、翌月末日までに、その興行場等の所在地の所轄税務署長(以下「所轄税務署長」という。)に提出しなければならない。
一 その月中に当該興行場等への入場について領収した入場料金の総額
二 前号に掲げる入場料金の総額のうち、第五条又は前条の規定により課税されない入場料金の総額
三 第一号に掲げる入場料金の総額から前号に掲げる入場料金の総額を控除した金額(以下「課税標準額」という。)
四 課税標準額に係る入場税額
五 第十三条第一項の規定による控除を受けようとする場合には、その適用を受けようとする入場税額
六 第四号に掲げる入場税額から前号に掲げる入場税額を控除した税額(以下「納付すべき税額」という。)
七 第四号に掲げる入場税額から第五号に掲げる入場税額を控除してなお控除すべき不足額があるときは、当該不足額
八 その他参考となるべき事項
2 第十三条第一項に規定する領収金額の全部又は一部を払いもどした者は、前項の規定による申告書の提出を要しない月において、第十三条第一項の規定により控除を受けるべき金額に相当する金額の還付を受けるため、政令で定めるところにより、当該還付を受けようとする金額その他の事項を記載した申告書を、所轄税務署長に提出することができる。
第十一条 削除
(期限内申告による納付)
第十二条 第十条第一項の規定による申告書を提出した経営者等は、同項に規定する当該申告書の提出期限内に、当該申告書に記載した納付すべき税額に相当する金額の入場税を、国に納付しなければならない。
(入場税の控除等)
第十三条 経営者等(第四項の規定の適用を受ける者を除く。)が興行場等の経営又は催物を廃止し、休止し、又は中止したため、その領収した一人一回の入場についての入場料金と当該料金について課された、又は課されるべき入場税額に相当する金額との合計額(以下この条において「領収金額」という。)の全部又は一部を払いもどした場合には、当該経営者等が当該払いもどしの日の属する月の翌月以後に提出期限の到来する第十条第一項の規定による申告書(同項に規定する期限内に提出するものに限る。)に記載した同項第四号に掲げる入場税額から当該領収金額のうちの入場税額に相当する金額(領収金額の一部を払いもどした場合には、払いもどし後の金額が第五条の規定の適用を受けることとなるときを除き、当該払いもどし後の金額のうちの入場料金(払いもどし後の金額が第六条の規定の適用を受けることとなるときは、当該払いもどし後の金額)について第四条(払いもどし後の金額が第六条の規定の適用を受けることとなるときは、第六条)の規定を適用した場合における入場税額に相当する金額を控除した金額。以下この条において同じ。)の合計額を控除する。
2 前項の場合において、同項の規定による控除を受けるべき月分の第十条第一項の規定による申告書に同項第七号に掲げる不足額の記載があるとき、又は同条第二項の規定による申告書の提出があつたときは、それぞれ当該不足額又は当該申告書に記載された還付を受けようとする金額に相当する金額を還付する。
3 第一項の規定による控除又は前項の規定による還付を受けようとする経営者等は、当該控除又は還付に係る第十条の規定による申告書に、領収金額の払いもどしの事実を証明する書類として政令で定めるものを添附しなければならない。
4 第八条第八項の規定の適用を受けた主催者が、催物を休止し、若しくは中止したため、その領収金額の全部又は一部を払いもどした場合において、当該主催者が払いもどしをした日の属する月の翌月以後に当該主催者から徴収すべき入場税額があるときは、当該入場税額から当該領収金額のうちの入場税額に相当する金額の合計額を控除する。
5 前項の場合において、同項に規定する主催者から徴収すべき入場税額がないとき、又は徴収すべき入場税額から控除してなお不足額があるときは、前項に規定する領収金額のうちの入場税額に相当する金額の合計額又は当該不足額を還付する。
6 第四項の規定による控除又は前項の規定による還付を受けようとする主催者は、政令で定めるところにより、控除又は還付を受けようとする入場税額を記載した控除又は還付の申請書に、領収金額の払いもどしの事実を証明する書類として政令で定めるものを添附して、第八条第八項に規定する税務署長に提出しなければならない。
7 第二項又は第五項の規定による還付金につき国税通則法の規定による還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる期間は、当該還付に係る申告書又は申請書が次の各号のいずれに該当するかに応じ、当該各号に掲げる期限又は日の翌日から起算するものとする。
一 第十条第一項の規定による申告書 当該申告書の提出期限
二 第十条第二項の規定による申告書又は前項の規定による申請書 当該申告書又は申請書の提出があつた日の属する月の末日
第十四条第二項中「第十二条第二項又は第二十五条第三項」を「第十二条」に、「徴収される」を「納付する」に改め、同条第四項を削る。
第十五条から第十八条までを次のように改める。
第十五条から第十八条まで 削除
第十九条第一項第一号及び第二号を次のように改め、同項第三号を削る。
一 興行場等への入場者から領収する入場料金が一日を通じ、すべて第五条の規定の適用を受ける場合
二 入場料金を領収せず、かつ、入場料金以外の給付を受けないで入場させる場合
第十九条第一項中第四号を第三号とし、第五号を第四号とし、同項第六号中「に規定する文化財のみを公開する場所に入場させる」を「の規定の適用がある」に改め、同号を同項第五号とし、同項中第七号を第六号とし、同条中第十項を十一項とし、第六項から第九項までを一項ずつ繰り下げ、同条第五項中「毎月使用した入場券」の下に「(第八条第一項又は第二項の規定により入場税の免除を受けた主催者にあつては、免除を受けた催物について使用した入場券)」を加え、「第十条の規定による申告書」を「第十条第一項の規定による申告書又は第八条第六項の規定による明細書」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項の次に次の一項を加える。
5 経営者等は、第一項の規定による入場券を交付する場合には、領収すべき入場料金と当該料金について課されるべき入場税額との合計額(課されるべき入場税額のないときは、当該入場料金の額)を表示した入場券をもつてしなければならない。ただし、所轄税務署長の承認を受けた場合には、この限りでない。
