東海道幹線自動車国道建設法
法令番号: 法律第129号
公布年月日: 昭和35年7月25日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

日本経済の発展に伴う交通需要の増大、特に自動車交通の急増により、道路整備の緊急性が高まっている。特に国道1号線(東海道)の交通量は年々倍増し、5年以内に交通麻痺に陥る危険性がある。交通事故の増加や走行速度低下による産業生産機能の低下も深刻な問題となっている。現国道の拡幅やバイパス建設では根本的解決は不可能であり、高速自動車専用道路の建設が喫緊の課題である。東海道地域は日本の産業活動の中枢として重要な役割を担っており、高速道路建設は産業基盤の強化と国民生活の向上に大きく寄与すると考えられる。

参照した発言:
第34回国会 衆議院 建設委員会 第19号

審議経過

第34回国会

衆議院
(昭和35年5月17日)
参議院
(昭和35年5月17日)
衆議院
(昭和35年5月18日)
参議院
(昭和35年5月19日)
衆議院
(昭和35年6月17日)
参議院
(昭和35年6月21日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
参議院
(昭和35年7月15日)
東海道幹線自動車国道建設法をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年七月二十五日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十九号
東海道幹線自動車国道建設法
(目的)
第一条 この法律は、わが国の経済の枢要地帯を形成する東海道地域における産業の飛躍的な発展に伴う交通情勢に対処するため、当該地域内の重要な都市を連絡する自動車の高速交通の用に供する幹線自動車国道の緊急な整備を図り、もつて経済基盤の強化に寄与することを目的とする。
(予定路線)
第二条 前条に規定する幹線自動車国道(以下「東海道幹線自動事国道」という。)の予定路線は、起点を東京都、終点を名古屋市附近とし、主たる経過地を横浜市附近、静岡市附近、浜松市附近及び豊橋市附近とする。
(路線の指定)
第三条 東海道幹線自動車国道の路線は、前条に規定する予定路線を基準として政令で指定する。
2 前項の規定による政令においては、路線名、起点、終点、重要な経過地その他路線について必要な事項を明らかにしなければならない。
(政令案の作成)
第四条 運輸大臣及び建設大臣は、この法律の施行後、すみやかに、前条の規定による政令の案を作成して閣議の決定を求めなければならない。
(整備計画)
第五条 運輸大臣及び建設大臣は、東海道幹線自動車国道の路線が指定された場合においては、政令で定めるところにより、すみやかに、東海道幹線自動車国道の新設に関する整備計画を定めなければならない。
2 運輸大臣及び建設大臣は、東海道幹線自動車国道の改築をしようとする場合においては、政令で定めるところにより、東海道幹線自動車国道の改築に関する整備計画を定めなければならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「国土開発縦貫自動車道」の下に「及び東海道幹線自動車国道建設法(昭和三十五年法律第百二十九号)第二条に規定する東海道幹線自動車国道」を加える。
第四条第一項中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 東海道幹線自動車国道建設法第三条の規定により政令でその路線を指定したもの
第四条第二項中「前項」を「前項第一号又は第三号」に、同条第三項中「第一項」を「第一項第一号又は第三号」に改める。
第五条第一項及び第三項中「運輸大臣及び建設大臣は、」の下に「前条第一項第一号又は第三号の規定に係る」を加える。
第七条第一項中「整備計画が決定された場合」の下に「又は東海道幹線自動車国道建設法第五条第一項の規定により整備計画が決定された場合」を加える。
第十一条第二項中「整備計画」の下に「又は東海道幹線自動車国道建設法第五条の規定により定められた整備計画」を加える。
第二十三条第一項中「この法律」の下に「又は東海道幹線自動車国道建設法」を加える。
3 道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)の一部を次のように改正する。
第二条の二中「整備計画」の下に「又は東海道幹線自動車国道建設法(昭和三十五年法律第百二十九号)第五条に規定する整備計画」を加える。
運輸大臣 南好雄
建設大臣 橋本登美三郎
内閣総理大臣 池田勇人