臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第192号
公布年月日: 昭和36年11月7日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

臨時石炭鉱害復旧法による鉱害復旧は、10年間で約80億円の復旧工事を実施し、国土保全と民生安定に寄与してきた。しかし、現在も約240億円の安定鉱害が残存しており、その6-7割が本法による復旧対象と推定される。同法は昭和37年7月末で廃止予定のため、新規の大規模復旧工事着手が困難となっており、住民の間に不安が高まっている。また、衆議院商工委員会でも法延長を骨子とする改正案提出が決議された。これらを踏まえ、同法の有効期間を10年間延長するとともに、緊急事態への応急対応体制を整備し、特別鉱害復旧臨時措置法関連規定等も整備することを提案する。

参照した発言:
第39回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第2号

審議経過

第39回国会

参議院
(昭和36年10月5日)
衆議院
(昭和36年10月7日)
(昭和36年10月12日)
(昭和36年10月17日)
(昭和36年10月18日)
(昭和36年10月19日)
(昭和36年10月20日)
参議院
(昭和36年10月26日)
(昭和36年10月30日)
衆議院
(昭和36年10月31日)
参議院
(昭和36年10月31日)
(昭和36年10月31日)
(昭和36年10月31日)
臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年十一月七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百九十二号
臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律
臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第二百九十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第七十二条」を「第七十二条の三」に改める。
第二条第一項中「(特別鉱害復旧臨時措置法(昭和二十五年法律第百七十六号)第二条第二項の特別鉱害を除く。)」を削る。
第四十八条第二項中「復旧基本計画の変更について第六十六条第二項」を「次条第三項」に改める。
第四十九条中「負担区分に関するこれらの者の」を「次条第一項の規定により納付金を納付すべき者及び第五十二条の規定により復旧費を負担すべき者の負担区分に関する」に改め、同条に次の二項を加える。
2 事業団は、前項の規定により見込納付金額及び負担額を記載する場合において、次条第一項の規定により納付金を納付すべき者若しくは第五十二条の規定により復旧費を負担すべき者が事業の廃止若しくは休止、災害その他の理由により資力を有しないため、次条第一項若しくは第五十二条の規定により納付することとなる納付金若しくは負担金の額の全部若しくは一部を納付することが著しく困難であると認められるとき、又は次条第一項の規定により納付金を納付すべき者の所在が不分明であるときは、同項又は第五十二条の規定により納付することとなる納付金又は負担金の額からその全部又は一部を控除した額をその見込納付金額又は負担額として記載しなければならない。
3 事業団は、前項の規定により公共施設の復旧工事に関し見込納付金額又は負担額を減額して記載しようとするときは、あらかじめ、当該公共施設の負担区分についてその維持管理を行なう地方公共団体の同意を得なければならない。
第五十二条の次に次の一条を加える。
(納付金等の減免)
第五十二条の二 第四十九条第二項の規定により賠償義務者又は前条の受益者の見込納付金額又は負担額を減額して記載した復旧基本計画について第四十八条第一項の規定による認可があつたときは、当該賠償義務者又は前条の受益者は、第五十条第一項又は前条の規定にかかわらず、当該復旧基本計画に記載された見込納付金額又は負担額と第五十条第一項又は前条の規定により納付することとなる納付金又は負担金の額との差額に相当する額を納付することを要しない。
第五十三条中「第六十六条第二項」を「第四十九条第三項」に、「第四十八条第一項後段の規定による変更の認可」を「第四十八条第一項の規定による認可」に、「前条」を「第五十二条」に改める。
第五十三条の二第一項中「第六十六条第三項」を「第五十二条の二」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(特定の応急工事に要する費用の特例)
第五十三条の三 通商産業大臣が次の各号に該当すると認めた鉱害の復旧に係る応急工事は、政令で定めるところにより、予算の範囲内で国及び地方公共団体の費用をもつて施行することができる。