第二十条第四項中「第二項」を「第三項」に、「第七項」を「第八項」に、「適用については、」を「適用について、第三項の規定により検印を受けた無料入場券は、前条第六項から第八項までの規定の適用について、それぞれ」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「第八項及び第九項」を「第九項及び第十項」に、「同条第八項」を「同条第九項」に、「第二十条第二項」を「第二十条第三項」に、「同条第九項」を「同条第十項」に改め、同項を同条第四項とし、同項の次に次の一項を加える。
5 前条第九項及び第十項の規定は、無料入場券の用紙について準用する。この場合において、同条第九項中「第二項」とあるのは「第二十条第三項」と、「交付」とあるのは「検印」と、「入場券」とあるのは「無料入場券」と、「税務署長に返さなければ」とあるのは「税務署長の確認を受けて廃棄しなければ」と、同条第十項中「第二項」とあるのは「第二十条第三項」と、「交付」とあるのは「検印」と、「同項の規定により指定された」とあるのは「同条第二項の規定により定めた」と読み替えるものとする。
第二十条第二項中「特別入場券」の下に「、無料入場券」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 経営者等は、興行場等への入場について入場料金を領収することとしている場合において、入場料金を領収せず、かつ、入場料金以外の給付を受けないで入場させるときは、使用すべき興行場等を定め、政令で定めるところにより前条第一項及び前項に規定する用紙以外の用紙で作成した入場料金無料の入場券(以下「無料入場券」という。)を発行し、これを入場者に交付しなければならない。
第二十条に次の一項を加える。
7 検印の印影の形式は、大蔵省令で定める。
第二十二条各号を次のように改める。
一 興行場等への入場者から領収する常時の入場料金が第五条の規定の適用を受ける場合
二 第九条の規定の適用がある場合
第二十三条第一号中「第十条」を「第十条第一項」に改める。
第二十四条の次に次の一条を加える。
(納税地)
第二十四条の二 入場税の納税地は、興行場等ごとに当該興行場等の所在地とする。
第二十五条第二項中「十倍」を「三倍」に改め、同条第三項を削る。
第二十六条第一号を次のように改める。
一 第十条第一項の規定による申告書の提出を怠つた者
第二十六条第三号中「第十九条第六項」を「第十九条第七項」に改め、「特別入場券」の下に「及び無料入場券」を加え、同条第四号中「第十九条第八項」を「第十九条第九項」に、「第二十条第三項」を「第二十条第四項及び第五項」に改め、「特別入場券」の下に「若しくは無料入場券」を加え、同条第五号中「第十九条第九項」を「第十九条第十項」に、「第二十条第三項」を「第二十条第四項及び第五項」に改め、「特別入場券」の下に「及び無料入場券」を加え、同条第六号中「第二十条第二項」を「第二十条第三項」に改め、「特別入場券」の下に「、無料入場券」を加え、同号を同条第七号とし、同条第五号の次に次の一号を加える。
六 第二十条第二項の規定に違反して、入場者に無料入場券を交付しなかつた者
第二十七条中第七号を第八号とし、第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、同条第四号中「第十九条第七項」を「第十九条第八項」に、「同条第六項」を「同条第七項」に改め、「特別入場券」の下に「及び無料入場券」を加え、同号を同条第五号とし、同条第三号中「第十九条第五項」を「第十九条第六項」に改め、「毎月使用した」を削り、「特別入場券」の下に「及び無料入場券」を加え、同号を同条第四号とし、同条第二号の次に次の一号を加える。
三 第十九条第五項の規定に違反して金額を表示しない入場券(特別入場券を含む。)を交付し、又は偽つた金額を表示した入場券(特別入場券を含む。)を交付した者
第二十八条中「法人の代表者」の下に「(法人でない社団又は財団で管理人の定めがあるものの管理人を含む。)」を加え、同条に次の一項を加える。
2 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものについて前項の規定の適用がある場合においては、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき当該社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第二十九条を削る。
附 則
1 この法律は、昭和三十七年四月一日から施行する。
2 この法律の施行前に領収した入場料金(入場税法第七条の規定により領収したものとみなされる入場料金を含む。)に係る入場税については、この附則又は他の法律に別段の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
3 この法律の施行後に入場するために使用される入場券をこの法律の施行前に前売りしている場合において、当該前売りに係る入場料金に対してこの法律による改正前の入場税法(以下「旧法」という。)の規定により課された、又は課されるべき入場税額に相当する金額と当該入場料金に対してこの法律による改正後の入場税法(以下「新法」という。)の規定を適用したときの入場税額に相当する金額との差額を払いもどしたときは、当該払いもどしが旧法第十三条の規定に該当するときを除き、当該払いもどしを新法第十三条第一項の払いもどしと、当該払いもどしに係る金額を同項の規定による控除を受けるべき金額とみなして、新法の規定を適用する。
4 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定により従前の例によることとされる入場税に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
5 印紙等模造取締法(昭和二十二年法律第百八十九号)の一部を次のように改正する。
第一条第一項中「証印の印影」の下に「、入場税法第二十条第七項の規定による検印の印影」を加える。
大蔵大臣 水田三喜男
内閣総理大臣 池田勇人