中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第34号
公布年月日: 昭和36年3月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

中小企業の経営合理化と大企業との格差是正のため、特に設備面での立ち遅れを是正する必要性が高まっている。近年の技術革新と貿易自由化に対応するため、住宅地域や商業地域に散在する中小企業工場を、工場適地である団地に集団移転させることで、経営の合理化と生産性向上を図る必要がある。しかし、集団化計画の遂行には巨額の資金と高度な総合性が必要なため、国と地方公共団体による適切な指導・助成なしでは目的達成が困難である。そのため、中小企業振興資金助成法を改正し、集団化計画の円滑な実施を図ることとした。

参照した発言:
第38回国会 衆議院 商工委員会 第10号

審議経過

第38回国会

衆議院
(昭和36年3月3日)
参議院
(昭和36年3月9日)
衆議院
(昭和36年3月14日)
(昭和36年3月15日)
(昭和36年3月17日)
(昭和36年3月22日)
(昭和36年3月24日)
(昭和36年3月24日)
参議院
(昭和36年3月28日)
(昭和36年3月29日)
(昭和36年3月30日)
(昭和36年4月12日)
衆議院
(昭和36年6月28日)
中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年三月三十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第三十四号
中小企業振興資金助成法の一部を改正する法律
中小企業振興資金助成法(昭和三十一年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
中小企業振興資金等助成法
第一条中「設備の設置」を「設備の設置等」に、「交付すること」を「交付すること等」に改める。
第三条第一項に次の一号を加える。
四 事業協同組合若しくは事業協同小組合(これらの組合の組合員たる資格に係る事業が製造業(物品の加工修理業を含む。)であるものに限る。)又はこれらの組合のみを会員とする協同組合連合会(以下「事業協同組合等」という。)の組合員又は所属員が、その経営の合理化を図るため、当該事業協同組合等の作成する工場等集団化計画に基づいて一の団地に集団して工場又は事業場を設置する場合において、当該計画の内容が政令で定める基準に該当し、かつ、中小企業の振興に著しく寄与するものであると認められるときには、第一号及び前号に掲げるもののほか、次の資金
イ 事業協同組合等がその組合員又は所属員たる中小企業者の事業の用に供するため、土地を取得し、若しくは造成し、又は建物を建設するのに必要な資金
ロ 事業協同組合等の組合員又は所属員たる中小企業者がその事業の用に供するため、土地を取得し、若しくは造成し、又は建物を建設するのに必要な資金
第四条中「中小企業等協同組合、商工組合、商工組合連合会若しくは環境衛生同業組合の施設又は中小企業者の経営の合理化のための設備の設置に必要と認めた」を「同項各号に掲げる必要な資金と認めた」に改める。
本則に次の一条を加える。
(工場用地の買換えの場合の課税の特例)
第十四条 通商産業大臣は、事業協同組合等に対し、当該事業協同組合等の作成する工場等集団化計画の内容が第三条第一項第四号に規定する要件に該当するものである旨の承認をすることができる。
2 事業協同組合等が前項の承認を受けた場合において、当該事業協同組合等の組合員又は所属員たる中小企業者(政令で定める日において中小企業者である者に限る。)が、当該承認に係る工場等集団化計画の内容に従い、その事業の用に供している工場用地(政令で定める工場施設の敷地に供される土地をいうものとし、当該土地の上に存する権利を含むものとする。以下同じ。)を譲渡し、かつ、これに代わるべき土地(当該土地の上に存する権利を含む。)を取得してこれを工場用地として当該事業の用に供するときは、当該計画の内容に従つて工場用地を譲渡したことその他政令で定める事情があることにつき通商産業大臣の証明を受けた場合に限り、当該譲渡に係る収入金額又は益金に相当する金額は、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、当該譲渡の日を含む年又は事業年度の所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)又は法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の規定による所得の計算上、総収入金額又は益金に算入しない。
附 則
この法律は、昭和三十六年四月一日から施行する。
大蔵大臣 水田三喜男
通商産業大臣 椎名悦三郎
内閣総理大臣 池田勇人