一 当該鉱害が天災その他の不可抗力と競合して発生したことその他の特別の事情により賠償義務者及びその責任の範囲を早急に確定することが困難であること。
二 当該鉱害を放置するときは、著しい被害を生じ、又は民生の安定を著しく害するおそれがあること。
2 前項の応急工事の施行者は、同項の応急工事を施行しようとするときは、あらかじめ、当該応急工事の概要及びこれに要する費用につき、主務大臣及び当該応急工事に要する費用を支弁する地方公共団体の長の承認(応急工事の施行者が当該応急工事に要する費用を支弁する地方公共団体である場合にあつては、主務大臣の承認)を受けなければならない。
3 第一項に規定する場合において、当該鉱害の賠償義務者及びその責任の範囲が確定し、又は賠償義務者以外の者で当該応急工事に要する費用を負担すべきものがあることが判明したときは、当該賠償義務者又は費用を負担すべき者は、政令で定めるところにより、その責任又は受益の限度において、国及び地方公共団体に対し、負担金を納付しなければならない。
4 前項の規定により負担金を納付すべき者については、当該応急工事に要する費用に限り、第五十条第一項及び第五十二条の規定は、適用しない。
第六十四条に次の一項を加える。
2 第五十三条の三第三項の規定により負担金を納付すべき者が当該負担金を納付すべき期日は、当該鉱害の賠償義務者及びその責任の範囲が確定し、又は賠償義務者以外の者で当該応急工事に要する費用を負担すべきものがあることが判明した日以後において当該応急工事に係る主務大臣及び地方公共団体の長が定める期日とする。
第六十六条を次のように改める。
第六十六条 削除
第七十一条第三項を削る。
第三章第三節中第七十二条の次に次の二条を加える。
第七十二条の二 国及び地方公共団体は、次項において準用する第七十条第一項の規定による督促を受けた者(地方公共団体を除く。)がその指定の期限までに第五十三条の三第三項の負担金及び次項において準用する前条の規定による延滞金を納付しないときは、国にあつては国税滞納処分の例により、地方公共団体にあつては地方税の滞納処分の例により、これを処分する。
2 第七十条及び前条の規定は、第五十三条の三第三項の規定により負担金を納付すべき者が当該負担金を納付しない場合に準用する。
第七十二条の三 第七十一条及び前条第一項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
2 前項に規定する徴収金を徴収する権利は、五年間行なわない場合においては、時効により消滅する。
第九十四条第五項中「第六十六条第三項」を「第五十二条の二」に改める。
附則第二項中「施行の日から十年以内」を「昭和四十七年七月三十一日まで」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して二月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 昭和三十六年度の復旧基本計画の作成及び変更並びに当該変更に係る復旧費については、なお従前の例による。
大蔵大臣 水田三喜男
文部大臣 荒木萬壽夫
厚生大臣 灘尾弘吉
農林大臣 河野一郎
通商産業大臣 佐藤榮作
運輸大臣 齋藤昇
建設大臣 中村梅吉
自治大臣 安井謙
内閣総理大臣 池田勇人
臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年十一月七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百九十二号
臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律
臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第二百九十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第七十二条」を「第七十二条の三」に改める。
第二条第一項中「(特別鉱害復旧臨時措置法(昭和二十五年法律第百七十六号)第二条第二項の特別鉱害を除く。)」を削る。
第四十八条第二項中「復旧基本計画の変更について第六十六条第二項」を「次条第三項」に改める。
第四十九条中「負担区分に関するこれらの者の」を「次条第一項の規定により納付金を納付すべき者及び第五十二条の規定により復旧費を負担すべき者の負担区分に関する」に改め、同条に次の二項を加える。
2 事業団は、前項の規定により見込納付金額及び負担額を記載する場合において、次条第一項の規定により納付金を納付すべき者若しくは第五十二条の規定により復旧費を負担すべき者が事業の廃止若しくは休止、災害その他の理由により資力を有しないため、次条第一項若しくは第五十二条の規定により納付することとなる納付金若しくは負担金の額の全部若しくは一部を納付することが著しく困難であると認められるとき、又は次条第一項の規定により納付金を納付すべき者の所在が不分明であるときは、同項又は第五十二条の規定により納付することとなる納付金又は負担金の額からその全部又は一部を控除した額をその見込納付金額又は負担額として記載しなければならない。
