(基準輸出金額が増加した場合の益金算入)
第五十七条の二 前条第一項の規定の適用を受けた法人の第五十五条の二第一項に規定する基準輸出金額がその適用を受けたことにより新たに生じ、又は増加したため、当該事業年度の指定期間内の輸出取引による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となる場合には、同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入した金額から、当該輸出取引につき第五十五条第一項の規定を適用した場合に同項の規定により当該事業年度の所得の計算上損金に算入することとなる金額を控除した金額は、当該収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるに至つた事業年度の所得の計算上、益金に算入する。
(輸出取引がある場合の特別償却)
第五十七条の三 青色申告書を提出する法人の指定期間内の日を含む各事業年度の指定期間内の輸出取引及び技術輸出取引(以下この条及び次条において「輸出取引等」という。)による収入金額の合計額が、基準輸出金額に当該事業年度の指定期間の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(以下次条において「指定期間に係る基準輸出金額」という。)をこえ、かつ、当該事業年度の輸出金額割合が基準輸出金額割合をこえる場合(当該法人が当該事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度において輸出取引等を行なわなかつた場合その他基準輸出金額及び基準輸出金額割合がない場合として政令で定める場合を含む。)には、当該事業年度終了の日において当該法人の有する固定資産(当該事業年度における償却額の計算に関し第四十三条から第四十六条まで又は第四十八条から第五十一条までの規定の適用を受けるものを除く。)に係る当該事業年度の法人税法及び同法に基づく命令の規定により計算される償却範囲額は、これらの規定にかかわらず、当該償却範囲額(これらの規定に定める償却不足額があるときは、当該償却不足額に相当する金額を控除した金額)とこれに第四項の規定による割合を乗じて計算した金額との合計額(その控除した償却不足額に相当する金額があるときは、当該金額を加算した金額)とする。
2 前項に規定する基準輸出金額とは、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれその開始の日前一年以内に開始した各事業年度の輸出取引等(次条第一項第一号に規定する証明がされなかつた物品に係る取引のうち、同号に規定する当該証明に係る期限が当該指定期間内の日を含む各事業年度終了の日以前であるものを除くものとし、同項第三号に規定する証明を受けた取引のうち、その受けた日が当該各事業年度終了の日以前であるものを含むものとする。)による収入金額(第五十五条第四項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した収入金額)の合計額を当該一年以内に開始した各事業年度の月数の合計で除してこれに十二を乗じて計算した金額をいう。
3 第一項に規定する輸出金額割合とは、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれ当該事業年度の指定期間内の総収入金額(当該事業年度の所得の計算上益金に算入されないものその他政令で定めるものを除くものとし、第五十五条第四項各号に規定する取引については、当該各号に掲げる金額により計算した金額とする。以下この項において同じ。)のうちに当該指定期間内の第一項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいい、同項に規定する基準輸出金額割合とは、当該法人の当該各事業年度につき、それぞれその開始の日前一年以内に開始した各事業年度の総収入金額の合計額のうちに当該一年以内に開始した各事業年度の前項に規定する輸出取引等による収入金額の合計額の占める割合をいう。
4 第一項の規定により償却範囲額に乗ずべき割合は、同項に規定する法人の指定期間内の日を含む各事業年度につき、それぞれ当該事業年度の同項に規定する輸出金額割合から同項に規定する基準輸出金額割合を控除した割合(当該法人が当該事業年度開始の日前一年以内に開始した各事業年度において輸出取引等を行なわなかつた場合その他同項に規定する政令で定める場合には、当該事業年度の当該輸出金額割合とし、これらの割合が百分の五十をこえる場合には、百分の五十とする。)に、当該事業年度の指定期間の月数を乗じてこれを当該事業年度の月数で除して計算した割合(当該割合に小数点以下二位未満の端数があるときは、これを切り上げる。)とする。
5 第一項、第二項及び前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第一項に規定する法人が合併後存続する法人(当該合併を指定期間内の日を含む事業年度又は当該事業年度開始の日前一年以内に開始した事業年度において行なつたものに限る。)又は合併により設立した法人(当該設立後最初に開始した事業年度が指定期間内の日を含むものに限る。)である場合における当該法人に係る当該事業年度の同項に規定する基準輸出金額及び基準輸出金額割合の計算については、第二項及び第三項の規定にかかわらず、政令で定める。
