第二十九条の二 各省各庁の長は、政令の定めるところにより、当該各省各庁所属の職員に前条の契約に関する事務を委任することができる。
各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、他の各省各庁所属の職員に前項の事務を委任することができる。
各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に、契約担当官(各省各庁の長又は第一項若しくは前項の規定により委任された職員をいう。以下同じ。)に事故がある場合(契約担当官が第五項において準用する第四条の二第五項の規定により指定された官職にある者である場合においては、その官職にある者が欠けたときを含む。)におけるその事務を代理せしめることができる。
各省各庁の長は、必要があるときは、政令の定めるところにより、当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に、契約担当官の事務の一部を分掌せしめることができる。
第四条の二第五項の規定は、前四項の場合に、これを準用する。
第三項の規定により契約担当官の事務を代理する職員は、これを代理契約担当官といい、第四項の規定により契約担当官の事務の一部を分掌する職員は、これを分任契約担当官という。
第二十九条の三 契約担当官、代理契約担当官、分任契約担当官、支出負担行為担当官、代理支出負担行為担当官及び分任支出負担行為担当官(以下「契約担当官等」と総称する。)は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第三項及び第四項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。
前項の競争に加わろうとする者に必要な資格及び同項の公告の方法その他同項の競争について必要な事項は、政令でこれを定める。
契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、指名競争に付するものとする。
契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。
契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。
第二十九条の四 契約担当官等は、前条第一項、第三項又は第五項の規定により競争に付そうとする場合においては、その競争に加わろうとする者をして、その者の見積る契約金額の百分の五以上の保証金を納めさせなければならない。ただし、その必要がないと認められる場合においては、政令の定めるところにより、その全部又は一部を納めさせないことができる。
前項の保証金の納付は、政令の定めるところにより、国債又は確実と認められる有価証券その他の担保の提供をもつて代えることができる。
第二十九条の五 第二十九条の三第一項、第三項又は第五項の規定による競争(以下「競争」という。)は、特に必要がある場合においてせり売りに付するときを除き、入札の方法をもつてこれを行なわなければならない。
前項の規定により入札を行なう場合においては、入札者は、その提出した入札書の引換え、変更又は取消しをすることができない。
第二十九条の六 契約担当官等は、競争に付する場合においては、政令の定めるところにより、契約の目的に応じ、予定価格の制限の範囲内で最高又は最低の価格をもつて申込みをした者を契約の相手方とするものとする。ただし、国の支払の原因となる契約のうち政令で定めるものについて、相手方となるべき者の申込みに係る価格によつては、その者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められるとき、又はその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあつて著しく不適当であると認められるときは、政令の定めるところにより、予定価格の制限の範囲内の価格をもつて申込みをした他の者のうち最低の価格をもつて申込みをした者を当該契約の相手方とすることができる。
国の所有に属する財産と国以外の者の所有する財産との交換に関する契約その他その性質又は目的から前項の規定により難い契約については、同項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、価格及びその他の条件が国にとつて最も有利なもの(同項ただし書の場合にあつては、次に有利なもの)をもつて申込みをした者を契約の相手方とすることができる。
第二十九条の七 第二十九条の四の規定により納付された保証金(その納付に代えて提供された担保を含む。)のうち、落札者(前条の規定により契約の相手方とする者をいう。以下次条において同じ。)の納付に係るものは、その者が契約を結ばないときは、国庫に帰属するものとする。
第二十九条の八 契約担当官等は、競争により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、政令の定めるところにより、契約の目的、契約金額、履行期限、契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし、政令で定める場合においては、これを省略することができる。
前項の規定により契約書を作成する場合においては、契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は、確定しないものとする。
第二十九条の九 契約担当官等は、国と契約を結ぶ者をして、契約金額の百分の十以上の契約保証金を納めさせなければならない。ただし、他の法令に基づき延納が認められる場合において、確実な担保が提供されるとき、その者が物品の売払代金を即納する場合その他政令で定める場合においては、その全部又は一部を納めさせないことができる。
第二十九条の四第二項の規定は、前項の契約保証金の納付について、これを準用する。
第二十九条の十 前条の規定により納付された契約保証金(その納付に代えて提供された担保を含む。)は、これを納付した者がその契約上の義務を履行しないときは、国庫に帰属するものとする。ただし、損害の賠償又は違約金について契約で別段の定めをしたときは、その定めたところによるものとする。
第二十九条の十一 契約担当官等は、工事又は製造その他についての請負契約を締結した場合においては、政令の定めるところにより、自ら又は補助者に命じて、契約の適正な履行を確保するため必要な監督をしなければならない。
契約担当官等は、前項に規定する請負契約又は物件の買入れその他の契約については、政令の定めるところにより、自ら又は補助者に命じて、その受ける給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な検査をしなければならない。
前二項の場合において、契約の目的たる物件の給付の完了後相当の期間内に当該物件につき破損、変質、性能の低下その他の事故が生じたときは取替え、補修その他必要な措置を講ずる旨の特約があり、当該給付の内容が担保されると認められる契約については、政令の定めるところにより、第一項の監督又は前項の検査の一部を省略することができる。
各省各庁の長は、特に必要があるときは、政令の定めるところにより、第一項の監督及び第二項の検査を、当該契約に係る契約担当官等及びその補助者以外の当該各省各庁所属の職員又は他の各省各庁所属の職員に行なわせることができる。
契約担当官等は、特に必要があるときは、政令の定めるところにより、国の職員以外の者に第一項の監督及び第二項の検査を委託して行なわせることができる。
第二十九条の十二 契約担当官等は、政令の定めるところにより、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給又は公衆電気通信の役務の提供を受ける契約を締結することができる。この場合においては、各年度におけるこれらの経費の予算の範囲内においてその給付を受けなければならない。