3 事業団は、前項の規定により公共施設の復旧工事に関し見込納付金額又は負担額を減額して記載しようとするときは、あらかじめ、当該公共施設の負担区分についてその維持管理を行なう地方公共団体の同意を得なければならない。
第五十二条の次に次の一条を加える。
(納付金等の減免)
第五十二条の二 第四十九条第二項の規定により賠償義務者又は前条の受益者の見込納付金額又は負担額を減額して記載した復旧基本計画について第四十八条第一項の規定による認可があつたときは、当該賠償義務者又は前条の受益者は、第五十条第一項又は前条の規定にかかわらず、当該復旧基本計画に記載された見込納付金額又は負担額と第五十条第一項又は前条の規定により納付することとなる納付金又は負担金の額との差額に相当する額を納付することを要しない。
第五十三条中「第六十六条第二項」を「第四十九条第三項」に、「第四十八条第一項後段の規定による変更の認可」を「第四十八条第一項の規定による認可」に、「前条」を「第五十二条」に改める。
第五十三条の二第一項中「第六十六条第三項」を「第五十二条の二」に改め、同条の次に次の一条を加える。
(特定の応急工事に要する費用の特例)
第五十三条の三 通商産業大臣が次の各号に該当すると認めた鉱害の復旧に係る応急工事は、政令で定めるところにより、予算の範囲内で国及び地方公共団体の費用をもつて施行することができる。
一 当該鉱害が天災その他の不可抗力と競合して発生したことその他の特別の事情により賠償義務者及びその責任の範囲を早急に確定することが困難であること。
二 当該鉱害を放置するときは、著しい被害を生じ、又は民生の安定を著しく害するおそれがあること。
2 前項の応急工事の施行者は、同項の応急工事を施行しようとするときは、あらかじめ、当該応急工事の概要及びこれに要する費用につき、主務大臣及び当該応急工事に要する費用を支弁する地方公共団体の長の承認(応急工事の施行者が当該応急工事に要する費用を支弁する地方公共団体である場合にあつては、主務大臣の承認)を受けなければならない。
3 第一項に規定する場合において、当該鉱害の賠償義務者及びその責任の範囲が確定し、又は賠償義務者以外の者で当該応急工事に要する費用を負担すべきものがあることが判明したときは、当該賠償義務者又は費用を負担すべき者は、政令で定めるところにより、その責任又は受益の限度において、国及び地方公共団体に対し、負担金を納付しなければならない。
4 前項の規定により負担金を納付すべき者については、当該応急工事に要する費用に限り、第五十条第一項及び第五十二条の規定は、適用しない。
第六十四条に次の一項を加える。
2 第五十三条の三第三項の規定により負担金を納付すべき者が当該負担金を納付すべき期日は、当該鉱害の賠償義務者及びその責任の範囲が確定し、又は賠償義務者以外の者で当該応急工事に要する費用を負担すべきものがあることが判明した日以後において当該応急工事に係る主務大臣及び地方公共団体の長が定める期日とする。
第六十六条を次のように改める。
第六十六条 削除
第七十一条第三項を削る。
第三章第三節中第七十二条の次に次の二条を加える。
第七十二条の二 国及び地方公共団体は、次項において準用する第七十条第一項の規定による督促を受けた者(地方公共団体を除く。)がその指定の期限までに第五十三条の三第三項の負担金及び次項において準用する前条の規定による延滞金を納付しないときは、国にあつては国税滞納処分の例により、地方公共団体にあつては地方税の滞納処分の例により、これを処分する。
2 第七十条及び前条の規定は、第五十三条の三第三項の規定により負担金を納付すべき者が当該負担金を納付しない場合に準用する。
第七十二条の三 第七十一条及び前条第一項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
2 前項に規定する徴収金を徴収する権利は、五年間行なわない場合においては、時効により消滅する。
第九十四条第五項中「第六十六条第三項」を「第五十二条の二」に改める。
附則第二項中「施行の日から十年以内」を「昭和四十七年七月三十一日まで」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して二月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 昭和三十六年度の復旧基本計画の作成及び変更並びに当該変更に係る復旧費については、なお従前の例による。
大蔵大臣 水田三喜男
文部大臣 荒木万寿夫
厚生大臣 灘尾弘吉
農林大臣 河野一郎
通商産業大臣 佐藤栄作
運輸大臣 斎藤昇
建設大臣 中村梅吉
自治大臣 安井謙
内閣総理大臣 池田勇人