7 第五十五条第四項及び第五項並びに第五十五条の三第二項の規定は、第一項の規定を適用する場合について準用する。
8 第一項の規定は、確定申告書等に同項に規定する償却範囲額の計算に関する明細書の添附がない場合には、適用しない。
(輸出の証明がされない場合等の償却範囲額の増減)
第五十七条の四 次の各号に規定する法人が当該各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日を含む事業年度終了の日において当該法人の有する固定資産(当該事業年度における償却額の計算に関し第四十三条から第四十六条まで又は第四十八条から第五十一条までの規定の適用を受けるものを除く。)に係る当該事業年度の法人税法及び同法に基づく命令の規定又は前条第一項の規定により計算される償却範囲額は、これらの規定にかかわらず、第一号及び第四号の場合にあつては、当該償却範囲額からこれらの号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額とし、第二号及び第三号の場合にあつては、当該償却範囲額にこれらの号に掲げる金額として政令で定めるところにより計算した金額を加算した金額とする。
一 前条第一項の規定の適用を受けた法人(第三号の規定に該当してこの項の規定の適用を受けた法人を含む。以下この項において同じ。)の指定期間内における第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引に係る物品のうちに当該取引の行なわれた日以後一年を経過した日を含む事業年度終了の日(当該法人が当該一年を経過した日前に合併により消滅した場合には、当該合併の日)までに第五十六条第一項又は第二項に規定する証明がされなかつたものがある場合において、当該証明がされなかつた物品に係る取引の行なわれた日を含む事業年度において当該取引が行なわれなかつたものとして前条第一項の規定を適用した場合に当該事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるため当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率(同項の規定により償却範囲額に乗ずべき割合をいう。以下この項において同じ(が適用されないこととなり、又は当該償却割増率が減少し、若しくはないこととなるとき。 その適用されないこととなり、又は減少し、若しくはないこととなる償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
二 前条第一項の規定の適用を受けた法人の指定期間内における前号に規定する取引で、その適用を受けた事業年度の同項に規定する基準輸出金額及び基準輸出金額割合の計算の基礎となるものにつき同号に規定する事由が生じた場合において、当該取引が行なわれなかつたものとして同項の規定を適用した場合に当該事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額のうち指定期間に係る基準輸出金額をこえる部分の金額が新たに生じ、又は増加し、かつ、当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が新たに生じ、又は増加するとき。 その新たに生じ、又は増加する償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
三 第五十七条第一項に規定する法人が指定期間内における同項各号に掲げる取引(輸出のための販売又は加工を除く。以下次号において同じ。)につき当該取引の行なわれた日以後一年を経過した日を含む事業年度終了の日までに同項に規定する証明を受けた場合において、当該証明を受けた取引を第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなして前条第一項の規定を適用した場合に当該取引の行なわれた日を含む事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額のうち指定期間に係る基準輸出金額をこえる部分の金額が新たに生じ、又は増加し、かつ、当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が新たに生じ、又は増加するとき。 その新たに生じ、又は増加する償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
四 前条第一項の規定の適用を受けた法人の指定期間内における第五十七条第一項各号に掲げる取引につき前号に規定する事由が生じた場合において、当該証明を受けた取引を第五十五条第一項第三号又は第五号から第九号までに掲げる取引とみなして前条第一項の規定を適用した場合にその適用を受けた事業年度の指定期間内の輸出取引等による収入金額の合計額が指定期間に係る基準輸出金額以下となるため当該事業年度における同項に規定する固定資産の償却範囲額に係る償却割増率が適用されないこととなり、又は当該償却割増率が減少し、若しくはないこととなるとき。 その適用されないこととなり、又は減少し、若しくはないこととなる償却割増率に対応する当該固定資産の償却範囲額
2 前項各号に掲げる輸出取引等による収入金額の計算その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
3 前条第八項の規定は、第一項第二号又は第三号の規定を適用する場合について準用する。